赤紫蘇を買いました。
袋を開けた瞬間、ふわっと広がるあの香り。
青いような、甘いような、梅干しの親戚が玄関先まで来ているような、なんとも言えない夏の香りです。
赤紫蘇はすごいですね。
スーパーの袋から出しただけで、台所の空気が急に「丁寧な暮らし」になります。普段は冷蔵庫の前で何を食べるか立ち尽くしているだけの人間も、この瞬間だけは少し手仕事の人です。
今回は、赤紫蘇を使って赤紫蘇シロップを作りました。
氷砂糖でゆっくり甘みをつけて、最後に酢を入れると、くすんだ紫色が一気に鮮やかな赤紫色に変わります。
この瞬間が楽しい。
料理というより、台所で行われる小さな理科の実験です。誰も見ていなくても、思わず「おお……」と言います。言いました。
完成した赤紫蘇シロップは、ソーダストリームで作った炭酸水で割って飲みました。
グラスの中で赤紫蘇ピンクがシュワシュワ。
見た目は完全に、季節限定カフェメニューです。家の台所で作ったのに、気持ちだけはぶーちゃんとテラス席。お値段をつけるなら、680円。いや、氷が大きいから720円です。

赤紫蘇シロップとは?
赤紫蘇シロップは、赤紫蘇を煮出して、砂糖と酢またはレモン汁を加えて作る夏の保存ドリンクです。
炭酸水で割るのが定番ですが、水割り、焼酎割り、白ワイン割り、ヨーグルト、かき氷、ゼリーにも使えます。
そして、赤紫蘇シロップの良いところは、飲み物だけで終わらないところ。
煮出したあとの葉も捨てずに、ふりかけにできます。
赤紫蘇、なかなか働き者です。
履歴書に「シロップ、ふりかけ、麹、ジェノベーゼ対応可」と書けるタイプです。
今回使った材料
今回使った赤紫蘇は、袋入りの赤紫蘇です。
袋には300gと書かれていましたが、これは茎込みの重さです。
シロップに使う場合は、基本的には葉だけを使うのがおすすめです。
太い茎は青っぽさやえぐみが出やすいので、香りをきれいに仕上げたいときは、葉を摘んで使います。
細い茎が少し入るくらいなら大丈夫です。

基本の分量
- 赤紫蘇の葉:100g
- 水:500ml
- 氷砂糖または砂糖:200〜300g
- 酢:100ml
さっぱり飲みたいなら砂糖200gくらい。
甘めにして保存性も少し意識するなら、250〜300gくらいがおすすめです。
酢の代わりにレモン汁でも作れます。その場合は、赤紫蘇100gに対してレモン汁50〜80mlくらいを目安にしてください。
今回は梅酒を作った際に残った氷砂糖を使いました。
氷砂糖はゆっくり溶けて、味がやわらかくまとまる感じがあります。もちろん普通の砂糖でも作れます。
赤紫蘇シロップ作りにあると便利なもの
赤紫蘇シロップは、氷砂糖、保存容器、炭酸水があると一気に楽しくなります。
氷砂糖は梅シロップや果実シロップにも使えるので、夏の手仕事をするならひと袋あると便利です。
赤紫蘇シロップの作り方
1. 赤紫蘇の葉を摘む
まず、赤紫蘇を袋から出して、葉を摘みます。
太い茎は外します。
茎にも香りはありますが、シロップに長く煮出すと青っぽさが出やすいです。
葉だけを使うと、飲みやすく、香りのきれいなシロップになります。
外した茎は捨てなくても大丈夫です。
甘酢漬け、醤油漬け、香り油などにできます。
赤紫蘇は、捨てるところが少ない食材です。優秀です。台所の総務部長です。
2. 赤紫蘇をよく洗う
赤紫蘇は、たっぷりの水でよく洗います。
葉の裏に土や細かい汚れがついていることがあるので、水を替えながら2〜3回洗います。
洗ったらザルに上げて、水気を切ります。
完全に乾かす必要はありません。
3. 鍋で赤紫蘇を煮出す
鍋に水を入れて沸かします。
沸いたら赤紫蘇の葉を入れます。
最初は鍋いっぱいに見えますが、すぐにしんなりします。
菜箸で押し込むようにして、全体をお湯に沈めます。
中火で5〜10分ほど煮出します。
煮ているうちに、赤紫蘇の葉はだんだん緑っぽくなっていきます。
ここで少し不安になります。
「赤紫蘇なのに、緑になっております」
でも大丈夫です。
赤紫蘇の色と香りが、お湯の方へ移動している最中です。
赤紫蘇、出張中です。

