ひとくちメッセージ
麻辣湯は、春雨を入れて食べるだけでは終わりません。
黒豆麹味噌を入れて、発酵のコクがある春雨スープにしてもいい。
冷やして、夏野菜と豚しゃぶの冷製パスタにしてもいい。
魚介出汁を重ねて、ブイヤベースみたいにしてもいい。
残ったスープを、ひよこ豆と豚肉で食べるスープにしてもいい。
四川から南仏へ行って、最後は我が家の台所へ帰ってくる。
なかなか移動距離の長いスープです。
でも、これが意外とおいしい。
この記事では、くんのごはんで作ってきた麻辣湯アレンジをまとめます。
麻辣湯とは?辛いだけじゃない、しびれと旨みのスープ
麻辣湯は、唐辛子の辛みと花椒のしびれをきかせた、中国生まれのスープ料理です。
春雨、野菜、きのこ、肉、豆腐などを入れて食べることが多く、最近では専門店も増えてきました。
でも、麻辣湯の魅力は「辛い」「しびれる」だけではありません。
唐辛子の辛み。
花椒のしびれ。
香味野菜の香り。
黒酢の酸味。
豆板醤のコク。
発酵調味料の旨み。
肉や魚介の出汁。
このあたりをよく見ていくと、麻辣湯はかなり自由度の高いスープです。
つまり、ただ春雨を入れて食べるだけではなく、
春雨スープにも、冷製パスタにも、魚介スープにも、残りスープのリメイクにも展開できる。
麻辣湯は、思っているより懐が深い。
ちょっとした親戚の集まりくらい、受け入れ範囲が広いです。
しかも、全員ちょっと辛口です。
麻辣湯アレンジ早見表
どの麻辣湯アレンジから作るか迷ったら、まずはここから選んでください。
| 作りたい気分 | おすすめアレンジ | 向いている人 |
|---|---|---|
| まず基本の麻辣湯を作りたい | 黒豆麹味噌入り麻辣湯 | 春雨、きのこ、ひよこ豆で旨辛スープを食べたい人 |
| 暑い日に冷たく食べたい | 冷製麻辣湯スープパスタ | 夏野菜、豚しゃぶ、冷製麺が好きな人 |
| 魚介出汁で本格的に作りたい | 麻辣湯ブイヤベース | 蟹、魚アラ、サフラン、白い醤油麹を使いたい人 |
| 残ったスープを使い切りたい | ひよこ豆の麻辣湯風ポークビーンズ | 翌日のリメイク、食べるスープが好きな人 |
| 味の土台を作りたい | 自家製辣油・白い醤油麹 | くん流の麻辣湯ベースを作りたい人 |
麻辣湯は、最初から完成形をひとつに決めなくても大丈夫です。
一日目は黒豆麹味噌入りの春雨スープ。
暑い日は冷製パスタ。
魚介がある日はブイヤベース。
残ったスープは、ひよこ豆と豚肉で食べるスープ。
スープというより、連続ドラマです。
しかも、なかなか終わらない。
でも、終わらない理由が「おいしいから」なら、こちらとしては歓迎です。
まず作るなら|黒豆麹味噌入り麻辣湯

麻辣湯アレンジの入口として、まずおすすめしたいのが、黒豆麹味噌入り麻辣湯です。
自家製の黒豆麹味噌をスープに入れることで、麻辣湯が辛いだけではなく、発酵のコクがある旨辛春雨スープになります。
きのこ、ひよこ豆、春雨を黒豆麹味噌ベースのスープで煮込みます。
そこへ、食べる辣油、豆板醤、黒酢、鶏ガラスープ、花椒、醤油、紹興酒、辣油。
辛い。
しびれる。
でも、奥に黒豆麹味噌のコクがいる。
麻辣湯の勢いに、発酵調味料の落ち着きが加わる一杯です。
若手の辛さをまとめる、黒豆麹味噌部長。
こういう部長は、台所にひとりいてほしいです。
春雨がスープを吸い、きのこが旨みを出し、ひよこ豆がほくっと受け止める。
最後に焼いた豚ロース肉と食べる辣油をのせれば、しっかり食べる麻辣湯になります。
途中で目玉焼きを入れると、辛さが丸くなります。
最後にごはんを入れると、少しお行儀は横に置きますが、うまさは真ん中に残ります。
詳しい作り方はこちらです。

