大葉ジェノベーゼとイカ墨スパゲッティーニ|花椒とエシレバターで作る上品パスタ

大葉のジェノベーゼをイカ墨のパスタで パスタレシピ
大葉のジェノベーゼをイカ墨のパスタに絡めて

以前作った、生山椒とバジルのアーモンドジェノベーゼ

今回はそのレシピを少し変えて、バジルを使わず、全部大葉で作りました。

さらに山椒の代わりに使ったのは、花椒

合わせたパスタは、ラ・モリサーナのイカ墨を練り込んだスパゲッティーニ

仕上げには、エシレの有塩バターを少し。

大葉の爽やかさ、花椒の華やかなしびれ、イカ墨パスタの海の香り、そしてエシレバターの上品なコク。

これが、かなり良いパスタになりました。

台所で作っているのに、気分だけはレストランの白いクロスです。現実はまな板の横に洗い物がいますが、そこは見なかったことにします。

大葉だけで作るジェノベーゼ

ジェノベーゼというと、一般的にはバジルを使います。

でも今回は、全部大葉。

大葉は日本の食卓になじみのある香味野菜ですが、細かくしてオイルやナッツ、アンチョビと合わせると、かなり立派なソースになります。

爽やかで、青くて、少し和の香りがある。

そこに花椒を少し加えると、香りの輪郭がすっと立ちます。

大葉が「こんにちは」と出てきたあとに、花椒が「私もおります」と軽く会釈する感じです。

この距離感が大事です。

花椒を入れすぎると、会釈ではなく、突然の所信表明演説になります。

今回使ったパスタはラ・モリサーナのイカ墨スパゲッティーニ

今回使ったのは、ラ・モリサーナのイカ墨を練り込んだスパゲッティーニです。

茹でると、つるつるとした舌触りがあり、噛むほどにイカ墨の香りが広がります。

イカ墨ソースで真っ黒に仕上げるパスタとは違い、麺そのものに香りがあるタイプ。

なので、合わせるソースは重くしすぎない方が良いです。

今回は大葉ジェノベーゼで爽やかに。

そこにエシレバターでコクを足します。

爽やかさだけだと少し軽い。バターだけだと少し重い。

そこをイカ墨スパゲッティーニが、海の香りでまとめてくれます。

会議でいうと、かなり調整力のある議長です。

エシレバターを少し使う理由

仕上げに使ったのは、エシレの有塩バターです。

大葉ジェノベーゼは、太白胡麻油やオリーブオイルで作るので、そのままでももちろん美味しいです。

ただ、イカ墨スパゲッティーニに合わせるなら、少しだけ乳製品のコクがあると、全体がなめらかにつながります。

そこでエシレバター。

たくさん入れる必要はありません。

むしろ少しで良いです。

大葉の爽やかさを消さず、イカ墨の香りも残しながら、最後にふわっと上品なコクを足してくれます。

バターが前に出すぎない。

でも、ちゃんといる。

こういう人、職場に一人いると助かります。

材料

大葉ジェノベーゼの材料

材料分量の目安
大葉30〜40g
ありがとうナッツのアーモンド20g
スカーリアさんのアンチョビ2〜3枚
太白胡麻油50ml
透明醤油小さじ1
にんにく2個
花椒小さじ1/2〜1
少々

花椒は、最初からたくさん入れない方が良いです。

まずは小さじ1/2くらいから。

あとから足すことはできますが、入れすぎた花椒は戻ってきません。

旅立った花椒は、もう二度と台所には戻らないのです。

パスタ1人前の材料

材料分量の目安
イカ墨スパゲッティーニ80〜100g
大葉ジェノベーゼ大さじ2〜3
エシレ有塩バター8〜10g
パスタの茹で汁大さじ2〜3
仕上げの大葉どっさり

作り方

ハンドブレンダーでアーモンドと大葉のジェノベーゼを作る
大葉とアンチョビなどをハンドブレンダーで回します。回しすぎず、少し粒感を残すのがおすすめです。

まずは大葉ジェノベーゼを作る

  1. 大葉は洗って、水気をしっかり拭き取る。
  2. アーモンドは軽く香ばしくしておく。
  3. 花椒は軽く潰しておく。粉の花椒を使っても大丈夫です。
  4. 容器に大葉、アーモンド、アンチョビ、にんにく、花椒を入れる。
  5. 太白胡麻油とオリーブオイルを加える。
  6. ハンドブレンダーで短く回す。
  7. 透明醤油と塩で味を調える。

