納豆と干し大根糠漬けの発酵チャーハン|黒バラ海苔香る、冷蔵庫の名脇役が主役になる一皿

納豆と干し大根糠漬けと黒バラ海苔で作った発酵チャーハンの完成 おつまみ・酒肴
納豆を香ばしく焼き、干し大根糠漬けと黒バラ海苔を合わせた発酵チャーハン。冷蔵庫の名脇役が、ちゃんと主役になります。

納豆、糠漬け、海苔。

この三つが食卓に並んだら、普通は日本の朝ごはんです。

ごはん、味噌汁、焼き魚、そして納豆。
「ああ、今日も一日が始まるなぁ」という、実に平和な光景。

ところが本日は違います。

フライパンを出した瞬間、朝食会場が一気に中華鍋前の特設スタジオへ。

納豆と干し大根糠漬けと黒バラ海苔で、発酵チャーハンを作りました。

これがですね、想像以上に美味しかった。

冷蔵庫整理のような顔をしているのに、食べてみるとしっかり一皿料理。
例えるなら、普段は後ろの席で静かにしている人が、発表の日にいちばん良い企画書を出してきた感じです。

干し大根糠漬け、しいたけ、新生姜、長ネギ、納豆、溶き卵、黒バラ海苔を並べた発酵チャーハンの材料
今回の材料。干し大根糠漬け、しいたけ、新生姜、長ネギ、納豆、溶き卵、黒バラ海苔。発酵と香りのオールスターです。

今回の主役は「干し大根糠漬け」

袋のまま使えるスタンドパック型のぬか床と干し大根のぬか漬けとカブのぬか漬け
袋のまま使えるスタンドパック型のぬか床。冷蔵庫でも管理しやすいのが便利です。

チャーハンに漬物を入れると美味しい。

これは、たくあんチャーハンでもおなじみの技です。

ただ、今回使ったのは干し大根の糠漬け

ここが実に良いんです。

干し大根だから、噛んだ時にポリポリとした食感があります。
糠漬けだから、酸味と発酵の香りがあります。
さらに塩気もある。

つまり、具材であり、調味料であり、食感担当でもある。

会社で言えば、営業も経理も現場もできる人です。
少し休ませてあげたいくらい働きます。

今回使った干し大根糠漬けはこちら。
白瓜の浅漬け、カブと干し大根の古漬け風を作った記事です。チャーハンに入れると、酸味とポリポリ食感がいい仕事をします。

Amazonで買った熟成ぬか床が便利すぎた|白瓜浅漬と蕪と干し大根の古漬け

ぬか漬けをこれから始めたい方はこちら。
ぬか床は「育てる前」を買うという選択もあります。気合いより、続けられること。ここ、大事です。

ぬか床 始め方|買うだけで簡単に始める方法(初心者向け)

材料

分量は目安です。
チャーハンなので、冷蔵庫の状況とお腹の空き具合に合わせてください。

  • ごはん 適量
  • 納豆 1パック
  • 卵 1〜2個
  • 干し大根糠漬け 適量
  • しいたけ 適量
  • 新生姜 適量
  • 長ネギ 適量
  • 黒バラ海苔 たっぷり
  • 油 適量
  • 透明醤油 少々
  • 白こしょう 少々
  • 仕上げに青のり、または追い黒バラ海苔 お好みで