冷たく食べるなら|冷製麻辣湯スープパスタ

暑い日におすすめしたいのが、冷製麻辣湯スープパスタです。
麻辣湯を冷やし、フェデリーニと合わせて、夏野菜と豚しゃぶをたっぷりのせる一皿。
辛い。
しびれる。
でも冷たい。
この矛盾が、夏にはちょうどいいです。
暑い日に熱々の麻辣湯を食べるのもいいですが、体はもう少し涼しさを求めている。
でも口の中は、四川方面へ出張したがっている。
そのあいだを取り持つのが、冷製麻辣湯スープパスタです。
使う野菜は、オクラ、もやし、にんじん、きゅうり、小ネギ、サラダセロリ、ミョウガなど。
スープには、しめじやキクラゲを入れると、香りと食感が出ます。
豚ロースはしゃぶしゃぶにして、冷たいスープにやさしく合わせます。
冷製パスタとして食べるときは、辛さだけで押し切らないのがポイントです。
黒酢や梅酢麹の酸味。
白い醤油麹の旨み。
自家製辣油の香り。
花椒のしびれ。
このバランスが整うと、冷たいのに物足りないどころか、むしろ箸が止まらなくなります。
詳しい作り方はこちらです。

魚介出汁で作るなら|麻辣湯ブイヤベース

次におすすめしたいのが、麻辣湯ブイヤベースです。
これは、かなりくんのごはんらしいアレンジです。
麻辣湯のしびれと辛み。
蟹殻や魚アラから出る魚介の旨み。
サフランの香り。
白い醤油麹のやわらかな塩味。
自家製辣油と花椒の余韻。
四川と南仏が、台所の鍋の前で握手するようなスープです。
やや国際会議です。
しかも議題は「出汁」です。
麻辣湯ブイヤベースの面白いところは、辛いだけではないところです。
魚介の出汁が入ることで、スープに厚みが出ます。
蟹味噌や魚アラの旨みが重なると、麻辣湯の辛みがただの刺激ではなく、奥行きのある香りになります。
ここに白い醤油麹を入れると、塩味が角立たず、全体が丸くまとまります。
辛い。
しびれる。
でも、どこかやさしい。
この「やさしい麻辣」は、家庭料理としてかなり大事です。
辛さだけで勝負すると、食卓が少し体育会系になります。
おいしいけれど、毎回気合いが必要になる。
でも、魚介出汁と発酵調味料を重ねると、麻辣湯がちゃんと食事になります。
詳しい作り方はこちらです。

残りスープを使うなら|ひよこ豆の麻辣湯風ポークビーンズ

麻辣湯ブイヤベースの出汁が残ったら、捨てるのはもったいないです。
むしろ、ここからが第二幕です。
残った麻辣湯ブイヤベース出汁に、ひよこ豆、じゃがいも、マッシュルーム、豚ロースを合わせると、食べるスープになります。
イメージとしては、麻辣湯風ポークビーンズ。
ポークビーンズというと、トマトや豆のやさしい煮込みを思い浮かべますが、ここでは麻辣湯のしびれと魚介出汁が入ります。
やさしいだけでは終わらない。
豆なのに、少し目つきが鋭い。
でも、食べるとちゃんとおいしい。
ひよこ豆は、辛みのあるスープと相性がいいです。
ほくっとした甘みが、麻辣湯の辛さを受け止めてくれます。
じゃがいもを入れると、スープに少しとろみと満足感が出ます。
マッシュルームは香り。
豚ロースは旨み。
最後に目玉焼きをのせると、もうこれは立派な一皿です。
「残りもの」ではなく、ちゃんと次の日のごはんになります。
詳しい作り方はこちらです。

麻辣湯アレンジに使える自家製調味料
くん流の麻辣湯アレンジで大事なのが、自家製調味料です。
特に使いやすいのは、この3つです。
- 黒豆麹味噌
- 自家製辣油
- 白い醤油麹
麻辣湯は、辛さだけではなく、香りと旨みが大事です。
市販の麻辣スープの素を使ってもいいですが、自家製調味料を足すと、味にくんの台所らしさが出ます。
辛いだけではなく、香ばしい。
しびれるだけではなく、旨みがある。
口の中が忙しいけれど、ちゃんと着地点がある。
それが大事です。
黒豆麹味噌
黒豆麹味噌は、麻辣湯に発酵のコクを足してくれる調味料です。
豆板醤や辣油だけだと、辛みが前に出すぎることがあります。
そこに黒豆麹味噌を入れると、辛みの奥に旨みが出ます。
黒豆の香ばしさ。
米麹のやさしい甘み。
塩気とうま味。
発酵調味料ならではの丸み。
麻辣湯の中では目立ちすぎません。
でも、いないと物足りない。
会議でいうと、最後に一言だけ話して全部まとまる人です。
ああいう人、台所にも欲しいです。

自家製辣油
自家製辣油は、麻辣湯の香りを作る調味料です。
唐辛子の辛みだけでなく、にんにく、香味野菜、スパイスの香りが入ると、スープ全体が立体的になります。
麻辣湯、冷製パスタ、ポークビーンズ、炒めもの、餃子、冷奴。
いろいろ使えます。

白い醤油麹
白い醤油麹は、塩味と旨みをやわらかく足せる調味料です。
麻辣湯ブイヤベースのように、魚介出汁やトマト、サフラン、自家製辣油が重なる料理では、塩だけで味を決めるより、白い醤油麹を使うと全体が丸くなります。
麻辣湯の辛さを支える、縁の下の発酵調味料です。

