- ひとくちメッセージ
- 今日の料理
- このレシピで使う道具と調味料
- このレシピのポイント
- 1. 蟹味噌まで使った濃厚魚介出汁
- 2. 野菜はスープに入れない
- 3. 味付けは白い醤油麹と塩
- 4. 唐辛子は入れない
- 5. サフランでブイヤベースらしさを残す
- 材料
- 作り方
- 1. 蟹殻と魚アラで出汁を取る
- 2. 蟹味噌入りの濃厚出汁を濾す
- 3. くんのトマトソースを合わせる
- 4. 白い醤油麹と塩で味を整える
- 5. サフラン、花椒、食べる辣油で香りを重ねる
- 6. 魚介を入れて仕上げる
- 残ったスープでパスタ
- さらに残ったスープでパエリア風ごはん
- さらに残った出汁の活用は別記事へ
- 失敗しないコツ
- 出汁は濁っていて大丈夫
- 野菜を入れない
- 唐辛子を足さない
- 白い醤油麹と塩の順番
- ホタルイカと牡蠣は最後
- 残りスープは必ず活用する
- よくある質問
- ソムリエのひとこと
- おすすめワインリスト
- ぶーちゃんのひとこと
- まとめ
ひとくちメッセージ
ブイヤベースに、麻辣湯を足したらどうなるのか。
文字だけ見ると、少し無茶に見えます。
南仏の港町に、四川の屋台が急に出店するようなものです。
しかも、出店許可を誰が出したのかよくわからない。
でも、のれんだけは堂々と出ている。
そういう料理です。
ただし、魚介出汁という共通言語があります。
蟹の殻。
魚のアラ。
蟹の甲羅に残った蟹味噌。
ネギ、生姜、にんにく、酒。
これをマイヤーハイプレッシャークッカーで30分。
出来上がるのは、澄んだ上品出汁ではありません。
蟹味噌が溶け込んだ、少しくすんだ濃厚な魚介出汁です。
でも、このくすみこそ旨味。
透明感ではなく、説得力。
履歴書で言えば、職歴欄がぎっしり詰まっているタイプです。
そこに、くんのトマトソースの甘みとやさしい酸味。
くんの白い醤油麹と塩で、塩分と旨味を整える。
仕上げに、くんの食べる辣油、花椒、サフランの香り。
辛さで押し切る麻辣湯ではありません。
魚介の旨味を主役にした、しびれるブイヤベースです。
ひと口飲むと、蟹殻と魚アラの出汁がまず来る。
次に、トマトの丸い酸味。
白い醤油麹の発酵の旨味。
最後に、辣油と花椒、サフランの香りがふわっと残る。
これは、魚介の旨味が爆発的においしい、
くん流の麻辣湯ブイヤベースです。
今日の料理
今回作るのは、麻辣湯ブイヤベースです。
ブイヤベースのように魚介の出汁を生かしながら、麻辣湯のような香りとしびれを重ねた魚介スープ。
ただし、一般的な麻辣湯のように野菜をたくさん入れたり、唐辛子を煮出したり、豆板醤を効かせたりはしません。
今回の麻辣湯ブイヤベースは、かなりシンプルです。
出汁は、蟹殻、魚アラ、蟹味噌、ネギ、生姜、にんにく、酒で取る。
スープには、くんのトマトソースを合わせる。
味付けは、くんの白い醤油麹と塩。
辛味と香りは、くんの食べる辣油と花椒。
そこに、ブイヤベースらしいサフランの香りを添える。
つまり、主役はあくまで魚介出汁です。
麻辣は、魚介の旨味を隠すためではなく、魚介の旨味を立ち上げるために使います。
イメージは、
ブイヤベース7:麻辣湯3
これくらい。
南仏の漁師と四川の料理人が、台所で少し遠慮しながら握手するくらいがちょうどいいです。
いきなり肩を組んで歌い出すと、味がにぎやかになりすぎます。
このレシピで使う道具と調味料
ここはアフィリエイト導線を作りやすい場所です。
記事冒頭からいきなり商品を売り込むより、**「この料理を失敗しにくくする道具」**として自然に紹介します。
マイヤーハイプレッシャークッカー
蟹殻と魚アラからしっかり出汁を取りたい時に便利です。
今回は、蟹殻、魚アラ、蟹味噌、香味野菜を入れて30分加圧しました。
短時間でも出汁の厚みが出やすく、普通に煮出すよりも、魚介の旨味を引き出しやすいです。
魚アラや蟹殻から濃厚な出汁を取りたい時に便利な圧力鍋。炊飯、カオマンガイ、魚介スープにも使える、くんの台所の働き者です。
くんの白い醤油麹
今回の味付けの要です。
塩だけで決めるより、白い醤油麹を使うことで、塩味に丸みと発酵の旨味が加わります。
魚介出汁、トマトソース、辣油、花椒、サフランをやさしくつないでくれます。
白い醤油麹の作り方記事

