【この記事の結論】
・麻辣湯を冷やして、ディチェコのフェデリーニで冷製スープパスタにしました。
・味の決め手は、梅酢麹・自家製辣油・辣カス食べる辣油・黒酢・花椒です。
・オクラ、もやし、にんじん、きゅうり、小ネギ、サラダセロリ、ミョウガで、夏野菜の食感と香りを重ねます。
・豚ロースはしゃぶしゃぶにして、冷たいスープに甘味と旨味を足します。
・辛味・酸味・旨味・苦味・甘味が重なる、夏の五味調和スープパスタです。
ひとくちメッセージ
暑い。
火をできるだけ使いたくない。
でも、そうめんだけでは少し物足りない。
そんな日に作ったのが、夏野菜の冷製麻辣湯スープパスタです。
麻辣湯というと、熱々で、湯気が立って、口の中が少し事件になる料理です。
でも今回は、それを冷やします。
冷やすのに、しびれる。
涼しいのに、香りは熱い。
体は冷製。
口だけ四川出張。
出張手当は出ません。
でも、花椒はしっかり効いています。
今回の主役は、梅酢麹と自家製辣油。
そこに、辣カス食べる辣油、黒酢、ごまペースト、乾燥あみえび、きのこの旨味を重ねました。
そして麺は、ディチェコのフェデリーニ。
カッペリーニほど細すぎず、スパゲッティほど重くない。
冷たい麻辣湯スープをまといながら、ちゃんとパスタとして存在感を残してくれる、実にちょうどいい麺です。
冷製麻辣湯スープパスタとは?
麻辣湯は、唐辛子の辛味と花椒のしびれを効かせたスープに、野菜や肉、きのこ、春雨などを入れて食べる料理です。
今回はそれを、くん流に夏向きへ。
熱々ではなく、冷製。
春雨ではなく、フェデリーニ。
中華麺ではなく、パスタ。
でも味の芯は、しっかり麻辣湯。
つまりこれは、麻辣湯のスープ感と、冷製パスタの軽やかさを合わせた夏のしびれ麺です。
冷たい料理は、どうしても味がぼやけやすい。
そこに、梅酢麹の酸味、自家製辣油の香り、花椒のしびれ、黒酢の締まり、ごまペーストのコクを入れます。
さらに、もやし、きゅうり、にんじん、オクラ、ミョウガ、サラダセロリ。
食感も、香りも、色も入れる。
夏の台所で、野菜たちが全員出席です。
遅刻者なし。
ミョウガだけ少し個性が強めです。
今回使った夏野菜と具材

野菜・薬味
・オクラ
・もやし
・にんじん
・きゅうり
・小ネギ
・サラダセロリ
・ミョウガ
スープに入れた具材
・しめじ
・きくらげ
たんぱく質
・豚ロースしゃぶしゃぶ
麺
・ディチェコ フェデリーニ
夏野菜は、ただ入れればいいわけではありません。
オクラは粘り。
もやしはシャキシャキ。
にんじんは甘味と色。
きゅうりは涼しさ。
小ネギは香り。
サラダセロリは苦味。
ミョウガは、夏の主張。
この料理では、野菜が脇役ではなく、かなり前に出てきます。
言ってしまえば、パスタの横で野菜たちが名刺交換をしているような状態です。
でも、不思議とまとまる。
それをまとめるのが、冷製麻辣湯スープです。
冷製麻辣湯スープの材料
スープ材料
・カットトマト 大さじ2
・梅酢麹 大さじ1
・酒 大さじ1
・自家製辣油 大さじ1
・辣カス食べる辣油 小さじ2
・黒酢 小さじ1
・ごまペースト 小さじ1
・鶏ガラスープ 大さじ2
・花椒粉または花椒ホール 少々
・砂糖 ひとつまみ
・おろし生姜 適量
・おろしにんにく 適量
・乾燥あみえび 適量
・きくらげ 適量
・しめじ 適量
・水 1リットル
麺と仕上げ
・ディチェコ フェデリーニ 80〜100g
・豚ロースしゃぶしゃぶ用 適量
・オクラ 適量
・もやし 適量
・にんじん 適量
・きゅうり 適量
・小ネギ 適量
・サラダセロリ 適量
・ミョウガ 適量
・追い辣油 お好みで
・花椒粉 お好みで
スープの作り方|一度沸かして、冷蔵庫で冷やす
作り方はシンプルです。
作り方
- 鍋に水1リットルを入れる。
- カットトマト、梅酢麹、酒、自家製辣油、辣カス食べる辣油、黒酢、ごまペースト、鶏ガラスープを入れる。
- おろし生姜、おろしにんにく、乾燥あみえび、花椒を加える。
- しめじ、きくらげも入れる。
- 一度しっかり沸かす。
- 火を止めて冷ます。
- 冷蔵庫でしっかり冷やす。

