夏になると食べたくなる、酸味の効いたしば漬け。
今回は、くんの自家製「赤紫蘇麹」と「赤紫蘇シロップ」を使って、半日で食べられるしば漬けを作りました。
ところが、ここで小さな問題が発生。
茗荷がありません。
冷蔵庫を何度見てもありません。二度目に開けたところで、茗荷が突然現れるということもありません。
そこで代役をお願いしたのが、大葉です。
赤紫蘇麹に大葉を合わせる、いわば紫蘇の二枚看板。しかも大葉も茄子や胡瓜と一緒に塩揉みして、全体になじませました。
半日後に味見してみると、胡瓜はポリポリ。茄子は漬かりながらも、きちんと食感が残っています。
そして何よりおいしいのが、麹の自然な甘みと、赤紫蘇のやさしい酸味。
酸っぱさだけが前に出るのではなく、旨味と甘みをまとった、まろやかな味わいに仕上がりました。
これはもう、漬物という名のごはん勧誘員です。
今回作るのは「しば漬け風」の即席漬け
本来のしば漬けは、茄子や胡瓜、赤紫蘇などを塩漬けし、乳酸発酵させて作る京都の伝統的な漬物です。
今回は赤紫蘇麹、赤紫蘇シロップ、米酢などを使い、短時間で仕上げています。
そのため、正確には「赤紫蘇麹を使ったしば漬け風の即席漬け」です。
伝統的なしば漬けとは作り方が違いますが、発酵調味料の旨味と赤紫蘇の香りを楽しめる、くん流の夏の常備菜になりました。
赤紫蘇麹と赤紫蘇シロップのしば漬けの材料
野菜
- 茄子……2本
- 胡瓜……2本
- 大葉……10〜15枚
- 新生姜……30g
- 塩……野菜の総重量の2%
漬けだれ
赤紫蘇麹と塩揉みした野菜には塩分があるため、透明醤油は最初からたくさん入れません。
まずは入れずに漬け、半日後に味見して、必要なら少量加えるくらいがちょうどよいです。
くんの自家製赤紫蘇シリーズ
今回のしば漬けには、くんの自家製赤紫蘇麹と赤紫蘇シロップを使用しています。
作り方
1.茄子、胡瓜、新生姜、大葉を切る
茄子は縦半分に切り、7〜8mmほどの厚さに切ります。
胡瓜は5〜7mmほどの輪切りまたは斜め切りにします。
新生姜は細切り、大葉は縦半分にしてから少し太めの千切りにしました。
野菜を薄く切りすぎると、半日でも柔らかくなりすぎます。
胡瓜のポリポリ感や茄子の食感を残したいので、少し厚めがおすすめです。
2.大葉も一緒に塩揉みする
茄子、胡瓜、新生姜、大葉をボウルやザルに入れ、野菜の総重量に対して2%の塩を加えます。
今回は大葉も後入れにせず、最初から一緒に塩揉みしました。
大葉を塩揉みすると、生の状態の強い青い香りは少し穏やかになります。その代わり、葉がしんなりとして野菜になじみ、赤紫蘇麹との一体感が生まれます。
赤紫蘇と青紫蘇が会議を始めましたが、議題は一貫して「ごはんを何杯食べさせるか」です。
3.20〜30分置いて水分を絞る
塩揉みした野菜を20〜30分ほど置きます。
野菜から水分が出て、全体がしんなりしたら、手でしっかり絞ります。
ここで水分が多く残っていると、漬けだれが薄まり、味がぼやけてしまいます。
特に茄子は水分をしっかり絞ることが大切です。スポンジのように一度水分を出すことで、その後に赤紫蘇麹の漬けだれを吸ってくれます。
ただし、大葉は強く握り潰さず、野菜全体を包むように絞りました。
4.赤紫蘇麹の漬けだれを作る

計量カップやボウルに、赤紫蘇麹、赤紫蘇シロップ、米酢、梅酢を入れて混ぜます。
赤紫蘇麹には麹の旨味と自然な甘みがあり、赤紫蘇シロップには赤紫蘇の香りとやさしい甘酸っぱさがあります。
そこへ米酢を加えることで、漬物らしい酸味を補い、少量の梅酢で味を引き締めます。
色は鮮やかなピンク色。これだけ見ると、かき氷のシロップにも見えますが、うっかり氷にかけると麹と梅酢が全力で止めにきます。
5.保存袋に入れて半日漬ける


水分を絞った野菜と昆布を保存袋に入れ、赤紫蘇麹の漬けだれを注ぎます。
袋の上からやさしく揉み、漬けだれを全体になじませます。
袋の中の空気をできるだけ抜き、平らにして冷蔵庫へ入れます。
途中で一度袋を裏返すと、漬けだれが全体に回り、色と味が均一になじみます。
液体を入れて揉み込む漬物には、口がしっかり閉じる厚手の保存袋が便利です。平らにできるので、少ない漬けだれでも野菜全体に味が回ります。
半日漬けた仕上がり