ポイントは、回しすぎないことです。

大葉は香りが命です。

長く回して熱が入ると、せっかくの青い香りが弱くなります。

少し粒感が残るくらいで止めると、アーモンドの食感も残って、パスタに絡めた時に美味しいです。

なめらかすぎるソースも良いですが、今回は少し野性味を残します。

大葉ですから。

きちんとしているようで、どこか草原の記憶を持っています。

イカ墨スパゲッティーニに絡める

  1. 鍋に湯を沸かし、塩を入れてパスタを茹でる。
  2. フライパンにエシレバターとパスタの茹で汁を入れる。
  3. 弱火で軽く温め、バターを溶かして茹で汁となじませる。
  4. 茹で上がったイカ墨スパゲッティーニを加える。
  5. 火を止めてから、大葉ジェノベーゼを加える。
  6. 全体を手早く絡める。
  7. 器に盛り、仕上げに花椒を少しふる。

大事なのは、大葉ジェノベーゼを入れるタイミングです。

火をつけたまま入れると、大葉の香りが飛びやすくなります。

なので、パスタとバターをなじませたら、火を止めてからジェノベーゼ。

ここは慌てず、でものんびりしすぎず。

料理中の「ちょうどいい急ぎ方」です。

駅のホームで小走りするくらいの感じです。

味わい

ひと口食べると、まず大葉の爽やかな香りが広がります。

そのあとに、花椒の華やかなしびれ。

そしてイカ墨スパゲッティーニの海の香り。

最後にエシレバターのコクが、全体をなめらかにまとめてくれます。

これは、かなり上品です。

大葉を使っているので和の雰囲気もありますが、イカ墨パスタとバターが入ることで、ぐっとイタリアンらしい一皿になります。

でも、ただのイタリアンではありません。

大葉と花椒が入っているので、どこかくんの台所らしい。

国籍でいうと、少し複雑です。

パスポートの申請窓口で、係の人が一度奥に確認しに行くタイプの美味しさです。

美味しく作るポイント

大葉の水気はしっかり取る

大葉に水気が残っていると、ソースがぼやけます。

洗ったあとは、キッチンペーパーでしっかり水気を取ります。

ここは地味ですが大事です。

料理には、こういう地味な作業がたくさんあります。

誰も拍手してくれませんが、味はちゃんと拍手してくれます。

花椒は入れすぎない

花椒は香りが良く、少し入れるだけで料理の印象が変わります。

ただし、入れすぎると全部が花椒になります。

大葉も、イカ墨も、エシレバターも、全員花椒の後ろに整列します。

今回は、大葉が主役。

花椒は名脇役くらいがちょうど良いです。

ジェノベーゼは火を止めてから絡める

大葉の香りを生かすために、ジェノベーゼは最後に加えます。

火を止めてから絡めることで、爽やかな香りが残ります。

温めすぎない。

これだけで、仕上がりがかなり変わります。

エシレバターは少量で十分

エシレバターは香りとコクがしっかりあるので、たくさん入れなくても大丈夫です。

入れすぎると、大葉の爽やかさが隠れてしまいます。

今回は、あくまで全体をつなぐ役割。

大葉とイカ墨の間に入る、品の良い通訳です。

このパスタに合うワイン

このパスタに合わせるなら、重たい赤ワインよりも、白ワインやスパークリングが良いです。

大葉の青い香り、花椒の華やかさ、イカ墨の海の香り、バターのコク。

このあたりを考えると、酸があり、ミネラル感のある白ワインが合わせやすいです。

特におすすめは、ヴェルメンティーノやソアヴェ。

大葉の爽やかさと、イカ墨パスタの海の香りをきれいにつないでくれます。

バターのコクがあるので、泡も良いです。

口の中をすっと洗い流して、また次のひと口に戻りたくなります。

料理としては成功です。

問題は、グラスが空く速度です。

ここだけ、少し管理職の目線が必要です。

関連記事

今回の大葉ジェノベーゼは、こちらの記事のアレンジです。

バジルと生山椒で作るジェノベーゼも、魚やパスタにとてもよく合います。

関連記事:
生山椒とバジルのアーモンドジェノベーゼ|真鯛のカマ焼きとエビ小松菜フジッリに

生山椒を使った透明醤油漬けやアンチョビ太白胡麻油漬けはこちら。

関連記事:
生の山椒の実で作る2種のおつまみ|アンチョビ太白胡麻油漬けと透明醤油漬け

まとめ

生山椒とバジルのジェノベーゼをもとに、今回は全部大葉でジェノベーゼを作りました。

山椒の代わりに花椒を使い、イカ墨を練り込んだスパゲッティーニと合わせ、仕上げにエシレバター。

大葉の爽やかさ、花椒の華やかなしびれ、イカ墨の風味、バターのコク。

それぞれが強い個性を持っているのに、食べるとちゃんとまとまります。

こういう料理は楽しいです。

冷蔵庫にある大葉が、ただの薬味で終わらない。

イカ墨パスタが、ただ珍しいだけで終わらない。

エシレバターが、ただ高級なだけで終わらない。

全部がちゃんと働いて、ひと皿になる。

大葉、花椒、イカ墨、エシレ。

なかなかの布陣です。

これはもう、台所の小さな代表戦です。

勝ちました。

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