くんの食べる辣油
唐辛子を足さず、辛味と香ばしさは食べる辣油で作ります。
くんの食べる辣油は、単なる辛味ではなく、香ばしい出汁調味料のように使えます。
魚介出汁にたらすと、ぐっと麻辣湯らしい香りが立ちます。
くんの食べる辣油の作り方記事

サフラン
ブイヤベースらしい香りを出すために使います。
麻辣湯に寄せすぎず、魚介スープとしての品を残すための大事な香りです。
サフラン
少量で魚介スープに華やかな香りを足してくれるサフラン。ブイヤベース、パエリア、魚介リゾットにも使えます。
このレシピのポイント
1. 蟹味噌まで使った濃厚魚介出汁
蟹殻と魚のアラからは、強い旨味が出ます。
さらに今回は、蟹の甲羅に残っていた蟹味噌も一緒に使います。
これが、スープに大きなコクを出してくれます。
その代わり、出汁は透明にはなりません。
少しくすんだ色になります。
でも、それでいいんです。
この料理に必要なのは、澄んだ美しさではなく、蟹と魚の旨味がしっかり詰まった太い土台です。
2. 野菜はスープに入れない
今回の麻辣湯ブイヤベースには、完成スープに野菜を入れません。
理由は、出汁を取る段階でネギ、生姜、にんにくの香りをすでに移しているからです。
完成スープにさらに野菜を入れると、魚介出汁の輪郭が少しぼやけます。
今回は、蟹殻と魚アラの旨味を前に出したい。
だから、完成スープはあえてシンプルにします。
野菜を入れないのは、手抜きではありません。
引き算です。
料理における引き算は、なかなか勇気がいります。
つい何かを入れたくなる。
冷蔵庫にセロリがあれば、セロリもこちらを見てきます。
でも今回は入れません。
魚介出汁に集中します。
3. 味付けは白い醤油麹と塩
味付けは、くんの白い醤油麹と塩です。
白い醤油麹を入れることで、塩味だけでなく、発酵由来の甘みと丸みが加わります。
蟹味噌のコク。
魚アラの旨味。
トマトソースの酸味と甘み。
ここに白い醤油麹が入ると、全体がやわらかくつながります。
最後に塩で輪郭を整える。
この順番がいいです。
4. 唐辛子は入れない
唐辛子は入れません。
辛味と香ばしさは、くんの食べる辣油で十分です。
唐辛子をさらに入れると、スープが“辛い魚介スープ”に寄りすぎます。
今回は、辛さよりも魚介の旨味を前に出したい。
くんの食べる辣油は、辛味調味料というより、香ばしい出汁調味料として使います。
最後にたらすことで、香りがふわっと立ちます。
5. サフランでブイヤベースらしさを残す
麻辣湯ブイヤベースとはいえ、サフランは大事です。
サフランがあることで、スープがただの麻辣魚介スープではなく、ブイヤベース側に戻ってきます。
花椒と辣油で四川へ行きすぎたところを、サフランが南仏行きの切符をそっと渡してくれる。
いい仕事です。
材料
魚介出汁
作りやすい分量です。
- 蟹の殻 適量
- 蟹の甲羅に残った蟹味噌 適量
- 魚のアラ 適量
- 長ネギ 適量
- 生姜 適量
- にんにく 適量
- 酒 適量
- 水 具材がかぶるくらい
麻辣湯ブイヤベース
2〜3人分の目安です。
- 魚介出汁 600〜800ml
- くんのトマトソース 適量
- くんの白い醤油麹 適量
- 塩 適量
- くんの食べる辣油 適量
- 花椒 少々
- サフラン 少々
- 白身魚 適量
- ムール貝 適量
- ホタルイカ 適量
- 牡蠣 適量
※完成スープに野菜は入れません。
※追加のにんにく、生姜も入れません。
※唐辛子も入れません。
※香味は出汁と食べる辣油で作ります。
残りスープのパスタ
- 残った麻辣湯ブイヤベースのスープ 適量
- パスタ 適量
- 必要なら塩 少々
残りスープのパエリア風ごはん
- 残った麻辣湯ブイヤベースのスープ 適量
- 米 適量
- 必要なら水 適量
- 仕上げの小ねぎ 適量
作り方
1. 蟹殻と魚アラで出汁を取る
マイヤーハイプレッシャークッカーに、蟹の殻、魚のアラ、長ネギ、生姜、にんにく、酒、水を入れます。
今回は、蟹の甲羅に残っていた蟹味噌も一緒に使います。
ここが大事です。
蟹味噌が入ることで、出来上がりの出汁は澄んだ透明なスープにはなりません。
少しくすんだ色になります。
でも、このくすみこそ旨味です。
マイヤーハイプレッシャークッカーで、30分加圧します。
加圧後は自然に圧を抜き、ザルで濾します。
これで、蟹殻、魚アラ、蟹味噌、香味野菜の旨味が溶け込んだ濃厚魚介出汁の完成です。