冷蔵庫で半日漬けたものを、さっそく味見しました。
まず感じるのが、胡瓜のポリポリとした歯応えです。
浅漬けらしい瑞々しさを残しながら、赤紫蘇麹の味はしっかり入っています。
茄子も柔らかくなりすぎず、皮と果肉の食感がきちんと感じられます。
新生姜のシャキシャキとした食感と爽やかな辛味、大葉の清涼感もよいアクセントです。
そして何よりおいしいのが、麹の甘みと赤紫蘇のやさしい酸味。
一般的なしば漬けのように酸味や塩味が強く前へ出るのではなく、麹の丸みのある甘みが全体を包んでいます。
赤紫蘇シロップの甘酸っぱさも加わり、口当たりはとてもまろやかです。
炊きたてのごはんにのせると、胡瓜のポリポリ、茄子のしっとり、新生姜のシャキシャキが次々に現れます。
味の駅伝大会が開催されていますが、全員が区間賞を取っています。
おいしくできた理由
赤紫蘇麹が酸味をまろやかにする
米酢や梅酢だけで漬けると、酸味が強く感じられることがあります。
今回は赤紫蘇麹の麹由来の甘みと旨味が加わるため、酸味の角が取れ、やさしくまろやかな味わいになりました。
赤紫蘇シロップで香りと甘酸っぱさを加える
赤紫蘇シロップを加えることで、砂糖だけでは出せない赤紫蘇特有の香りが加わります。
漬けだれの色も自然なピンク色になり、茄子や新生姜が少しずつ染まっていく様子も楽しめます。
大葉を一緒に塩揉みする
大葉は仕上げに加える方法もありますが、今回は野菜と一緒に塩揉みしました。
そのため、大葉だけが浮いた香りにならず、茄子や胡瓜、赤紫蘇麹と自然になじみました。
茗荷がなくても、新生姜と大葉が爽やかな香味を補ってくれます。
野菜を薄く切りすぎない
半日漬けでも食感が残った理由は、茄子と胡瓜を少し厚めに切ったことです。
特に胡瓜は、厚みを残すことで中心部分の瑞々しさとポリポリ感を楽しめます。
塩の計量にはデジタルスケールが便利
塩揉み用の塩は、野菜の総重量に対して2%が目安です。
例えば野菜が500gなら、塩は10gです。
目分量でも作れますが、塩が多いと赤紫蘇麹のやさしい甘みが隠れてしまい、少なすぎると野菜から十分に水分が出ません。
漬物や麹調味料をよく作るなら、1g単位、できれば0.1g単位で量れるデジタルキッチンスケールがあると便利です。
麹調味料作りにも使えるデジタルキッチンスケール
塩分量を正確に量れるので、漬物だけでなく、塩麹、醤油麹、自家製味噌作りにも活躍します。
赤紫蘇麹のしば漬けの楽しみ方
まずは、炊きたての白いごはんと一緒に食べてください。
麹の甘みと赤紫蘇の酸味がごはんの甘さを引き立て、胡瓜のポリポリ食感で箸が進みます。
ほかにも、次のような食べ方が楽しめます。
- 冷たい半田そうめんの薬味にする
- お茶漬けに添える
- 豚しゃぶや蒸し鶏に添える
- 細かく刻んでおにぎりに混ぜる
- タルタルソースに混ぜる
- 冷奴の薬味にする
細かく刻んでマヨネーズに混ぜれば、赤紫蘇麹の和風タルタルソースにもなります。
揚げ物に添えれば、麹の旨味を残しながら、赤紫蘇の酸味で後味をさっぱりさせてくれます。
ソムリエのひとこと
赤紫蘇の香り、大葉の青い香り、米酢と梅酢のやさしい酸味には、すっきりとした辛口のお酒がよく合います。
日本酒なら、香りが華やかすぎない辛口の純米酒。
ワインなら、よく冷やした辛口のロゼワインがおすすめです。
ロゼの赤い果実の風味が赤紫蘇の香りと重なり、ほどよい酸味が胡瓜や新生姜の爽やかさを引き立てます。
ただし、このしば漬けの主な勤務先は、あくまで白いごはんです。ワインとの兼業も可能ですが、本業はかなり真面目にごはん泥棒をしています。
保存するときの注意
今回のしば漬けは、伝統的な長期発酵の漬物ではなく、塩分を控えめにした即席漬けです。
必ず冷蔵庫で保存し、取り分けるときは清潔な箸を使います。
野菜から水分が出て味が変化していくため、作り置きしすぎず、食感と香りがよいうちに早めに食べ切りましょう。
まとめ|赤紫蘇のやさしい酸味と麹の甘みでごはんが進む
くんの赤紫蘇麹と赤紫蘇シロップを使って、大葉入りのしば漬けを作りました。
茗荷がなかったため大葉を使いましたが、結果は大成功。
大葉も野菜と一緒に塩揉みすることで、赤紫蘇麹と自然になじみ、爽やかな香りを楽しめるしば漬けになりました。
半日漬けただけでも、胡瓜はポリポリ、茄子にはしっかり食感が残っています。
麹の自然な甘みと赤紫蘇のやさしい酸味は、炊きたてのごはんとの相性が抜群です。
自家製の赤紫蘇麹や赤紫蘇シロップが冷蔵庫にある方は、ぜひ夏のごはんのお供に作ってみてください。
ごはんは少し多めに炊いておくことをおすすめします。
しば漬けの責任ではありませんが、一杯で終わる可能性は、かなり低めです。

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