納豆と干し大根糠漬けに旨みと塩気があるので、味付けは控えめで大丈夫です。

ここで醤油を入れすぎると、せっかくの糠漬けの酸味や新生姜の香りが隠れてしまいます。
醤油は主役ではなく、司会進行くらいの立ち位置で。

作り方

1. まずは納豆を焼く

フライパンに油を入れて、まず納豆を焼きます。

ここが今回の大事なポイントです。

納豆はそのままごはんと合わせると、どうしても「納豆ごはん感」が出やすい。
でも、先に油で焼いてあげると、粘りが少し落ち着いて、香ばしさが出ます。

納豆の表面に少し焦げ目がついたら、もう勝ちです。

この瞬間、納豆が朝ごはんの顔から、炒め物の顔に変わります。
衣装替えが早い。

フライパンで納豆を油で焼き香ばしさを出している様子
まずは納豆を油で焼きます。粘りを落ち着かせて、香ばしさを引き出すのがポイント。

2. 溶き卵を加える

納豆が香ばしくなったら、溶き卵を加えます。

納豆の焦げた香りを、卵がふわっと受け止めてくれます。

納豆と卵は昔から相性抜群ですが、炒めるとまた違う美味しさになります。
ふだんの納豆卵ごはんが、ここで一気にチャーハンの方向へ進路変更。

ナビなら「目的地を変更しました」と言うところです。

焼いた納豆に溶き卵を加えてフライパンで炒めている様子
香ばしく焼いた納豆に溶き卵を加えます。ここで卵が納豆の旨みを包み込みます。

3. ごはんを入れて炒める

卵が半熟のうちに、ごはんを加えます。

ごはんをほぐしながら、納豆と卵を全体にまとわせるように炒めます。

このチャーハンは、町中華の超高速パラパラ炒飯とは少し違います。

目指すのは、発酵の旨みをまとった、和風しっとり香ばしチャーハン

もちろんベチャッとさせるのは違いますが、無理にパラパラだけを追いかけなくても大丈夫です。

納豆、卵、ごはんが一体になったところで、だいぶ美味しい土台ができています。

納豆と卵を炒めたところにごはんを加えてチャーハンにしている様子
卵が半熟のうちにごはんを投入。納豆と卵の旨みを米にまとわせていきます。

チャーハンは、ごはんでかなり変わります。
冷水で研いで、冷蔵庫でしっかり給水。粒立ちのいいごはんは、炒めてもおいしいです。

ご飯を美味しく炊く方法|冷水研ぎ+6時間浸水で甘みが変わる理由

4. 干し大根糠漬け、しいたけ、新生姜、長ネギを加える

ごはんがなじんできたら、刻んだ具材を加えます。

今回入れたのは、干し大根糠漬け、しいたけ、新生姜、長ネギ。

ここでチャーハンに一気に表情が出ます。

  • 干し大根糠漬けは、ポリポリ食感と酸味。
  • しいたけは、旨みと香り。
  • 新生姜は、爽やかさ。
  • 長ネギは、甘みとシャキッと感。

この四者が入ることで、チャーハンの中にリズムが生まれます。

食べるたびに違う音がする感じ。
これはもう、米粒のオーケストラです。

干し大根糠漬けと長ネギは、炒めすぎない方が美味しいです。
食感と香りを残したいので、後半に入れるのがおすすめ。

納豆卵ごはんに干し大根糠漬け、しいたけ、新生姜、長ネギを加えた発酵チャーハン
干し大根糠漬け、しいたけ、新生姜、長ネギを加えます。香りと食感が一気に立ち上がります。

5. 醤油は控えめに

味付けは、醤油を少しだけ。

鍋肌にジュッと入れて、香りを立たせます。

透明醤油を使っても、とても良いです。
色を濃くしすぎず、香りと塩気だけを足せるので、卵の黄色や海苔の黒がきれいに残ります。

今回は納豆と干し大根糠漬けがすでに良い仕事をしているので、調味料は足しすぎないのが正解。

ここで調味料が前に出すぎると、発酵食品たちのせっかくの会見が打ち切りになります。

6. 最後に黒バラ海苔

仕上げに黒バラ海苔を加えます。

ここはたっぷりで大丈夫です。

黒バラ海苔が入ることで、納豆と糠漬けの発酵感が、ふわっと磯の香りに包まれます。

海苔は早く入れすぎると香りが飛びやすいので、最後に加えるのがおすすめです。

納豆と糠漬けが少し前へ出たところを、黒バラ海苔が「まあまあ皆さん、香りはこちらでまとめますから」と大人の対応をしてくれます。

仕上げに黒バラ海苔をたっぷり加えた納豆と干し大根糠漬けの発酵チャーハン
仕上げに黒バラ海苔をたっぷり。発酵の旨みに磯の香りが重なります。

黒ばら海苔は、チャーハンだけで終わらせるには惜しい食材です。
ラーメン、うどん、味噌汁、雑炊、卵かけご飯。のせるだけで、食卓が少しだけ“ちゃんとした料理”になります。