魚アラや蟹殻のような素材から、短時間で濃厚な出汁を取りたい時に便利です。
2. 蟹味噌入りの濃厚出汁を濾す
加圧が終わったら、出汁を濾します。
出来上がった出汁は、澄んだ黄金色ではありません。
蟹味噌が溶け込んで、少しくすんだ色になります。
でも、この色がいい。
魚アラの旨味に、蟹味噌のコクが重なっています。
この太い出汁があるから、トマトソースや辣油、花椒、サフランを合わせても負けません。
ここで出汁が弱いと、あとから加える麻辣の香りに全部持っていかれます。
でも、出汁が強ければ、麻辣は主役ではなく、香りのアクセントになります。
麻辣を支配者にしない。
今回の一番大事なところです。

3. くんのトマトソースを合わせる
鍋に、濃厚魚介出汁を入れます。
そこに、くんのトマトソースを加えます。
トマトソースが入ることで、魚介出汁に甘みとやさしい酸味が加わります。
蟹味噌のコク。
魚アラの旨味。
トマトソースの甘みと酸味。
この3つが合わさると、スープがかなり立体的になります。
ここでは、玉ねぎやセロリ、追加のにんにく、生姜は入れません。
なぜなら、香味は出汁の段階ですでに入っているからです。
完成スープにさらに香味野菜を足すと、魚介出汁の輪郭がぼやけます。
今回は、魚介の旨味をまっすぐ出したい。
冷蔵庫の野菜室から何かがこちらを見ていても、今日は目を合わせません。

このくんのトマトソースの作り方は写真をタップしてください。
関連記事:くんのトマトソースの作り方

4. 白い醤油麹と塩で味を整える
魚介出汁とトマトソースがなじんだら、くんの白い醤油麹を加えます。
白い醤油麹は、ただ塩分を足すだけではありません。
発酵由来の甘みと丸みがあり、魚介出汁とトマトソースをやさしくつないでくれます。
最後に塩で味を整えます。
白い醤油麹で丸みを作る。
塩で輪郭を決める。
この順番です。
ここで味を決めすぎないのも大事です。
あとから魚介が入り、さらに食べる辣油、花椒、サフランが加わります。
料理中の塩は、勢いで入れると戻れません。
人生も塩も、入れすぎた時の修正はなかなか大変です。
関連記事:くんの白い醤油麹の作り方

