赤紫蘇ジェノベーゼの作り方|アーモンドと太白胡麻油で作る夏の万能ソース

おつまみ・酒肴

赤紫蘇を買いました。

赤紫蘇シロップを作り、赤紫蘇麹を仕込み、煮出したあとの葉は豆板醤とそら豆味噌でふりかけに。

普通なら、もう十分です。

赤紫蘇側から見ても、かなり働いています。

ところが、まだ生の赤紫蘇が残っていました。

そこで作ったのが、今回の赤紫蘇ジェノベーゼです。

ジェノベーゼと聞けば、普通はバジル。

そこを赤紫蘇で作ります。

イタリアのジェノヴァでこの話をしたら、一度会議になるかもしれません。

ただ、赤紫蘇にアーモンド、白ごま、にんにく、アンチョビ、太白胡麻油を合わせてみると、これがなかなか良い。

赤紫蘇の爽やかな香り。

アーモンドと白ごまの香ばしさ。

アンチョビの旨味。

にんにくの力強さ。

そして、赤紫蘇の香りを邪魔しない太白胡麻油。

パスタソースというより、肉にも魚にも野菜にも使える和中イタリアンの万能ペーストになりました。

今回は、きゅうりと和えた小鉢と、蒸し鶏に絡めて梅酢麹ドレッシングをかけたサラダも作ります。

赤紫蘇ジェノベーゼ、パスタ売り場だけでは働きません。

配属先の多い調味料です。


ひとくちメッセージ

赤紫蘇ジェノベーゼは、赤紫蘇、アーモンド、白ごま、青森の期待の新人にんにく、スカーリアさんのアンチョビ太白胡麻油を撹拌して作る、チーズ不使用の万能ペーストです。

  • 赤紫蘇の葉:50g
  • アーモンド:30g
  • 白ごま:大さじ1
  • にんにく:1〜2片
  • アンチョビ:2枚
  • 太白胡麻油:80〜100g
  • 透明醤油:少々

材料をフードプロセッサーで撹拌すれば完成。

きゅうり、蒸し鶏、豚しゃぶ、カツオ、冷奴、魚料理、冷製パスタなどに使えます。

バジルのジェノベーゼよりも和の料理になじみやすく、大葉ジェノベーゼよりも少し力強く、梅を思わせる余韻があります。

赤紫蘇、見た目は和服ですが、今回はイタリア出張です。


今日の献立

  • 自家製赤紫蘇ジェノベーゼ
  • きゅうりの赤紫蘇ジェノベーゼ和え
  • 蒸し鶏と赤紫蘇ジェノベーゼのサラダ
  • 梅酢麹ドレッシング

赤紫蘇ジェノベーゼとは?

本来のジェノベーゼ、いわゆるペスト・ジェノヴェーゼは、バジル、松の実、にんにく、チーズ、オリーブオイルなどで作ります。

今回はバジルを赤紫蘇に、松の実をアーモンドに、オリーブオイルを太白胡麻油に置き換えました。

チーズは使いません。

チーズを入れるとコクは出ますが、赤紫蘇の香りが少し隠れます。

今回はアンチョビと白ごまで旨味と厚みを補い、赤紫蘇を前に出しました。

正確には「赤紫蘇のペスト風ソース」ですが、名前は親しみやすく赤紫蘇ジェノベーゼとしています。

料理名は、伝わることも大事です。

あまり厳密にすると、食べる前に学会が始まります。

赤紫蘇で作ると、どんな味になる?

赤紫蘇には、大葉に似た爽やかさがあります。

ただ、大葉よりも香りが深く、わずかに渋味があり、梅干しを思わせるような香りの記憶もあります。

そこにアーモンドや白ごまの脂肪分を加えると、赤紫蘇の少し尖った部分が丸くなります。

アンチョビを加えることで、野菜だけでなく、肉や魚にも負けないソースになります。


赤紫蘇ジェノベーゼの材料

作りやすい分量

  • 赤紫蘇の葉:50g
  • アーモンド:30g
  • 白ごま:大さじ1
  • にんにく:1〜2片
  • アンチョビ:2枚
  • 太白胡麻油:80〜100g
  • 透明醤油:少々
  • 黒こしょう:少々
  • 酢またはレモン汁:小さじ1程度・お好みで
  • 塩:適量