ポイントは、一度沸かしてから冷やすことです。
冷製だからといって、最初から冷たいまま合わせるより、一度火を入れた方が、あみえび、きのこ、辣油、花椒の香りがまとまります。
この段階では、まだパスタではありません。
赤いスープだけを見ると、少し強そうに見えます。
けれど冷蔵庫でしっかり冷やすと、辣油の角が落ち、梅酢麹と黒酢の酸味がなじみ、あみえびときのこの旨味が奥から出てきます。
ここで一度、スープが落ち着きます。
人間も料理も、冷静になる時間は大事です。
ただし、花椒だけは冷静になっても少し騒がしいです。
味の決め手は、梅酢麹と自家製辣油
今回の味の柱は、梅酢麹と自家製辣油です。
梅酢麹は、ただ酸っぱいだけではありません。
塩味、酸味、発酵の旨味と甘みが入っています。
冷製スープに使うと、味がぼやけにくい。
トマトの酸味とも合う。
黒酢ともつながる。
そこに、自家製辣油。
自家製辣油は、ただ辛い油ではありません。
唐辛子、花椒、香味野菜、油のコクが入った、香りの調味料です。
さらに今回は、辣油を作った後に残る辣カス食べる辣油も入れます。
これが効きます。
スープの中に、小さな香ばしさと食感が入る。
冷たい料理なのに、香りの奥行きが出る。
市販のラー油でも作れます。
でも、自家製辣油を使うと、香りの立ち方が変わります。
冷たいスープなのに、鼻だけが先に温まる。
不思議です。
鼻だけ先に四川へ到着します。
関連記事:
くんの自家製辣油

くんの梅酢麹

フェデリーニを使う理由
今回使ったのは、ディチェコのフェデリーニです。
冷製パスタというと、カッペリーニを使うことも多いです。
もちろんカッペリーニもおいしい。
でも今回のようなスープパスタ仕立てなら、フェデリーニがちょうどいい。
カッペリーニほど細すぎず、普通のスパゲッティほど重くない。
冷たい麻辣湯スープをまといながら、麺としての食感も残ります。
茹で方のポイント
・表示時間より少し長めに茹でる
・氷水でしっかり締める
・水気をしっかり切る

冷製パスタで大事なのは、水切りです。
ここで水気が残ると、せっかくの麻辣湯スープが薄まります。
冷製パスタ界の犯人は、だいたい派手ではありません。
水切り不足。
この地味な顔をした容疑者が、味をぼんやりさせます。
だから、麺は締めたらしっかり水切り。
ここは大事です。
豚ロースはしゃぶしゃぶにする
豚ロースは、しゃぶしゃぶにして使います。
熱々のままではなく、火を通したあと冷まして、冷製スープに合わせます。
豚肉が入ると、スープに甘味が加わります。
辣油と花椒の刺激だけでなく、肉のやわらかい旨味が入る。
これが、かなり大事です。
辛い、酸っぱい、しびれる。
それだけだと少し尖ります。
そこへ豚肉の甘味が入ると、全体が落ち着きます。
料理の中にも、こういう人が必要です。
会議で全員が花椒だったら、まとまりません。
豚ロースのような人がいてくれると、場がやわらぎます。
盛り付け|夏野菜は色と食感で分ける