5. サフラン、花椒、食べる辣油で香りを重ねる
味が整ったら、サフランを加えます。
サフランが入ることで、ブイヤベースらしい香りが立ちます。
ここに花椒を少し。
そして、くんの食べる辣油。
唐辛子は入れません。
辛味と香ばしさは、くんの食べる辣油で十分です。
食べる辣油は、スープを辛くするためだけのものではありません。
唐辛子の香り。
油のコク。
香ばしさ。
そこに具材の旨味。
これが、魚介出汁に重なると一気に麻辣湯らしさが出ます。
ただし、入れすぎ注意です。
今回の主役は魚介出汁。
食べる辣油は、最後に照明を当てる役です。
照明さんが舞台に上がって歌い出すと、演目が変わってしまいます。

関連記事:くんの食べる辣油の作り方

6. 魚介を入れて仕上げる
スープが整ったら、魚介を入れていきます。
白身魚やムール貝を先に入れます。
牡蠣とホタルイカは、火を入れすぎないのがポイントです。
牡蠣はぷっくりしたらOK。
ホタルイカは最後に温めるくらいで十分です。
ホタルイカはワタの旨味が魅力ですが、煮込みすぎると苦味が出やすくなります。
牡蠣も火を入れすぎると縮みます。
魚介料理の終盤は、恋愛相談くらい慎重でいいです。
強火で押し切ると、だいたい良い結果になりません。
器に盛り、仕上げに必要ならくんの食べる辣油を少し。
花椒をほんの少し重ねてもおいしいです。
これで、麻辣湯ブイヤベースの完成です。
蟹殻と魚アラからの出汁の旨味とコク。
くんのトマトソースの甘みとやさしい酸味。
くんの白い醤油麹と塩で整えた塩分。
くんの食べる辣油と花椒、サフランの香り。
魚介の旨味が爆発的においしい、
くん流・麻辣湯ブイヤベースです。

残ったスープでパスタ
麻辣湯ブイヤベースの楽しみは、ここで終わりません。
残ったスープには、蟹殻、魚アラ、蟹味噌、トマトソース、白い醤油麹、魚介、食べる辣油、花椒、サフランの旨味と香りが全部入っています。
これを捨てるのは、あまりにも惜しい。
パスタを茹でて、残ったスープで軽く煮絡めます。
必要なら、塩で味を整えます。
魚介出汁の旨味を麺が吸い、トマトと麻辣の香りが絡みます。
これは、翌日の本命候補です。
ブイヤベース本体が主役だと思っていたら、翌日パスタが助演賞を取りに来る。
台所のアカデミー賞、荒れます。

さらに残ったスープでパエリア風ごはん

さらにスープが残ったら、米を炊きます。
残りスープに米を入れて、パエリア風に炊きます。
スープが足りなければ、少し水を足して調整します。
米が、魚介の旨味を全部吸ってくれます。
蟹味噌。
魚アラ。
トマト。
白い醤油麹。
食べる辣油。
花椒。
サフラン。
この全部を、最後に米が受け止める。
日本の米、懐が深いです。
南仏と四川の仲裁までしてくれます。
仕上げに小ねぎを散らせば完成です。
ここまで使い切ると、最初に鍋に入れた蟹の殻も魚のアラも、かなり報われます。
「自分たち、ここまで使ってもらえるんですね」
甲羅とアラが、少し胸を張るレベルです。

