夏になると、冷蔵庫の野菜室へ高い確率で入ってくるゴーヤ。
ゴーヤチャンプルーにする。
炒め物にする。
天ぷらにする。
今年はずいぶん働いてもらいましたが、まだ本人に余力がありそうでした。
そこで今回は、ゴーヤを厚い輪切りにして、中へ自家製サルシッチャを詰め、片栗粉をまとわせてくんの台所で大活躍の熱の伝わりが均一になるマイヤーフライパンで焼いてみました。
すると、これがとんでもなく美味しい。
ゴーヤの爽やかなほろ苦さ。
サルシッチャからあふれる豚肉の旨味。
アメ横大津屋さんフェンネルや同じく大津屋さんのセージ、黒胡椒など、ハーブとスパイスの豊かな香り。
片栗粉をまとわせて焼いた表面は、薄くカリッと香ばしく仕上がります。
ゴーヤとサルシッチャは、どうやら以前から知り合いだったようです。
初対面とは思えないほど、話が早い。
ゴーヤにサルシッチャを詰めたら大正解だった
ゴーヤの肉詰めというと、合いびき肉や豚ひき肉を使い、醤油や味噌で和風に仕上げる料理が一般的です。
もちろん、それも美味しい。
しかし今回は、普通のひき肉ではなく、ハーブやスパイスを練り込んだくんのサルシッチャを詰めました。
サルシッチャの脂と肉汁が、焼いている間にゴーヤへじんわり染み込みます。
ゴーヤのほろ苦さは豚肉の脂でまろやかになり、フェンネルの甘く爽やかな香りがゴーヤの青い風味を引き立てます。
苦味を消してしまうのではありません。
ゴーヤらしい苦味を残したまま、肉の旨味とハーブの香りで美味しさへ変えていく。
ここが、この料理の面白いところです。
厚い輪切りにするのがポイント
今回のゴーヤは、縦半分ではなく横向きに切り、輪の形を生かしました。
厚さは1.5〜2cmほどがおすすめです。
薄すぎると肉を支えにくく、焼いている途中でゴーヤがやわらかくなりすぎます。
少し厚めに切ることで、外側にはゴーヤらしい歯触りが残り、中心は肉汁を吸ってジューシーに仕上がります。
さらに輪切りにすると、盛り付けたときの姿もきれいです。
ゴーヤの緑とサルシッチャの焼き色が並び、見た目は少々しゃれています。
材料はゴーヤと豚肉ですが、本人たちは前菜のつもりで皿に並んでいます。
ゴーヤのサルシッチャ肉詰め焼き
材料(2人分)
サルシッチャにはすでに塩や香辛料が入っているため、基本的に追加の塩は必要ありません。
市販の生ソーセージやイタリアンソーセージを使う場合も、商品の塩分に合わせて調整してください。
今回の片栗粉は、単なる衣ではありません。
ゴーヤと肉だねをつなぎ、肉汁を閉じ込め、表面を香ばしくするという三つの仕事を同時に担当しています。
目立たないのに業務範囲が広い。
職場に一人はいてほしいタイプです。
作り方
1.ゴーヤを厚い輪切りにする

ゴーヤはよく洗い、ヘタを切り落とします。
そのまま横向きにして、1.5〜2cmほどの厚さに切ります。
スプーンや小さなナイフを使い、中心の種とワタをくり抜きます。
内側の白い部分を完全に削り取る必要はありません。
ただし、種や硬い部分が残っていると肉を詰めにくいため、中心はきれいな輪になるよう整えます。
切ったあとはキッチンペーパーで水分を拭き取ってください。
水分が多いとサルシッチャが滑りやすく、せっかく詰めた肉が独立の道を歩み始めます。
2.サルシッチャを隙間なく詰める

