ズッキーニという野菜は、つい輪切りにして炒めがちです。
もちろん、それも美味しい。
でも今回は、ズッキーニをちょっと特別扱いします。
縦半分に切って、塩を振って、余分な水分を出して、じっくり焼く。
まるでステーキのように焼いて、少し休ませてから切る。
するとどうでしょう。
ズッキーニが急に、
「本日は添え物ではございません」
という顔をしてきます。
今回は、くんの自家製サルシッチャ、焼きズッキーニ、生山椒とバジルのジェノベーゼ、透明醤油漬け山椒、そして仕上げの花山椒。
合わせたのは、焼酎「彩響」のソーダ割り。
イタリアのパスタのはずなのに、山椒がふわり。
そこに焼酎ソーダがすっと入ってくる。
気づけば食卓の上で、イタリア、日本、少し四川が円卓会議を始めておりました。
しかも全員、かなり仲が良い。

今回の主役は、焼きズッキーニ
今回のポイントは、ズッキーニをただ炒めないことです。
ズッキーニは常温に戻してから縦半分に切り、断面に軽く塩を振って5分ほど置きます。
出てきた水分をしっかり拭き取ってから、断面をフライパンで香ばしく焼きます。
このひと手間で、ズッキーニの水っぽさが抜けて、甘みと香ばしさがぐっと出ます。
焼き色のついたズッキーニは、もうパスタの具材というより、ほぼステーキです。
野菜売り場からやってきたのに、肉の顔をしています。
サルシッチャは小さな旨味爆弾
合わせるのは、くんの自家製サルシッチャ。
今回は小さめの塊にして、フライパンでじっくり焼きました。
表面はこんがり、中はジューシー。
このサルシッチャの脂と香草の香りが、山椒ジェノベーゼと合わさることで、ただのジェノベーゼではなくなります。
バジルの青い香り。
山椒の爽やかな刺激。
サルシッチャの肉の旨味。
焼きズッキーニの甘み。
これはもう、パスタ界の混声四部合唱です。
しかも全員、声量があります。

今回使ったサルシッチャの基本レシピはこちらです。腸詰めにしないので、家庭でも作りやすいイタリアンソーセージです。
関連記事:サルシッチャ レシピ 簡単|腸なしで作るイタリアンソーセージ

材料
2人分の目安です。
サルシッチャ、山椒ジェノベーゼ、透明醤油漬け山椒に塩気があるので、仕上げの塩分は控えめがおすすめです。
作り方
1. ズッキーニに塩を振る
ズッキーニを常温に戻し、縦半分に切ります。
断面に軽く塩を振り、5分ほど置きます。
水分が浮いてきたら、キッチンペーパーでしっかり拭き取ります。
ここをサボると、焼くというより蒸す方向に進みます。
ズッキーニにも進路相談が必要です。
2. サルシッチャを焼く
フライパンに少量のオリーブオイルを入れ、サルシッチャを焼きます。
表面にしっかり焼き色がついたら、一度取り出します。
この時に出た脂は捨てません。
サルシッチャの脂は、旨味の履歴書です。
3. ズッキーニを焼く
同じフライパンでズッキーニを焼きます。
断面を下にして、しっかり焼き色をつけます。
ここで焦らないことが大事です。
ズッキーニに「焼かれている自覚」が芽生えるまで、じっくり待ちます。

4. 焼いたズッキーニを休ませる
焼けたズッキーニは一度取り出して、少し休ませます。
肉と同じです。
野菜なのに、ちょっと待遇が良い。
少し落ち着かせてから、食べやすい大きさにカットします。

5. 山椒ジェノベーゼと茹で汁を合わせる
リングイネを茹でます。
表示時間より少し短めに茹で、フライパンの中で仕上げるイメージです。
フライパンにサルシッチャ、焼きズッキーニ、山椒ジェノベーゼ、茹で汁を入れます。
ここで火を入れすぎると、ジェノベーゼの香りが飛びます。
弱火、または火を止めて余熱でやさしく絡めるくらいがちょうど良いです。

今回使った山椒ジェノベーゼはこちらの記事で作っています。
関連記事:生山椒とバジルのジェノベーゼ|真鯛カマ焼きとエビ小松菜フジッリパスタに

6. リングイネを絡める
茹でたリングイネを加え、ソースを麺にしっかり抱かせます。
ソースは多すぎると少しシャバっとします。
茹で汁は最初から入れすぎず、少しずつ足すのがおすすめです。
フライパンの底にソースが少し残るくらい。
でも、水たまりにはしない。
パスタの仕上げは、台所の治水工事でもあります。


7. 透明醤油漬け山椒と花山椒で仕上げる
皿に盛り付けたら、透明醤油漬け山椒を少し添えます。
最後に花山椒をふわっと。
花山椒は火を入れず、仕上げにかけるのがおすすめです。
熱々のパスタの湯気で香りが立つくらいがちょうど良い。
入れすぎると、口の中が山椒の記者会見になります。
全員が一斉にしゃべり出すので、少量で十分です。