仕上げに小ねぎを散らして完成。麻辣湯ブイヤベースの余韻を閉じ込めた〆の魚介ごはんです。
さらに残った出汁の活用は別記事へ
今回は、さらに残った出汁とくんのトマトソースで、ひよこ豆の麻辣湯風ポークビーンズも作りました。
ひよこ豆、じゃがいも、マッシュルームを煮込み、豚ロース薄切りと目玉焼きをのせる、食べるスープです。
ただ、ここまで入れるとこの記事の主役が渋滞します。
麻辣湯ブイヤベース本体。
残りスープのパスタ。
パエリア風ごはん。
さらにポークビーンズ。
全員が前に出てきます。
まるで集合写真で、全員が一歩ずつ前に出てくる状態です。
なので、ひよこ豆の麻辣湯風ポークビーンズは、別記事で詳しく紹介します。
関連記事予定:ひよこ豆の麻辣湯風ポークビーンズ|残り出汁で作る食べるスープ
失敗しないコツ
出汁は濁っていて大丈夫
今回の出汁は、澄ませる料理ではありません。
蟹味噌が入るので、色はくすみます。
むしろ、それがこの料理の魅力です。
濁りを失敗と思わなくて大丈夫です。
この出汁に必要なのは、透明感ではなく、旨味の厚みです。
野菜を入れない
完成スープに野菜は入れません。
ネギ、生姜、にんにくの香りは、出汁を取る段階で入っています。
完成スープにさらに野菜を加えると、魚介出汁の輪郭がぼやけやすくなります。
今回は、魚介の旨味を主役にするために、あえて入れません。
唐辛子を足さない
唐辛子も入れません。
辛味と香ばしさは、くんの食べる辣油で作ります。
唐辛子を追加すると、スープが辛味に寄りすぎます。
今回は、辛さではなく、魚介出汁、白い醤油麹、トマトソース、辣油、花椒、サフランのバランスで食べる料理です。
白い醤油麹と塩の順番
まず白い醤油麹で、旨味と丸みを足します。
そのあと、塩で輪郭を整えます。
いきなり塩だけで決めるより、白い醤油麹を使った方が、魚介出汁とトマトソースがなじみます。
ホタルイカと牡蠣は最後
ホタルイカと牡蠣は、煮込みすぎない方がおいしいです。
ホタルイカは温める程度。
牡蠣はぷっくりしたらOK。
火を入れすぎると、どちらも小さく硬くなります。
魚介は、
「もう少しいけるかな?」
くらいで止めるのが、だいたい正解です。
残りスープは必ず活用する
この料理は、残りスープまで含めて完成です。
本体。
パスタ。
パエリア風ごはん。
この三段活用があるから、作る価値が一気に上がります。
むしろ、最初から少し多めにスープを作っておくのもおすすめです。
よくある質問
麻辣湯ブイヤベースに野菜は入れますか?
今回のレシピでは、完成スープに野菜は入れません。
ネギ、生姜、にんにくは出汁を取る段階で使っています。
完成スープには、魚介出汁、トマトソース、白い醤油麹、塩、食べる辣油、花椒、サフランを合わせます。
魚介の旨味を前に出すため、あえてシンプルに仕上げます。
唐辛子や豆板醤は入れますか?
入れません。
辛味と香ばしさは、くんの食べる辣油で作ります。
唐辛子や豆板醤を入れると、麻辣感は強くなりますが、魚介出汁やサフランの香りが見えにくくなります。
今回は、辛さよりも魚介出汁の旨味を主役にします。
出汁が濁ったけど失敗ですか?
失敗ではありません。
今回は蟹の甲羅に残った蟹味噌も一緒に使っているので、出汁は少しくすんだ色になります。
この濁りは、蟹味噌のコクが溶け込んだ証拠です。
ホタルイカや牡蠣はいつ入れますか?
最後の方に入れます。
ホタルイカは温める程度。
牡蠣はぷっくりしたらOKです。
煮込みすぎると、ホタルイカは苦味が出やすく、牡蠣は縮みやすくなります。
残ったスープはどう使えますか?
パスタとパエリア風ごはんがおすすめです。
残ったスープには、魚介、トマト、白い醤油麹、食べる辣油、花椒、サフランの旨味が入っています。
パスタに絡めても、米に吸わせてもおいしいです。
さらに残った出汁は、別記事で紹介するひよこ豆の麻辣湯風ポークビーンズにも使えます。