盛り付けは、野菜の色と食感を意識します。
盛り付けの流れ
- 器に冷やしたフェデリーニを入れる。
- 冷たい麻辣湯スープを注ぐ。
- しめじ、きくらげをのせる。
- 豚しゃぶをのせる。
- オクラ、もやし、にんじん、きゅうり、小ネギ、サラダセロリ、ミョウガを盛る。
- 辣カス食べる辣油を少しのせる。
- お好みで追い辣油、花椒粉を加える。
野菜は混ぜすぎず、少しずつ場所を分けて盛るときれいです。
にんじんのオレンジ。
きゅうりの緑。
オクラの緑。
ミョウガの赤紫。
小ネギの濃い緑。
サラダセロリの淡い緑。
冷製料理は、見た目も大事です。
暑い日は、目から先に涼しくしたい。
冷蔵庫に頭を入れるわけにはいきませんから。
社会生活があります。
完成|夏野菜の冷製麻辣湯スープパスタ

完成です。
見た目は冷製パスタ。
でも、味は麻辣湯。
そこに、夏野菜と豚しゃぶ。
パスタを持ち上げると、冷えたスープがからみます。
辣油の香り。
梅酢麹と黒酢の酸味。
花椒のしびれ。
豚肉の甘味。
野菜の香り。
これは、ただの冷たい麺ではありません。
暑い日の食欲を、横からそっと起こしてくる一皿です。
無理やりではありません。
でも、少し花椒が強引です。
五味調和で考える、冷製麻辣湯の美味しさ