アンチョビにも塩分があるため、塩は最初から入れすぎない方が安全です。

完成後に味見をして、必要なら足します。

赤紫蘇の葉の水分量や、アーモンドの大きさによって必要な油の量が変わるので、太白胡麻油は最初に80gほど入れ、硬ければ追加します。

アーモンドを使う理由

今回は、松の実ではなくアーモンドを使いました。

アーモンドは香ばしさがあり、赤紫蘇の青い香りを受け止めてくれます。

松の実より手に入りやすく、普段のおやつとして冷蔵庫にいる可能性も高い。

おやつ部門から調味料部門への異動です。

くるみやカシューナッツでも作れますが、アーモンドは少し粒を残すと食感も楽しめます。

赤紫蘇ジェノベーゼ作りに使いたいもの

赤紫蘇の香りを生かすなら、クセの少ない太白胡麻油がおすすめです。

アーモンドは無塩タイプを使うと、アンチョビと塩で味を調整しやすくなります。


赤紫蘇ジェノベーゼの作り方

1.赤紫蘇の葉を茎から外す

赤紫蘇は、太い茎から葉を外します。

やわらかい細い茎が少し入るくらいなら問題ありませんが、太い茎は繊維が残りやすく、ペーストの口当たりも悪くなります。

茎まで全部入れると、フードプロセッサーの中で赤紫蘇が急に根性論を始めます。

今回は葉を中心に使います。

2.赤紫蘇をよく洗う

赤紫蘇は、たっぷりの水で2〜3回洗います。

葉の裏側には土や細かな汚れが残りやすいので、やさしく振り洗いします。

洗ったあとは、サラダスピナーやキッチンペーパーを使い、しっかり水分を取ります。

水分が残ると、ソースの味がぼやけ、傷みやすくなる原因にもなります。

赤紫蘇は洗うところまでが前半戦。

水気を取って、ようやくハーフタイムです。

3.アーモンドと白ごまを軽く煎る

アーモンドと白ごまは、フライパンで軽く煎ります。

すでにローストされたアーモンドなら、そのままでも構いません。

軽く温める程度に煎ると、香ばしさが立ちます。

焦がすと苦味が出るので、色をつけすぎないようにします。

煎ったあとは、しっかり冷まします。

温かいまま赤紫蘇と合わせると、葉に熱が入り、香りと色が失われやすくなります。

4.材料をフードプロセッサーに入れる

フードプロセッサーに、次の材料を入れます。

  • 赤紫蘇
  • アーモンド
  • 白ごま
  • にんにく
  • アンチョビ
  • 黒こしょう
  • 太白胡麻油の半量

最初から油を全部入れるより、半量から始めた方が濃度を調整しやすいです。

5.短く回しながら細かくする

フードプロセッサーを短く回して止める、を繰り返します。

一気に長く回すと、摩擦熱で赤紫蘇の香りが飛びやすくなります。

少し粒が残るくらいでもおいしいです。

完全なクリーム状にするより、アーモンドや白ごまの細かな食感が残る方が、料理にのせたときに表情が出ます。

赤紫蘇ジェノベーゼは、履歴書の写真ほど滑らかでなくても大丈夫です。

多少の粗さが、むしろ味になります。

6.太白胡麻油を足して濃度を調整する

様子を見ながら、残りの太白胡麻油を加えます。

今回は、スプーンですくったときに、ゆっくり落ちるくらいの濃度にしました。

パスタ用にするなら少しゆるめ。

蒸し鶏や野菜に和えるなら、少し硬めでも使いやすいです。

7.塩と酸味で味を整える

味見をして、塩を加えます。

赤紫蘇の渋味や青さを少し強く感じる場合は、酢またはレモン汁を小さじ1ほど加えます。

酸味を入れると、味が締まり、赤紫蘇らしい香りが立ちます。

ただし入れすぎると、ジェノベーゼではなく紫蘇酢部長が前面に出ます。

少しずつ加えるのが大事です。

ペースト作りにはハンドブレンダーが便利

赤紫蘇、ナッツ、油をまとめて撹拌できるハンドブレンダーがあると、ジェノベーゼ作りがかなり楽になります。


赤紫蘇ジェノベーゼをおいしく作るポイント

赤紫蘇の水気をしっかり取る