鯛の潮汁レシピ|圧力鍋15分で澄んだ出汁。ばら海苔ラーメンとうどんアレンジ

完成

器に盛り付けて、仕上げに青のりを少し。

見た目は派手ではありません。

でも、こういう料理は食べた時に強いんです。

納豆の香ばしさ。
卵のふんわり感。
干し大根糠漬けのポリポリ食感。
新生姜の爽やかな香り。
長ネギの甘み。
しいたけの旨み。
黒バラ海苔の磯感。

地味な顔をして、かなり多層的。

一口食べると、納豆の旨みが来て、次に糠漬けの酸味と食感。
そこへ新生姜がスッと入り、最後に黒バラ海苔の香りが残ります。

これは、ただの残り物チャーハンではありません。

発酵食品が主役になる、くんのごはん的チャーハンです。

納豆と干し大根糠漬けと黒バラ海苔で作った発酵チャーハンの完成
納豆と干し大根糠漬けの発酵チャーハン。黒バラ海苔の香りが全体をまとめます。

美味しく作るポイント

納豆は最初に焼く

納豆は最初に油で焼くのがおすすめです。

香ばしさが出て、粘りも落ち着きます。
このひと手間で「納豆ごはん」ではなく、ちゃんと「納豆チャーハン」になります。

干し大根糠漬けは炒めすぎない

干し大根糠漬けは、後半に入れるのがおすすめです。

炒めすぎると、せっかくのポリポリ食感と酸味が弱くなります。

このチャーハンにおける干し大根糠漬けは、かなり大事な存在です。
助演男優賞どころか、かなり主役に近い助演です。

新生姜を入れると全体が軽くなる

納豆と糠漬けは、どちらも発酵の旨みが強い食材です。

そこに新生姜が入ると、味が重たくなりすぎません。

爽やかな香りが入って、全体の輪郭がきれいになります。

黒バラ海苔は最後に入れる

黒バラ海苔は仕上げで入れるのが正解です。

早く入れすぎると、香りが飛んでしまいやすい。
最後に加えて、余熱でふわっとなじませるくらいが美味しいです。

アレンジするなら

このチャーハンは、そのままでも美味しいですが、少し足しても面白いです。

  • くんの自家製辣油を数滴たらす
  • 花山椒をほんの少しふる
  • 白ごまを仕上げに加える
  • 透明醤油を鍋肌にジュッと入れる
  • 追い黒バラ海苔をたっぷりのせる

特に自家製辣油は合うと思います。

納豆、糠漬け、海苔の和風発酵感に、辣油の香ばしさと辛味が入ると、一気に中華寄りになります。

花山椒を少しふれば、新生姜との相性も良く、香りの輪郭がさらに立ちます。

味変するなら、くんの自家製辣油もおすすめです。
納豆、糠漬け、黒ばら海苔の和風発酵チャーハンに、辣油を少したらすと一気に中華寄りになります。

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透明醤油や青山椒で、香りを足すのもありです。
鍋肌に透明醤油を少し。仕上げに青山椒。発酵チャーハンが、ぐっと大人の香りになります。

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このチャーハンに合うお酒

これはお昼ごはんにも良いですが、実はお酒の〆にもかなり良いです。

合わせるなら、軽めの日本酒、焼酎のソーダ割、あるいは辛口の白ワインも面白いです。

納豆と糠漬けの発酵感、黒バラ海苔の磯の香りがあるので、キリッとした酸のある白ワインなら意外と合います。

ソムリエ的に言うなら、甲州やミュスカデのような、海苔や漬物の香りを邪魔しない白。
派手な果実味より、すっと寄り添うタイプが良いです。

ここで樽の効いた重たい白を持ってくると、チャーハン側が少しびっくりします。
「今日、そんな正装でしたっけ?」という顔になります。

まとめ

納豆、干し大根糠漬け、黒バラ海苔。

一見、朝ごはんの脇役たちです。

でも、フライパンで炒めると、ちゃんと主役になりました。

納豆は焼いて香ばしく。
干し大根糠漬けは食感と酸味を残して。
新生姜と長ネギで香りを整えて。
最後に黒バラ海苔でふわっとまとめる。

これで、冷蔵庫の中の発酵食品たちが、立派なチャーハンになります。

派手な食材は使っていません。
でも、食べるとしみじみ美味しい。

こういう料理が家で作れると、冷蔵庫を見る目が少し変わります。

納豆も、糠漬けも、海苔も、ただの朝食要員ではありません。

炒めれば、ちゃんと一皿の料理になる。

冷蔵庫に納豆と漬物があったら、ぜひ一度作ってみてください。

これは、くんのごはんらしい、発酵食品が主役のチャーハンです。

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