

半田そうめんを、また食べました。
前回、そのツルツル、シコシコ、モチモチとした食感に驚かされまして。
「これは、ただ冷たいめんつゆにつけるだけでは終われない」
そう思った結果、今度は夏野菜の天ぷらを添えることになりました。
添える、と申し上げましたが、写真をご覧いただくと分かる通り、天ぷら側にもかなり前へ出る意思があります。
使った夏野菜は、冬瓜、ゴーヤ、茄子。
冬瓜はサクッとジューシー。
ゴーヤはサクッとホクホク。
茄子はサクッとトロトロ。
それぞれ食感がまったく違うのに、透明醤油で作った冷たいめんつゆにつけると、きれいに同じ食卓へ着地します。
天ぷら蕎麦ももちろんおいしい。
しかし、真夏の食卓に限っていえば、
天ぷら半田そうめんのほうが、少しだけ季節を分かっている。
そんな気がした、夏のごちそうです。
半田そうめんは、天ぷらにも負けない
一般的な細いそうめんは、繊細で喉越しがよく、暑い日にするすると食べられるのが魅力です。
一方、半田そうめんは少し太め。
冷水でしっかり締めると、表面はツルツル。噛むとシコシコ、その奥にモチッとした食感があります。
この麺そのものの力強さが、天ぷらと合わせたときに実に頼もしい。
天ぷらの油、衣の香ばしさ、野菜の甘味を受け止めながら、それでも麺の存在感が消えません。
そうめんなのに、天ぷらの横で遠慮しない。
夏の麺料理としては、かなり仕事のできるタイプです。
夏野菜の天ぷらは、食感の違いを楽しむ
今回使ったのは、冬瓜、ゴーヤ、茄子。
同じ衣をまとわせても、中の食感は三者三様です。
冬瓜は、サクッとジューシー
冬瓜というと、煮物やスープの印象が強い野菜です。
ところが、天ぷらにすると印象が変わります。
外側の衣はサクッ。
中は水分をたっぷり含み、噛んだ瞬間にみずみずしさが広がります。
大根ほど繊維質ではなく、ズッキーニよりもやわらかい。
見た目はおとなしいのですが、食べるとかなり印象に残ります。
冬瓜は、天ぷら業界ではまだ十分に発見されていない人材かもしれません。
ゴーヤは、サクッとホクホク
ゴーヤは、あの独特のほろ苦さが魅力です。
油で揚げることで苦味が少しまろやかになり、衣の香ばしさが加わります。
中は意外なほどホクホク。
透明醤油めんつゆにつけると、だしの旨味とゴーヤの苦味が重なり、後を引く味になります。
苦味があるから、次のひと口が欲しくなる。
大人は時々、甘い言葉より、少し苦いものを信用します。
茄子は、サクッとトロトロ
茄子の天ぷらについては、あまり説明はいらないかもしれません。
衣はサクッ。
中は熱々でトロトロ。
茄子が油をほどよく抱え込み、めんつゆを吸った瞬間、完成します。
ただし、揚げたては中が非常に熱い。
見た目の落ち着きにだまされて勢いよく食べると、口の中だけ急に夏本番になります。
魚屋のてんぷら粉で、衣がサクッと仕上がった
今回使った天ぷら粉は、浜口水産の「魚屋のてんぷら粉」です。
魚屋の天ぷら粉という名前だけでも、すでに少しおいしそうです。
鰹出汁入りで、衣そのものに旨味があります。
そして何より、揚げ上がりが軽く、サクッと仕上がる。
天ぷらは、衣が厚すぎると野菜の味が隠れ、薄すぎると少し寂しい。
この天ぷら粉は、野菜の存在感を残しながら、衣の香ばしさも楽しめました。
卵を使わずに作れるタイプなら、準備も簡単。
夏の台所では、工程がひとつ減るだけで、体感温度が少し下がります。
半田そうめんと夏野菜の天ぷらの作り方

材料|2人分
- 半田そうめん……2束
- 冬瓜……適量
- ゴーヤ……適量
- 茄子……適量
- 魚屋のてんぷら粉……適量
- 冷水……商品の表示に合わせた分量
- 揚げ油……適量
- 透明醤油……適量
- 無添加だし……適量
- 水……適量
- みりん……お好みで少量
天ぷらの量は、お腹と相談してください。
ただし、揚げ始める前の「これくらいで十分だろう」は、だいたい途中で撤回されます。
夏野菜の下ごしらえ
冬瓜は皮をむき、食べやすい厚さに切ります。
薄すぎるとジューシーさが弱くなるため、少し厚みを残すのがおすすめです。
ゴーヤは縦半分に切り、種とワタを取り除いて、食べやすい幅に切ります。
茄子はヘタを取り、縦または斜めに切ります。
野菜の表面に水分が多い場合は、キッチンペーパーで軽く拭き取っておきます。
天ぷらを揚げる
- てんぷら粉を、商品の表示に従って冷水で溶きます。
- 揚げ油を170〜180℃程度に温めます。
- 野菜に衣をまとわせ、油へ入れます。
- 衣がカリッとし、野菜に火が通ったら引き上げます。
- 網やキッチンペーパーの上で、余分な油を切ります。
一度にたくさん入れると油の温度が下がり、衣が重くなりやすいので、少量ずつ揚げるのがポイントです。
天ぷらは、鍋の中でも適度な距離感が必要です。
半田そうめんは、たっぷりのお湯で4分