赤紫蘇に水分が残っていると、ソースの味が薄くなります。

油ともなじみにくくなり、保存性も下がります。

洗ったあとは、サラダスピナーやキッチンペーパーを使い、しっかり水気を取ります。

ハンドブレンダーを回しすぎない

長時間回すと熱が入り、赤紫蘇の香りが飛びやすくなります。

短く回して止める、を繰り返します。

塩は最後に調整する

アンチョビの塩分によって、必要な塩の量が変わります。

最初から塩を決め打ちせず、完成後に味を見て整えます。

太白胡麻油は少しずつ加える

赤紫蘇の葉の水分やナッツの状態によって、必要な油の量は変わります。

最初から全部入れず、料理に合わせた硬さに調整します。


まずは、きゅうりと和えてみました

完成した赤紫蘇ジェノベーゼを、食べやすく切ったきゅうりと和えました。

これが、とても簡単でおいしい。

きゅうりのみずみずしさに、赤紫蘇とアーモンドの濃厚なペーストがよく絡みます。

きゅうりは、軽く塩を振って5分ほど置き、水分を拭いてから和えると味がぼやけません。

きゅうりの赤紫蘇ジェノベーゼ和え

  • きゅうり:1本
  • 赤紫蘇ジェノベーゼ:大さじ1〜1.5
  • 酢またはレモン汁:少々
  • 塩:必要なら少々

きゅうりを乱切りにして、赤紫蘇ジェノベーゼと和えるだけ。

冷蔵庫で10分ほどなじませると、味が落ち着きます。

パスタを茹でるほどではない。

でも、何かちょっと気の利いたものが食べたい。

そんなときに、きゅうりが静かに責任を引き受けます。


蒸し鶏と赤紫蘇ジェノベーゼの梅酢麹サラダ

もう一品は、蒸し鶏と合わせました。

しっとり火を入れた鶏胸肉を食べやすく裂き、赤紫蘇ジェノベーゼで和えます。

器にレタス、きゅうり、大葉などを盛り、その上に赤紫蘇ジェノベーゼをまとった蒸し鶏をのせました。

ドレッシングは、以前作った梅酢麹ドレッシングです。

赤紫蘇の爽やかな香り。

梅酢麹のやさしい酸味と旨味。

太白胡麻油の丸いコク。

鶏胸肉の淡白な味に、二つの発酵調味料が重なります。

発酵と発酵を合わせると、味が渋滞することもあります。

ところが今回は、赤紫蘇が香りを担当し、梅酢麹が酸味を担当。

役割分担が明確です。

会議が長引かない、よくできた組織です。

蒸し鶏と赤紫蘇ジェノベーゼのサラダ

  • 蒸し鶏または低温調理した鶏胸肉:100〜150g
  • 赤紫蘇ジェノベーゼ:大さじ1〜2
  • レタス:適量
  • きゅうり:適量
  • 大葉:適量
  • 梅酢麹ドレッシング:適量

作り方

  1. 鶏胸肉を蒸す、または低温調理して冷ます。
  2. 鶏肉を食べやすい大きさに裂く。
  3. 赤紫蘇ジェノベーゼを加えて和える。
  4. 器にレタス、きゅうり、大葉を盛る。
  5. 赤紫蘇ジェノベーゼで和えた鶏肉をのせる。
  6. 梅酢麹ドレッシングをかける。

梅酢麹は、そのままでは少し強い梅酢の酸味と塩気を、米麹の甘みと旨味で丸くした発酵調味料です。

蒸し鶏や香り野菜とも、とても相性が良いです。

梅酢麹と梅酢麹ドレッシングの詳しい作り方はこちら

梅酢麹ドレッシングにも太白胡麻油

赤紫蘇ジェノベーゼと梅酢麹ドレッシングには、香りの強すぎない太白胡麻油がよく合います。

赤紫蘇や梅酢の香りを邪魔せず、酸味をまろやかにまとめてくれます。


パスタに使う場合

もちろん、赤紫蘇ジェノベーゼはパスタにも使えます。

ただし、一般的なバジルのジェノベーゼよりも濃度が高く、赤紫蘇には少し渋味があります。

そのまま大量に入れるより、茹で汁と油で少しずつのばすのがおすすめです。

赤紫蘇ジェノベーゼパスタ・1人分

  • パスタ:80〜100g
  • 赤紫蘇ジェノベーゼ:大さじ1.5〜2
  • パスタの茹で汁:大さじ2〜3
  • 太白胡麻油またはオリーブオイル:小さじ1
  • レモン汁:少々