ゴーヤの中心へサルシッチャを詰めます。
肉だねは焼くと少し縮むため、表面だけを軽く埋めるのではなく、指で押し込みながら内側へしっかり密着させます。
両面が少し盛り上がるくらい、ぎゅっと詰めても大丈夫です。
このとき、ゴーヤの内側へ片栗粉を薄く振ってから肉を詰めると、より外れにくくなります。
ただし、詰めすぎてゴーヤが割れないようにご注意ください。
人間関係と肉詰めは、押し込みすぎるとひずみが出ます。
自家製サルシッチャを作るときは、フードプロセッサーやミンサーがあると、肉の粗さを好みに調整しやすくなります。
粗びきにすると肉らしい食感が残り、今回のような肉詰め料理にもよく合います。
3.全体へ片栗粉を薄くまぶす

サルシッチャを詰めたゴーヤ全体へ、片栗粉を薄くまぶします。
肉の面だけではなく、ゴーヤの側面にも軽く付けてください。
余分な片栗粉は手ではたいて落とします。
片栗粉を厚く付けすぎると粉っぽくなるため、表面がうっすら白くなる程度で十分です。
このひと手間で、肉汁を閉じ込めながら表面に薄い焼き膜ができます。
4.肉の面から香ばしく焼く

フライパンへオリーブオイルまたは米油を入れ、中火で熱します。
ゴーヤの肉詰めを並べ、まずは肉の面から焼きます。
すぐに動かさず、2〜3分ほどかけて香ばしい焼き色を付けます。
焼き色が付いたら裏返し、反対側も同じように焼きます。
サルシッチャの脂が少しずつフライパンへ出てきますが、この脂がゴーヤを美味しく焼く調味料になります。
ただし、脂が多く出すぎた場合は、キッチンペーパーで少しだけ拭き取ってください。
5.蓋をして中心まで火を通す
両面に焼き色が付いたら弱火にし、蓋をして数分蒸し焼きにします。
厚みがあるため、表面だけを強火で焼くと中心のサルシッチャへ火が入りにくくなります。
弱火でゆっくり加熱し、中心まで十分に火を通してください。
最後に蓋を外し、火を少し強めて表面の水分を飛ばします。
片栗粉の衣がもう一度カリッとしてきたら焼き上がりです。