今回の半田そうめんは、茹で時間4分。
一般的なそうめんよりも太いため、しっかり茹でることで、独特のモチモチ感が出ます。
- 大きめの鍋に、たっぷりのお湯を沸かします。
- 半田そうめんを入れ、すぐに菜箸で軽くほぐします。
- 表示時間を目安に茹でます。
- ザルに上げ、流水でもみ洗いします。
- 最後に氷水でしっかり締めます。
表面のぬめりをきちんと洗い流し、氷水で締める。
このひと手間で、半田そうめんのツルツル感とコシが際立ちます。
夏は人間も麺も、最後に冷やされると少し元気になります。
透明醤油めんつゆが、天ぷらを軽やかに見せる

今回のめんつゆは、フンドーダイの透明醤油と無添加だしで作りました。
透明醤油は、醤油の旨味と塩味を持ちながら、色がほぼ透明。
半田そうめんの白さや、ガラスの器の涼しさを残したまま、しっかり味をつけられます。
さらに、魚介や昆布、椎茸などの旨味を持つだしを合わせれば、見た目は透明でも、味わいはきちんと立体的です。
透明なめんつゆで食べた半田そうめんの記事はコチラ

透明醤油めんつゆの目安
- 水……400ml
- 無添加だし……小さじ2程度
- 透明醤油……大さじ3〜4
- みりん……大さじ1程度
鍋に材料を入れてひと煮立ちさせ、粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やします。
透明醤油やだしによって塩味が違うため、味を見ながら調整してください。
天ぷらをつける場合は、そうめんだけで食べるときよりも、ほんの少し濃いめにするとバランスがよくなります。
天ぷらを透明醤油めんつゆにつけると絶品

まずは、揚げたての天ぷらをそのまま。
衣のサクサク感と、野菜の食感を楽しみます。
次に、透明醤油めんつゆへ。
衣の端にめんつゆが染み込み、サクッとした部分と、しっとりした部分が同時に生まれます。
冬瓜にはだしが入り込み、みずみずしさと旨味が重なる。
ゴーヤは苦味がまろやかになり、鰹や昆布の旨味が加わる。
茄子はめんつゆを吸い込み、ほぼ説明不要の状態になります。
そして、天ぷらを食べた後に、冷たい半田そうめんをひと口。
熱い、冷たい。
サクッ、ツルッ。
油のコク、だしの旨味。
この繰り返しが止まりません。
食卓の上で、夏がきれいに往復運動を始めます。
天ぷら蕎麦より、夏は天ぷら半田そうめんかもしれない
温かい天ぷら蕎麦は、寒い日に食べると本当においしい。
だしの香り、蕎麦の風味、つゆを吸った衣。
あれは、冬の完成形のひとつです。
一方、真夏には冷たい半田そうめん。
しっかりしたコシがありながら、喉越しは爽やか。
そこへ、揚げたての夏野菜の天ぷらを合わせる。
天ぷらの満足感はそのままに、麺とめんつゆが冷たいので、全体が重くなりすぎません。
冬の天ぷら蕎麦に対して、夏の天ぷら半田そうめん。
これはかなり有力な対抗馬です。
蕎麦業界には、まだお伝えしていません。
ソムリエのひとこと|合わせるなら爽やかな白か泡
半田そうめんと夏野菜の天ぷらには、軽やかな酸味を持つ白ワインがよく合います。
おすすめは、甲州、ミュスカデ、ヴェルディッキオ。
透明醤油とだしの繊細な旨味を邪魔せず、天ぷらの油を酸味がすっきりと流してくれます。
特にヴェルディッキオは、ほのかな苦味がゴーヤと好相性。
もう少し気軽に楽しむなら、辛口のスパークリングワインや、すっきりしたビールもおすすめです。
天ぷらを揚げながら飲み始めると、完成時には少し陽気になっています。
火の前では、くれぐれも陽気になりすぎないようにしてください。
まとめ|半田そうめんと夏野菜の天ぷらは、夏のごちそう

ツルツル、シコシコ、モチモチの半田そうめん。
そこへ、魚屋のてんぷら粉でサクッと揚げた夏野菜を添えました。
冬瓜は、サクッとジューシー。
ゴーヤは、サクッとホクホク。
茄子は、サクッとトロトロ。
そして、透明醤油と無添加だしで作った冷たいめんつゆにつければ、夏らしく涼やかな天ぷらそうめんの完成です。
天ぷら蕎麦もおいしい。
しかし、暑い季節には、
天ぷら半田そうめんという選択肢があってもいい。
むしろ、かなりいい。
夏野菜が冷蔵庫に集まり始めたら、ぜひ試してみてください。
そうめんは軽い昼ごはんのつもりでしたが、天ぷらを添えた瞬間、きちんとした宴会になりました。

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