仕上げに添えた透明醤油漬け山椒はこちらの記事で作っています。
関連記事:生の山椒の実で作る2種のおつまみ|アンチョビ太白胡麻油漬けと透明醤油漬け

美味しく作るポイント
ズッキーニは塩を振ってから焼く
ズッキーニは水分が多い野菜です。
そのまま焼くと、どうしても水っぽくなりやすい。
塩を振って5分置き、水分を拭き取ってから焼くことで、焼き色がつきやすくなります。
香ばしさも出て、パスタに入れても存在感が消えません。
ズッキーニは焼いたら少し休ませる
焼きたてをすぐ切るのではなく、少し休ませると水分と香りが落ち着きます。
ステーキのように扱うことで、ズッキーニがただの野菜ではなく、ひとつの具材として立ち上がります。
ズッキーニ本人も、まさかこんな待遇を受けるとは思っていなかったでしょう。
ジェノベーゼは火を入れすぎない
山椒ジェノベーゼは香りが命です。
強火でグツグツやると、せっかくのバジルや山椒の香りが飛んでしまいます。
フライパンの火を弱めるか、火を止めて余熱で絡めるくらいがちょうど良いです。
ジェノベーゼは、炒めるというより、まとわせる。
ここが大事です。
茹で汁は少しずつ入れる
茹で汁はソースをのばすために必要ですが、入れすぎると少しシャバっとします。
最初は少なめに入れて、足りなければ足す。
ソースがリングイネに絡んで、フライパンの底に少し残るくらいが理想です。
透明醤油漬け山椒と花山椒が効く
最後に添えた透明醤油漬け山椒が、とても良い仕事をします。
山椒ジェノベーゼの香りに、透明醤油の旨味とキレが加わります。
さらに仕上げの花山椒。
この花山椒は、火を入れずに最後にふわっと。
熱々のパスタの湯気で香りが立つくらいがちょうど良いです。
サルシッチャの脂、焼きズッキーニの甘み、山椒ジェノベーゼの青い香り。
そこに透明醤油漬け山椒と花山椒が重なると、味の輪郭が一気に立ちます。
この仕上げで、パスタが急に大人の顔になります。
履歴書の趣味欄に「香り」と書いているタイプです。
彩響ソーダが最強に合う
そして今回、合わせたのが焼酎「彩響」のソーダ割り。
これが驚くほど合いました。
サルシッチャの脂をソーダが軽やかに流し、焼きズッキーニの甘みを焼酎の透明感が受け止めてくれます。
そこに山椒ジェノベーゼと花山椒の香り。
口の中の流れは、こんな感じです。
肉の旨味。
ズッキーニの甘み。
山椒の香り。
彩響ソーダの余韻。
ワインでも合わせられますが、この料理は香りの要素が多いです。
バジル、山椒、花山椒、サルシッチャ、透明醤油。
登場人物が多いので、ワインによっては会議が少し荒れる可能性があります。
でも彩響ソーダは、その全員をすっとまとめてくれる。
「はい、では山椒さんは香り担当。サルシッチャさんは旨味担当。ズッキーニさんは甘み担当でお願いします」
そんな名司会ぶりです。

食べてみた感想
ひと口食べると、まず山椒ジェノベーゼの青い香り。
そこにサルシッチャの脂と旨味が追いかけてきます。
焼きズッキーニは甘くて香ばしい。
噛むとじゅわっと旨味が出て、リングイネと一緒に食べるとかなり満足感があります。
ただの野菜入りパスタではなく、しっかり料理として組み立てた一皿になりました。
サルシッチャの肉感。
ズッキーニのステーキ感。
山椒ジェノベーゼの香り。
透明醤油漬け山椒のキレ。
花山椒の余韻。
これはかなり大人のパスタです。
しかも重すぎない。
そして彩響ソーダを飲むと、また次のひと口が食べたくなる。
これは危険です。
美味しい料理に合うお酒というのは、箸とグラスの往復運動を発生させます。
本日の運動量、ほぼ上半身だけです。

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司会はもちろん、焼きズッキーニです。
本日は脇役ではありません。かなり前列に座っています。
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まとめ
今回のサルシッチャと焼きズッキーニの山椒ジェノベーゼ・リングイネは、かなり満足度の高い一皿になりました。
ポイントは、ズッキーニをステーキのように焼くこと。
サルシッチャは香ばしく焼くこと。
山椒ジェノベーゼは火を入れすぎないこと。
仕上げに透明醤油漬け山椒と花山椒で香りを立てること。
そして、彩響ソーダ。
これは本当に合いました。
イタリアンのようで、和の香りもあり、少し中華の気配もある。
でも食べると、ちゃんとまとまっている。
くんの台所らしい、香りと旨味のパスタになりました。
ズッキーニがある日には、ぜひ一度やってみてください。
たぶんズッキーニを見る目が変わります。
「あ、君、焼くとそんな顔するんだね」
そんな気持ちになります。
くんの料理相談室
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