この料理は、食べると味がいくつも重なります。
辛味
自家製辣油と辣カス食べる辣油の辛味。
痺れ
花椒のしびれ。
旨味と塩味
鶏ガラスープ、乾燥あみえび、しめじ、きくらげ、梅酢麹。
酸味
梅酢麹、黒酢、トマト。
苦味
サラダセロリや薬味のほろ苦さ。
甘味
パスタ、豚肉、にんじん、トマトの甘味。
このバランスが、かなり面白い。
ただ辛いだけではない。
ただ酸っぱいだけでもない。
ただ冷たいだけでもない。
辛味、酸味、旨味、苦味、甘味。
まさに五味調和です。
もはや、夏の薬膳料理。
とはいえ、薬膳と言いながら、しっかりパスタです。
四川へ行ったと思ったら、途中でイタリアに乗り換えます。
しかも乗り換え案内は出ません。
でも、着きます。
おいしい場所に。
辛さとしびれの調整方法
辛さは、自家製辣油と辣カス食べる辣油で調整します。
辛さ控えめ
・自家製辣油を小さじ2にする
・辣カス食べる辣油を小さじ1にする
・花椒は少なめ
しっかり辛め
・自家製辣油を大さじ1
・辣カス食べる辣油を小さじ2
・仕上げに追い花椒
酸味を強くしたい場合
・黒酢を少し増やす
・梅酢麹を少し追加する
・トマトを増やす
コクを強くしたい場合
・ごまペーストを少し増やす
・辣カス食べる辣油を追加する
冷製は味がぼやけやすいので、最終的な味見は冷やしてからが大事です。
温かい状態でちょうどよくても、冷やすと印象が変わります。
ここで焦って調整すると、冷蔵庫の中で味が別人になります。
「あれ、昨日と違う方ですか?」となります。
冷やしてから味見。
これが冷製料理の落ち着きです。
この冷製麻辣湯スープパスタにあると便利な調味料
・花椒
・黒酢
・ごまペースト
・粉唐辛子
・太白胡麻油
・乾燥あみえび
・きくらげ
・ディチェコ フェデリーニ
この料理でそろえるなら、まずは調味料です。
冷製麻辣湯スープパスタは、特別な技術よりも調味料の組み合わせで決まります。
特に、花椒と黒酢とごまペーストがあると、味の輪郭が出しやすいです。
そして、自家製辣油を作るなら、唐辛子、花椒、油。
白い醤油麹や梅酢麹を作るなら、麹や保存容器。
ここは、別記事にまとめておくと便利です。
ソムリエのひとこと
この冷製麻辣湯スープパスタに合わせるなら、まずおすすめはロゼです。
トマトの酸味、辣油の辛味、豚しゃぶの甘味、花椒のしびれ。
これらを受け止めるには、冷やしたロゼがかなり良い。
特に、少し果実味のある辛口ロゼ。
南仏系や、イタリアの軽やかなラマートも合います。
もうひとつは、オレンジワイン。
梅酢麹や黒酢、あみえびの旨味、花椒の香りがあるので、少し皮のニュアンスを持つオレンジワインも面白いです。
泡なら、ペットナットや微発泡の白。
しびれを流してくれます。
赤にするなら、重いものではなく、軽めのガメイやピノ・ノワール。
ただし、この料理ではロゼかオレンジが先発です。
この試合、赤ワインは代打でもいい。
先発はロゼ。
中継ぎオレンジ。
抑えは冷えたペットナットです。
この冷製麻辣湯スープパスタに合わせるなら、イタリア・フリウリのラマートも面白いです。
ラマートは、ピノ・グリージョの果皮由来のほんのり銅色を帯びたワイン。
白ワインの軽さと、ロゼやオレンジワインのようなふくらみを少し持っています。
今回の料理には、自家製辣油の辛味、花椒のしびれ、梅酢麹と黒酢の酸味、あみえびときのこの旨味、豚しゃぶの甘味があります。
普通の白では少し細い。
赤では重い。
ロゼでも良いけれど、もう少し旨味に寄せたい。
そんなとき、このラマートがちょうどいい。
体は涼しく、口だけ四川へ。
そこへ、グラスだけフリウリから合流します。
ぶーちゃんのひとこと

🐾
くんが赤いスープを作っていました。
ボクは見ました。
トマト。
野菜。
豚肉。
ここまでは、希望がありました。
でもそのあと、
辛い油。
花椒。
黒酢。
ボクは静かに理解しました。
これは、ボクのではありません。
でも、豚肉をしゃぶしゃぶしている時だけ、
ほんの少しだけ、期待しました。
期待するのは自由です。
犬にも、夢を見る権利があります。
まとめ|夏の冷製麻辣湯は、五味で食欲を戻す
夏野菜の冷製麻辣湯スープパスタは、暑い日にかなり使える一皿です。
冷たい。
でも、味は軽すぎない。
辛い。
でも、酸味で重くない。
しびれる。
でも、豚しゃぶの甘味でやわらぐ。
梅酢麹、自家製辣油、辣カス食べる辣油、黒酢、花椒。
そこに夏野菜、きのこ、豚ロース、ディチェコのフェデリーニ。
冷製パスタであり、麻辣湯であり、薬膳のようでもある。
体は涼しく、口だけ四川へ。
そして麺は、しっかりイタリアから来ています。
夏の台所は、無理をしない方がいい。
でも、味まで薄くする必要はありません。
冷たいスープに、辛味、酸味、旨味、苦味、甘味を重ねる。
それだけで、食欲はちゃんと戻ってきます。
暑い日こそ、冷製麻辣湯スープパスタ。
これは、夏のしびれ麺です。
次に仕込んでおきたい、くんの発酵調味料
・くんの自家製辣油

・くんの白い醤油麹

・くんの梅酢麹

・くんの台所道具帖

・夏の冷製麺・冷製パスタ(これから増やします)


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