自家製サルシッチャを作りました。
サルシッチャというのは、ざっくり言えばイタリアの生ソーセージ。
ひき肉に塩、胡椒、ハーブ、スパイスを混ぜ込んで、肉の旨味をぎゅっと閉じ込めたものです。
これを普通に焼いて食べても、もちろん美味しい。
しかし、ここでふと思ってしまったのです。
これ、カツレツにしたらどうなるんだろう?
この「ふと思った」が、料理ではたまに危険です。
だいたい美味しくなるか、台所が少し大変なことになるかの二択です。
今回は前者でした。
しかも、かなり強めの前者。
自家製サルシッチャ、衣を着る

まずは自家製サルシッチャを用意します。

肉の中には、ハーブやスパイスの香り。
フェンネルの甘い香り、黒胡椒の刺激、豚肉の脂の旨味。
この時点で、すでに焼くだけでも十分ごちそうです。
ですが今回は、ここからさらに衣をつけます。
薄力粉をまとわせ、卵にくぐらせ、パン粉をつける。
料理の世界で言うところの、
粉、卵、パン粉。
いわゆる“揚げ物の三者面談”です。
サルシッチャ本人は、まさか自分がカツレツになるとは思っていなかったでしょう。
しかし、人生というのは分かりません。
ソーセージにも第二の人生があります。



揚げると、香りが閉じ込められる
サルシッチャをそのまま焼くと、表面から脂がじわっと出て、香ばしく焼けます。
これはこれで最高です。
でも、カツレツにすると少し違います。
衣があることで、肉汁と香りが外に逃げにくい。
パン粉の中でサルシッチャの脂がじゅわっと広がり、ハーブの香りも一緒に閉じ込められる。
ひと口かじると、
カリッ。
じゅわっ。
ふわっと香草。
最後に肉の旨味。
これはもう、口の中で小さなイタリア祭りが始まります。
しかも神輿を担いでいるのは、だいたい豚肉です。
揚げ方のポイント
サルシッチャはひき肉なので、中までしっかり火を入れるのが大事です。
油の温度は高すぎない方がいいです。
目安は160〜170℃くらい。
高温で一気に揚げると、衣だけ先に色づいて中が追いつかないことがあります。
外はこんがり、中はしっとり火入れ。
ここを狙います。
小さめのサルシッチャなら、転がしながらじっくり揚げて、最後に少し休ませると肉汁が落ち着きます。
揚げたてをすぐ切ると、肉汁が勢いよく出てしまうことがあります。
料理人としてはうれしい現象ですが、食べる側としては皿に旨味を逃がすという、やや切ない展開になります。
少し休ませてから切る。
これだけで、断面のしっとり感が変わります。
付け合わせはジャンボ椎茸

今回の付け合わせはジャンボ椎茸。
これがまた、よかった。
サルシッチャカツレツは、肉の旨味と脂の香りが主役です。
そこに椎茸のじんわりした旨味が入ると、味に奥行きが出ます。
椎茸って、派手ではないけれど、出汁のように全体を支えてくれる食材です。
言うなれば、番組のメイン司会ではないけれど、隣で一言入れるたびに場が締まるタイプ。
こういう人がいる番組は長続きします。
料理も同じです。
くんのトリュフ醤油ソースとアーモンド

仕上げには、くんのトリュフ醤油ソース。
太白胡麻油、醤油、オイスターソース、紹興酒、みりん、トリュフゼスト。
このあたりを合わせた、和と中華とイタリアがテーブルの上で名刺交換しているようなソースです。
このソースをカツレツにかけると、サルシッチャの香草感に、醤油の香ばしさとトリュフの香りが重なります。
さらに刻んだアーモンド。
これがいい仕事をします。
カツレツの衣はカリッ。
アーモンドはコリッ。
サルシッチャはじゅわっ。
椎茸はむちっ。
食感が多い料理は、食べていて飽きません。
ただの揚げ物ではなく、香りと食感の料理になります。

材料
| 材料 | 目安 |
|---|---|
| 自家製サルシッチャ | 2本 |
| 薄力粉 | 適量 |
| 溶き卵 | 1個分 |
| パン粉 | 適量 |
| 揚げ油 | 適量 |
| ジャンボ椎茸 | 1〜2個 |
| くんのトリュフ醤油ソース | 適量 |
| アーモンド | 適量 |
作り方
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 自家製サルシッチャを用意する。表面の水分が多い場合は、軽くペーパーで押さえる。 |
| 2 | 薄力粉をまぶし、余分な粉を落とす。 |
| 3 | 溶き卵にくぐらせる。 |
| 4 | パン粉を全体につける。強く押しすぎず、ふんわりまとわせる。 |
| 5 | 160〜170℃の油で、転がしながらじっくり揚げる。 |
| 6 | こんがり色づき、中まで火が入ったら取り出して休ませる。 |
| 7 | ジャンボ椎茸を焼き、皿に盛る。 |
| 8 | サルシッチャカツレツを切って盛り付け、トリュフ醤油ソースと刻みアーモンドをかける。 |
食べた感想

これは、とんでもなく美味しかったです。
自家製サルシッチャの肉の旨味。
ハーブとスパイスの香り。
薄い衣の香ばしさ。
トリュフ醤油ソースのコク。
ジャンボ椎茸の旨味。
アーモンドの食感。
それぞれが強いのに、ちゃんと一皿にまとまっている。
特に、サルシッチャをカツレツにすることで、肉汁が衣の中に閉じ込められる感じがすごくいい。
焼いたサルシッチャはワイルド。
カツレツにしたサルシッチャは、少しよそ行き。
普段は近所の肉屋の兄ちゃんみたいなサルシッチャが、今日はジャケットを着てレストランに来た感じです。
ただし中身は相変わらず肉汁たっぷり。
そこがいい。
ソムリエのひとこと
この料理には、軽め〜中程度の赤ワインがよく合います。
サルシッチャの脂とハーブには、イタリアの赤がやっぱり強いです。
おすすめは、バルベーラ、キャンティ、サンジョヴェーゼ。
少し冷やしたランブルスコも最高です。
トリュフ醤油ソースが入るので、ピノ・ノワールのような赤も合います。
椎茸の香りとトリュフのニュアンスがあるので、少し土っぽさや熟成感のあるワインだと、料理に寄り添いやすいです。
白なら、樽感のあるシャルドネ。
泡なら、フランチャコルタやシャンパーニュもいいですね。
ただ、個人的にはこの料理、やっぱり赤です。
カツレツの香ばしさ、豚肉の旨味、醤油のコク。
ここに赤ワインを合わせると、食卓が急に休日になります。
まとめ
自家製サルシッチャは、焼くだけでも美味しい。
でも、カツレツにすると別の美味しさが出ます。
衣で香りと肉汁を閉じ込める。
トリュフ醤油ソースでコクを足す。
ジャンボ椎茸で旨味を支える。
アーモンドで食感を加える。
これは、かなり満足度の高い一皿でした。
サルシッチャを作ったら、ぜひ一度カツレツにしてみてほしいです。
焼くだけでは見えなかった、サルシッチャの新しい顔が出てきます。
そして食べた瞬間、たぶんこう思います。
ああ、ソーセージにも衣装が必要な日があるんだな。

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