朝ごはんに、大和芋。
普通なら皮をむいて、すりおろして、麦ごはんにかけて終了。
もちろん、それだけでも立派です。ところが冷蔵庫の前で大和芋を眺めているうちに、料理人の悪い癖が出ました。
「半分は、とろろ。残りは焼いてしまおう」
大和芋一本を朝から二毛作。農林水産省には、まだ届け出ておりません。
今回はブンブンチョッパーを使い、大和芋らしいシャクッとした食感を残したとろろを作ります。
そのとろろに、くんの透明醤油めんつゆで漬けたマグロと納豆を盛り付ければ、麦ごはんを静かに、しかし確実に消していく朝のごちそう。
さらに残ったとろろは型に流して焼き、大和芋ステーキに。表面は香ばしく、中はふっくらシャクほく。黒バラ海苔をのせると、大和芋だけとは思えないほどの一皿になりました。
千葉県産の大和芋で贅沢な朝ごはん
今回使ったのは、千葉県産の大和芋。
長芋よりも粘りが強く、味わいも濃厚。すりおろせばモッチリ、加熱すればホクッとした食感が楽しめます。
つまり、生でも焼いても優秀。
会社でいえば営業も経理もできる人材です。こういう方には、できるだけ長く在籍していただきたい。
大和芋のとろろ&ステーキの材料
2人分の目安
- 大和芋……1本・約300〜400g
- くんの透明醤油めんつゆ……大さじ2〜3
- 水……大さじ2〜4
- マグロの刺身……100〜150g
- 納豆……1パック
- 黒バラ海苔……適量
- 米油または太白胡麻油……少量
- 麦ごはん……好きなだけ
めんつゆと水の量は、大和芋の大きさや粘りを見ながら調整してください。
とろろを麦ごはんにかける場合は少しゆるめ、ステーキにする分は水を入れすぎない方が焼きやすくなります。
くんの透明醤油めんつゆを使います
今回の味付けに使ったのが、くんの透明醤油めんつゆ。
だしの旨味はしっかりありながら、大和芋の白さやマグロの色を濁らせにくいのがうれしいところです。

とろろの下味にも、漬けマグロにも同じめんつゆを使うため、味に一体感が生まれます。
調味料を何本も並べなくても味が決まる。朝の台所において、これはかなり重要です。人間、起床直後から調味料会議は開きたくありません。
ブンブンチョッパーで食感を残す


大和芋は皮をむき、ブンブンチョッパーに入りやすい大きさに切ります。
くんの透明醤油めんつゆと水を加え、ブンブン、ブンブン。
ここで回しすぎないことがポイントです。
完全になめらかにするのではなく、ところどころに小さな粒が残る程度で止めます。
すると、粘りの中に大和芋のシャクッとした歯触りが残り、すりおろしただけのとろろとは少し違う、食べ応えのある仕上がりになります。
腕は疲れにくく、食感は残る。
文明とは、こういう方向に進んでいただきたいものです。
▼大和芋や野菜のみじん切りに便利なブンブンチョッパー
マグロを透明醤油めんつゆに漬ける
マグロは食べやすい大きさに切り、くんの透明醤油めんつゆに漬けておきます。
漬け時間は10〜15分ほどが目安。長く漬ける場合は、めんつゆを水で少し薄めてください。
透明醤油めんつゆのだしがマグロに入り、普通の醤油漬けよりも角のない、やさしい旨味に仕上がります。
とろろ、納豆、漬けマグロを盛り付ける

器に大和芋のとろろを入れ、納豆と漬けマグロを盛り付けます。
とろろのモッチリ感、納豆の発酵した旨味、マグロのしっとりした食感。
三者が麦ごはんの上で合流すると、もう誰が主役なのか分かりません。
ただひとつ分かるのは、麦ごはんが予定より早くなくなるということです。
残りのとろろは大和芋ステーキに


残しておいた大和芋のとろろは、そのままステーキにします。
- フライパンに米油または太白胡麻油を薄くひきます。
- セルクル型を置き、とろろを流し入れます。
- 弱めの中火で、底面にしっかり焼き色がつくまで焼きます。
- 型から外して裏返し、反対側も香ばしく焼きます。
火が強すぎると、表面だけ焦げて中が落ち着きません。弱めの中火でじっくり焼き、大和芋の水分を飛ばしながら香ばしさを出します。
焼き上がりは、表面がカリッと香ばしく、中はふっくら。
完全にペースト状にしていないため、ところどころにシャクッ、ホクッとした大和芋の食感が残ります。
豆腐ハンバーグでも、お好み焼きでもない。
大和芋が、大和芋のままステーキになった味。
説明になっているようで、ほとんど説明になっておりませんが、食べると納得できます。
▼きれいな丸形に焼けるセルクル型
仕上げは黒バラ海苔をたっぷりと

焼き上がった大和芋ステーキには、黒バラ海苔をたっぷりとのせます。
海苔の磯の香りと旨味が加わることで、大和芋だけとは思えないほど味に奥行きが生まれます。
透明醤油めんつゆのだし、大和芋の甘味、焼き目の香ばしさ、黒バラ海苔の風味。
材料はシンプルですが、口の中はなかなか忙しい。
朝から満員電車ほど混雑する必要はありませんが、味覚についてはこのくらい賑やかな方がうれしいものです。
▼料理にのせるだけで磯の香りが広がる黒バラ海苔
赤出汁と赤紫蘇麹しば漬けを添えて完成

麦ごはん、とろろ納豆マグロ、大和芋ステーキ。
そこへ赤出汁味噌汁と、くんの赤紫蘇麹しば漬けを添えました。
大和芋料理のまろやかな味わいの合間に、しば漬けのポリポリした食感と赤紫蘇のやさしい酸味が入ると、口の中がきれいに整います。
麹の甘味があるため酸味が尖りすぎず、朝ごはんの箸休めにぴったりです。
食べてみた感想
とろろはモッチリとなめらかですが、細かな粒が残っているため、ときどきシャクッとした歯触りがあります。
漬けマグロと納豆を一緒に麦ごはんへかければ、だしの旨味、マグロのコク、納豆の発酵した風味が一体に。
一方の大和芋ステーキは、外側が香ばしく、中はシャクほく。
同じ大和芋から作ったとは思えないほど、食感も香りも変わります。
朝から二品作ったように見えますが、実際は途中まで同じ工程。
働いたのはブンブンチョッパーとマイヤーフライパン。食べる人だけが、旅館気分です。
ソムリエのひとこと
朝ごはんなので、お茶なら香ばしいほうじ茶や玄米茶がおすすめ。
大和芋の粘りと納豆の旨味を、お茶の香ばしさがすっきりとまとめてくれます。
休日の遅い朝食として楽しむなら、酸のきれいな辛口スパークリングワインも面白い組み合わせ。
ただし朝から泡を開ける場合、その後の予定については、あらかじめご家族との協議をお願いいたします。
まとめ
大和芋は、すりおろしてとろろにするだけではありません。
ブンブンチョッパーで食感を残し、半分は漬けマグロと納豆を合わせたとろろに。残りは型に流して香ばしいステーキに。
一度の下ごしらえで二つの食感を楽しめる、大和芋の二刀流朝ごはんです。
麦ごはん、赤出汁味噌汁、赤紫蘇麹しば漬けまで揃えれば、朝からちょっとした御膳の完成。
大和芋一本で、いつもの朝が少しだけ贅沢になりますよ。

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