美味しく仕上げる5つのポイント
ゴーヤは厚く切る
1.5〜2cmほどの厚みにすると、焼いても形が崩れにくく、ゴーヤの食感とほろ苦さをしっかり楽しめます。
内側の水分を拭き取る
ゴーヤの内側が濡れていると、サルシッチャが外れやすくなります。
肉を詰める前に、キッチンペーパーで軽く拭いてください。
サルシッチャはしっかり押し込む
焼くと肉が縮むため、隙間を残さずゴーヤの内側へ密着させます。
片栗粉は薄くまぶす
片栗粉を薄くまとわせることで、肉とゴーヤが離れにくくなり、表面も香ばしく焼き上がります。
焼き色を付けたら弱火で火を通す
最初から弱火だけで焼くと香ばしさが出にくく、強火だけでは中心が生焼けになりやすくなります。
最初は中火で焼き色を付け、その後は蓋をして弱火で火を通すのがポイントです。
サルシッチャとゴーヤが合う理由
サルシッチャには、フェンネル、黒胡椒、にんにく、ハーブなどが使われます。
フェンネルの甘く爽やかな香りは、ゴーヤの青い香りとよくなじみます。
さらに豚肉の脂がゴーヤの苦味をまろやかにし、片栗粉で焼いた表面の香ばしさが、全体の味を一つにつなぎます。
味わいの順番は、まず肉の旨味。
次にハーブの香り。
最後にゴーヤの心地よいほろ苦さが残ります。
ゴーヤが苦いからこそ、サルシッチャの香りと脂が生きる。
サルシッチャが濃厚だからこそ、ゴーヤの苦味が後味を軽くする。
双方が相手の欠点を補うというより、長所をさらに前へ出す組み合わせです。
おすすめの食べ方とソース
サルシッチャ自体にしっかり味が付いているため、まずは何も付けずに食べてみてください。
そのままでも十分ですが、味を変えたい場合は次の組み合わせもおすすめです。
- レモンを軽く搾る
- 粒マスタードを添える
- 黒胡椒を挽く
- 青山椒透明醤油を数滴垂らす
- 赤紫蘇麹を少量添える
- トマトソースを敷いてイタリアン風にする
特にレモンは、豚肉の脂を軽やかにし、ゴーヤの青い香りを引き立てます。
粒マスタードを添えると、完全にビールの担当部署へ異動します。
余ったサルシッチャのアレンジ
肉だねが余った場合は、小さな肉団子に丸めて一緒に焼いても美味しいです。
パスタソース、トマト煮込み、スープ、ピザの具材にも使えます。
今回のゴーヤシリーズでは、サルシッチャとゴーヤ天を唐辛子、花椒、豆豉、豆板醤で炒めた辣子仕立ても作りました。
ゴーヤの天ぷらはホクホク。
サルシッチャはジューシー。
唐辛子と花椒の香りが加わり、こちらも大変ビールが進みます。
サルシッチャが四川へ旅をした。ゴーヤが主役になる夏の絶品「辣子炒め」
他にもサルシッチャ料理あります↓
サルシッチャとズッキーニの山椒ジェノベーゼパスタはコチラから
ゴーヤの天ぷらもおすすめ
ゴーヤを厚めに切って天ぷらにすると、外はさっくり、中はホクホク。
炒め物とはまったく違う甘みと食感が楽しめます。
ゴーヤは苦いだけの野菜ではありません。
揚げたり、肉を詰めたりすると、意外なほど多才です。
ゴーヤのサルシッチャ肉詰めに合わせたい飲み物
豚肉の旨味とハーブの香りには、爽やかなラガービールがよく合います。
炭酸が肉の脂を流し、ゴーヤとビールのほろ苦さが心地よく重なります。
白ワインなら、ヴェルメンティーノやソアーヴェなど、爽やかな酸味とハーブのニュアンスを持つ辛口がおすすめです。
ロゼワインも、豚肉の旨味とゴーヤの苦味の両方に寄り添ってくれます。
トマトソースを添える場合は、軽めのサンジョヴェーゼを少し冷やして合わせても美味しいでしょう。
肉詰めを焼きやすいフライパン
今回のように厚みのある肉詰め料理には、熱伝導が均一のフライパンに同じサイズの蓋が便利です。
最初に表面を香ばしく焼き、その後に蓋をして蒸し焼きにすることで、中心まで火を通しやすくなります。
適度な深さがあるフライパンなら、脂がはねにくく、裏返すときも安心です。
肉詰めを返した瞬間に場外へ送り出す事故も減らせます。
まとめ|ゴーヤとサルシッチャは驚くほど相性がいい
厚い輪切りにしたゴーヤへサルシッチャを詰め、片栗粉をまぶしてフライパンで焼きました。
ゴーヤの爽やかなほろ苦さと、サルシッチャの肉の旨味、ハーブやスパイスの香りが驚くほどよく合います。
- ゴーヤは1.5〜2cmほどの輪切りにする
- 中心の水分を拭き取る
- サルシッチャは隙間なく詰める
- 全体へ片栗粉を薄くまぶす
- 肉の面から香ばしく焼く
- 最後は蓋をして中心まで火を通す
特別なソースを用意しなくても、サルシッチャの味だけで十分に美味しく仕上がります。
普通のゴーヤの肉詰めとは少し違う、イタリアンの香りをまとった夏のおかずです。
ゴーヤチャンプルー、天ぷら、豆板醤炒めと働いてきたゴーヤに、今度は肉詰めという大役をお願いしました。
結果は大成功。
ゴーヤ本人も、今年の仕事ぶりにはかなり手応えを感じていると思います。

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