ボウルに赤紫蘇ジェノベーゼと茹で汁を入れ、よく混ぜます。

茹で上がったパスタを加え、火にかけずに和えます。

赤紫蘇は加熱しすぎると香りが飛びやすいため、仕上げに和えるくらいがちょうど良いです。

具材は、蒸し鶏、カツオ、トマト、ズッキーニ、茗荷などがおすすめです。

冷製パスタにする場合は、少し酸味を強めにすると味が締まります。


赤紫蘇ジェノベーゼのおすすめ活用法

カツオのたたき

赤紫蘇の香りは、カツオの鉄っぽい旨味によく合います。

赤紫蘇ジェノベーゼに、少量の自家製豆板醤とレモン汁を加えてもおいしいです。

白身魚のカルパッチョ

赤紫蘇ジェノベーゼを太白胡麻油やオリーブオイルでのばし、鯛やスズキに少量かけます。

ペーストが濃厚なので、たくさんかけるより点々と置く方がバランスよく仕上がります。

豚しゃぶ

赤紫蘇ジェノベーゼを酢と出汁でのばすと、豚しゃぶのたれになります。

豚肉の脂を、赤紫蘇の香りと酸味が軽くしてくれます。

冷奴

冷奴に赤紫蘇ジェノベーゼを少量のせ、透明醤油を少し。

これだけで、おつまみになります。

焼きナス

焼きナスの甘みと赤紫蘇の香りも好相性です。

生姜や茗荷を加えると、さらに夏らしくなります。

じゃがいも

茹でたじゃがいもや、焼いたじゃがいもに和えてもおいしいです。

じゃがいもが赤紫蘇ジェノベーゼを受け止め、少し落ち着いた味になります。

ソース側が勢いよく話していても、じゃがいもはだいたい聞いてくれます。


保存方法

赤紫蘇ジェノベーゼは、生の赤紫蘇、生にんにく、油を使った未加熱のペーストです。

清潔な保存容器に入れ、必ず冷蔵庫で保存します。

  • 冷蔵保存:3日以内を目安に使い切る
  • 長く保存したい場合:小分け冷凍

表面に太白胡麻油を薄く張ると酸化は抑えやすくなりますが、保存期間が大幅に延びるわけではありません。

長く保存する場合は、製氷皿や小さな容器に分けて冷凍するのがおすすめです。

使うときは、冷蔵庫で自然解凍します。

香りを楽しむソースなので、作りたてか、早めに食べるのが一番です。

少量ずつ冷凍すると使いやすい

ジェノベーゼを小分け冷凍しておくと、パスタ、蒸し鶏、魚料理などに必要な分だけ使えます。


ソムリエのひとこと

赤紫蘇ジェノベーゼは、青い香り、ナッツの香ばしさ、アンチョビの塩味と旨味がポイントです。

ワインを合わせるなら、香りが強すぎず、酸のきれいな白やロゼがおすすめです。

甲州

赤紫蘇や大葉のような和の香草と合わせやすく、ほのかな苦味もアーモンドの香ばしさになじみます。

ヴェルメンティーノ

ハーブや柑橘を思わせる爽やかさがあり、赤紫蘇ジェノベーゼの香りやアンチョビの旨味を受け止めます。

辛口のロゼ

赤紫蘇の色や香りに寄り添いながら、蒸し鶏やカツオにも合わせやすいです。

梅酢麹ドレッシングのサラダに合わせるなら、果実味が強すぎない、酸のある辛口タイプがおすすめです。

赤紫蘇、梅酢麹、アンチョビ。

国籍は少し混み合っていますが、ワインを入れると全員着席します。


よくある質問

赤紫蘇の茎も使えますか?

細くてやわらかい茎なら少量使えます。

太い茎は繊維が残りやすく、青っぽい味も出やすいため、葉だけを使うのがおすすめです。

アーモンド以外のナッツでも作れますか?

くるみ、カシューナッツ、松の実でも作れます。

くるみはコクが強く、カシューナッツはまろやか、松の実は一般的なジェノベーゼに近い味になります。

アンチョビなしでも作れますか?

作れます。

アンチョビを使わない場合は、塩や透明醤油を少し加えて旨味を補います。

味噌をほんの少し加えてもおいしいです。

普通のごま油でも作れますか?

作れますが、焙煎ごま油は香りが強いため、赤紫蘇よりごまの香りが前に出ます。

赤紫蘇の香りを生かすなら、太白胡麻油がおすすめです。

粉チーズは入れないのですか?

入れても作れます。

ただし今回は、赤紫蘇の香りをはっきり出し、和食や中華料理にも使いやすくするため、チーズなしで仕上げました。


赤紫蘇の関連記事

赤紫蘇は、ジェノベーゼだけでなく、シロップや麹、ふりかけにも使えます。

同じ赤紫蘇でも、作り方を変えると役割がまったく違います。

シロップは飲み物。

麹は発酵調味料。

煮出した葉はふりかけ。

ジェノベーゼは肉、魚、野菜をつなぐ万能ペースト。

赤紫蘇、社内に四つの部署を持っています。


まとめ

赤紫蘇ジェノベーゼは、赤紫蘇、アーモンド、白ごま、にんにく、アンチョビ、太白胡麻油を撹拌して作る、夏の万能ペーストです。

バジルのジェノベーゼとは違い、赤紫蘇らしい爽やかさと、少し和の余韻があります。

きゅうりと和えれば簡単な小鉢に。

蒸し鶏と合わせ、梅酢麹ドレッシングをかければ、発酵の旨味が重なる夏のサラダに。

もちろん、パスタ、豚しゃぶ、カツオ、白身魚、冷奴、焼きナスにも使えます。

ジェノベーゼという名前ではありますが、パスタだけに使うのはもったいない。

赤紫蘇を買ったら、シロップだけで終わらせず、ぜひ一部をこの万能ペーストにしてみてください。

見た目は少し地味です。

でも、口に入れると赤紫蘇、アーモンド、アンチョビが順番に出てきます。

静かな外見で、話題は豊富。

こういう調味料が、冷蔵庫にひとつあると楽しいです。

コメント