4. ザルで濾す
赤紫蘇をザルで濾します。
このとき、葉をギュウギュウ絞りすぎると、えぐみが出やすくなります。
軽く押すくらいで大丈夫です。
そして、煮出したあとの葉は捨てません。
ここから、豆板醤や味噌を使ったふりかけにできます。
赤紫蘇シロップを作って終わりではなく、残り葉までおいしく使う。
これが今回の大事なところです。


5. 氷砂糖を溶かす
濾した赤紫蘇液を鍋に戻します。
そこに氷砂糖を入れて、弱火から中火でゆっくり溶かします。
焦がす必要も、強く煮詰める必要もありません。
氷砂糖が溶けて、全体がなじめばOKです。
普通の砂糖を使う場合も同じです。砂糖がしっかり溶ければ大丈夫です。


6. 酢を入れる
火を止めてから、酢を加えます。
ここが赤紫蘇シロップの一番楽しいところです。
酢を入れた瞬間、くすんでいた紫色が、パァッと鮮やかな赤紫色に変わります。
この色を見るために赤紫蘇シロップを作っている、と言っても大げさではありません。
赤紫蘇シロップ作りのハイライトです。
照明さん、ここです。
7. 保存容器に入れる
粗熱が取れたら、清潔な保存容器に入れます。
冷蔵庫で保存して、2〜3週間を目安に使い切ります。
砂糖を控えめにした場合は、早めに飲み切るのがおすすめです。
長く楽しみたい場合は、製氷皿などで小分け冷凍しておくと便利です。
炭酸水にポンと入れれば、赤紫蘇氷のドリンクになります。
保存容器は清潔に使えるものがおすすめ
シロップ作りは、保存容器がけっこう大事です。
熱湯消毒しやすく、注ぎやすく、冷蔵庫で場所を取りすぎないものが便利です。

赤紫蘇シロップの炭酸割り
完成した赤紫蘇シロップは、まず炭酸割りにしました。
グラスに氷を入れて、赤紫蘇シロップを注ぎ、炭酸水で割ります。

おすすめの比率
- 赤紫蘇シロップ:1
- 炭酸水:4〜5
甘めに飲みたいなら1:3。
食事に合わせるなら1:5くらいが飲みやすいです。
今回の赤紫蘇シロップは、ソーダストリームで作った炭酸水で割りました。
家で炭酸水を作れると、自家製シロップを飲むハードルが一気に下がります。
赤紫蘇シロップ、梅シロップ、レモンシロップ、ジンジャーシロップ。
冷蔵庫にシロップがあると、炭酸水を注ぐだけで、ちょっと楽しい一杯になります。
ただし、炭酸水メーカーを使うときは大事な注意点があります。
炭酸を入れるのは、必ず水だけ。
赤紫蘇シロップを入れた液体に直接炭酸を入れるのではなく、先に炭酸水を作ってから、グラスで赤紫蘇シロップと合わせます。
ここを間違えると、吹きこぼれたり、機械の故障につながる可能性があります。
ソーダストリームさんも、赤紫蘇シロップを直接シュワシュワにされたら、たぶん困ります。
なので順番は、