どの麻辣湯アレンジから作るべき?
迷ったら、まずは黒豆麹味噌入り麻辣湯がおすすめです。
理由は、麻辣湯らしさが一番わかりやすいからです。
春雨。
きのこ。
ひよこ豆。
豚ロース。
黒豆麹味噌。
食べる辣油。
豆板醤。
黒酢。
花椒。
辛さ、しびれ、旨み、発酵のコクがひとつの鍋に入ります。
そこから、暑い日なら冷製パスタ。
魚介がある日なら麻辣湯ブイヤベース。
残ったスープがあるなら、ひよこ豆ポークビーンズ。
この順番で作ると、シリーズとしても自然です。
一度作った麻辣湯のスープを、
食べる。
冷やす。
魚介で深める。
豆で食べるスープにする。
これだけで、麻辣湯が一回きりの料理ではなくなります。
鍋の中で育つ料理になります。
麻辣湯アレンジをおいしくするコツ
辛さだけで味を決めない
麻辣湯は、辛さとしびれが魅力です。
でも、辛さだけで押すと、途中で疲れます。
大事なのは、酸味、旨み、香りを足すことです。
黒酢、梅酢麹、黒豆麹味噌、白い醤油麹、自家製辣油、魚介出汁。
このあたりを使うと、辛さが料理になります。
辛いだけだと、少し強引。
旨みがあると、ちゃんと帰る家がある味になります。
発酵調味料を使う
黒豆麹味噌や白い醤油麹を使うと、麻辣湯の味に丸みが出ます。
唐辛子や花椒は、どうしても前に出ます。
そこに発酵調味料を入れると、辛さの奥に旨みが生まれます。
辛さの後ろに座っている、やさしい人です。
ただし、黒豆麹味噌や白い醤油麹は入れすぎると塩味が強くなります。
少しずつ入れて、味見しながら調整するのがおすすめです。
出汁を重ねる
麻辣湯に魚介出汁を重ねると、一気に料理としての奥行きが出ます。
蟹殻、魚アラ、海老の殻、貝の出汁。
ここに花椒や辣油を合わせると、ただ辛いだけではなく、香りのあるスープになります。
麻辣湯ブイヤベースは、まさにこの考え方です。
四川のしびれに、南仏の魚介出汁。
台所の中で、かなり遠距離の出会いが起きます。
残りスープを捨てない
麻辣湯の残りスープには、野菜、肉、魚介、調味料の旨みが出ています。
捨てるには惜しいです。
ひよこ豆、じゃがいも、きのこ、豚肉を足せば、次の日の食べるスープになります。
春雨を足してもいい。
ごはんを入れてもいい。
パスタにしてもいい。
スープを使い切ると、料理が一段うまくなった気がします。
実際、うまいです。
よくある質問
麻辣湯は春雨以外でも作れますか?
作れます。春雨はもちろん、パスタ、ごはん、ひよこ豆、じゃがいも、きのこなどにも合います。麻辣湯のスープは、辛みとしびれだけでなく旨みもあるので、具材を変えるとアレンジしやすいです。
麻辣湯はパスタにしてもおいしい?
おいしいです。特に冷製パスタにすると、辛さと酸味が引き立ちます。細めのフェデリーニを使うと、冷たい麻辣湯スープとなじみやすくなります。
麻辣湯に魚介出汁を合わせても大丈夫?
合います。蟹殻や魚アラの出汁を使うと、麻辣湯の辛みとしびれに旨みが重なり、ブイヤベース風の深いスープになります。
麻辣湯の残りスープは何に使える?
ひよこ豆、じゃがいも、きのこ、豚肉を加えると、食べるスープにできます。ごはんやパスタ、春雨を入れてもおいしく使えます。
麻辣湯アレンジにおすすめの調味料は?
黒豆麹味噌、自家製辣油、白い醤油麹、黒酢、花椒がおすすめです。辛さだけでなく、香り、酸味、旨み、発酵のコクを足すと、家庭でも食べやすい麻辣湯になります。
まとめ|麻辣湯は、台所で育てるスープです
麻辣湯は、春雨を入れて食べるだけでは終わりません。
黒豆麹味噌を入れて、発酵のコクがある春雨スープにする。
冷やして、冷製パスタにする。
魚介出汁を足して、ブイヤベース風にする。
残ったスープを、ひよこ豆と豚肉で食べるスープにする。
一度作ったスープが、形を変えて何度も楽しめます。
辛い。
しびれる。
でも、ちゃんと旨い。
麻辣湯は、刺激だけの料理ではなく、出汁と発酵調味料で育てると、台所の頼れるスープになります。
春雨だけで終わらせない。
麻辣湯は、まだまだ遊べます。
そして、遊んだあとにちゃんとおいしい。
そこがいちばん大事です。

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