ソムリエのひとこと
この麻辣湯ブイヤベースには、ワイン選びがかなり面白いです。
普通のブイヤベースなら、南仏の白やロゼが王道です。
でも今回は、くんの食べる辣油、花椒、白い醤油麹、蟹味噌、サフランが入ります。
辛味。
しびれ。
魚介。
蟹味噌。
トマト。
発酵の旨味。
サフラン。
登場人物が多いです。
こういう時は、ワインも少し懐の深いものが合います。
まずおすすめは、辛口ロゼ。
特にプロヴァンスのロゼは、トマトの酸味、魚介の旨味、辣油の香り、サフランの余韻をうまくつないでくれます。
白なら、ヴェルメンティーノやピクプール・ド・ピネ。
酸とミネラルがあり、魚介に寄り添ってくれます。
ホタルイカのワタ感や蟹味噌のコクまで考えるなら、オレンジワインも面白いです。
軽い渋みが、魚介の旨味と麻辣の香りをまとめてくれます。
少し攻めるなら、辛口からややオフドライのリースリング。
花椒のしびれや食べる辣油の香りに、リースリングの果実味が合います。
ここで重たい赤ワインを合わせると、魚介と喧嘩しやすいです。
この料理には、赤ワインの重役会議より、ロゼや白の機動力が合います。
おすすめワインリスト
プロヴァンス・ロゼ
麻辣湯ブイヤベースには、まず辛口ロゼ。
トマト、魚介、辣油、花椒、サフランの間をうまくつないでくれます。
ヴェルメンティーノ
魚介との相性が良く、爽やかな香りとミネラル感があります。
ブイヤベース寄りに楽しみたい時におすすめです。
ピクプール・ド・ピネ
酸がしっかりあり、魚介の旨味をすっきり流してくれます。
牡蠣やムール貝が多い時に合います。
オレンジワイン
ホタルイカのワタ、蟹味噌、辣油の香ばしさに寄り添います。
少し変化球ですが、かなり楽しい組み合わせです。
リースリング辛口〜ややオフドライ
花椒のしびれや辣油の刺激に、ほんのり果実味があるリースリングが合います。
辛味をやわらげたい時におすすめです。
ぶーちゃんのひとこと
「くん、これ、ブイヤベースなの?麻辣湯なの?」
そう聞かれると、少し困ります。
答えは、たぶん両方です。
南仏の港町で生まれたブイヤベースに、麻辣湯の香りを少し足す。
でも、辛さで押し切らない。
魚介の旨味が主役で、花椒と辣油はあくまで香りの係。
ぶーちゃんは辛いものは食べられません。
でも、香りだけはずっと気にしていました。
「これは人間がまた、ずるいものを作っている」
そんな顔です。
そして残ったスープでパスタ。
さらにパエリア風ごはん。
ぶーちゃん、薄々気づいています。
この鍋、なかなか終わらない。
まとめ
麻辣湯ブイヤベースは、かなり面白い料理でした。
ブイヤベースに麻辣湯を足すというと、少し無茶に聞こえます。
でも、蟹殻と魚アラ、蟹味噌でしっかり出汁を取れば、麻辣の香りにも負けません。
くんのトマトソースで、甘みとやさしい酸味を足す。
くんの白い醤油麹と塩で、塩分と旨味を整える。
くんの食べる辣油、花椒、サフランで香りを重ねる。
野菜は入れない。
追加のにんにく、生姜も入れない。
唐辛子も入れない。
足し算ではなく、引き算。
だからこそ、蟹殻と魚アラから取った出汁の旨味とコクが前に出ます。
ホタルイカ、牡蠣、白身魚、ムール貝を加えれば、魚介の旨味が爆発する、くん流の麻辣湯ブイヤベースになります。
そして何より、残りスープが強い。
パスタにしてもおいしい。
パエリア風ごはんにしてもおいしい。
一度作って、三度楽しめる。
蟹の殻も、魚のアラも、蟹味噌も、残りスープも。
全部使う。
くんの台所では、旨味は最後まで逃がしません。
さらに残った出汁で作った、ひよこ豆の麻辣湯風ポークビーンズは別記事へ。
蟹殻と魚アラ、ついに記事を2本生みました。
働き者です。

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