- ソーダストリームで冷たい水に炭酸を入れる
- グラスに氷を入れる
- 赤紫蘇シロップを注ぐ
- 炭酸水をそっと注ぐ
- 軽く混ぜる
この順番です。
自家製シロップには炭酸水メーカーが便利
今回はソーダストリームで作った炭酸水を使いました。
市販の炭酸水でももちろん作れますが、家で炭酸水を作れると、自家製シロップを飲む機会が増えます。
赤紫蘇シロップ、梅シロップ、レモンシロップなどをよく作る方には、炭酸水メーカーはかなり相性が良いです。
赤紫蘇ソーダをさらにおいしくする小技
赤紫蘇シロップの炭酸割りは、そのままでも十分おいしいです。
でも、少し足すとさらに味が締まります。
- レモン汁を数滴
- 塩をほんのひと粒
- 大葉やミントを添える
- すだちやレモンの皮を少し加える
特におすすめは、赤紫蘇シロップの炭酸割りに、レモン汁を数滴と塩をほんのひと粒。
甘酸っぱさが締まって、ぐっと大人っぽい味になります。
ノンアルコールなのに、少し食前酒の顔をします。
仕事はしていないのに、名刺だけ立派な人みたいです。
赤紫蘇シロップの使い道
赤紫蘇シロップは炭酸割りだけではありません。
いろいろ使えます。
- 水割り
- 炭酸割り
- 焼酎割り
- ジン割り
- 白ワイン割り
- スパークリングワイン割り
- ヨーグルトにかける
- かき氷のシロップにする
- ゼリーにする
- ドレッシングに使う
個人的に料理に使うなら、こんな合わせ方が好きです。
赤紫蘇シロップの冷菜ドレッシング
- 赤紫蘇シロップ:小さじ2
- 酢またはレモン汁:小さじ1
- 透明醤油:小さじ1
- 太白胡麻油:小さじ2
これを混ぜるだけで、夏向きの甘酸っぱいドレッシングになります。
豚しゃぶ、蒸し鶏、カツオ、冷やしトマト、きゅうり、焼きナスに合います。
赤紫蘇シロップは飲み物のようでいて、料理にも使える。
意外と仕事の幅が広いです。
台所の中間管理職です。
残った赤紫蘇の葉は捨てない

赤紫蘇シロップを作ると、煮出したあとの葉が残ります。
ここで捨ててしまうのはもったいないです。
今回は、この残り葉を刻んで、自家製豆板醤と自家製そら豆味噌で炒めて、ふりかけにしました。
普通なら「ゆかり風ふりかけ」にするところですが、豆板醤とそら豆味噌を使うと、辛味と旨味が入って、ごはんにかなり合います。
赤紫蘇の香り、豆板醤の辛味、そら豆味噌の発酵感、かつお節と胡麻の旨味。
これはもう、残りものではありません。
白ごはんを呼びに行くタイプのふりかけです。
詳しい作り方は、別記事でまとめます。
関連記事:
赤紫蘇シロップの残り葉でふりかけ|自家製豆板醤とそら豆味噌で作る発酵ごはん泥棒
今回のまとめ
赤紫蘇シロップは、作り方そのものはとてもシンプルです。
赤紫蘇を洗って、煮出して、砂糖を溶かして、酢を入れる。
たったこれだけ。
でも、香りも色も、仕上がったときの満足感も大きいです。
特に炭酸で割ったときの鮮やかな赤紫蘇ピンクは、夏の台所にかなり効きます。
氷のまわりを泡が上がっていくあの感じ。
見ているだけで少し涼しい。
そして、残った葉までふりかけにできるのがうれしいところ。
赤紫蘇は、シロップを作って終わりではありません。
飲んで、食べて、残り葉まで使い切る。
これが楽しい。
季節の手仕事というと、少し面倒に聞こえるかもしれませんが、赤紫蘇シロップは思ったより気軽に作れます。
しかも完成したら、冷蔵庫を開けるたびに赤いシロップが見える。
それだけで少しうれしい。
夏の冷蔵庫に、赤いご褒美を仕込んでおく。
赤紫蘇シロップ、おすすめです。

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