今日の献立
- 緑トロ茄子のトロトロ味噌焼き
- ソーセージと湯葉とゴーヤのマヨネーズ炒め・鰹節たっぷりのせ
- エノキ茸とちりめんと明太子のバター炒め
- キクラゲと腐竹とブロッコリーのオイスターソース餡掛け炒め
- 古代米ごはん
- マッシュルームのスープ
朝のひと皿エッセイ
まだ朝露が残る頃、キッチンの明かりとともに香りが立ち上がる。トロ茄子を切るときのなめらかな断面、焼く前の味噌を塗るときのねっとりとした手触りが、「今日はひと味ちがう朝になる予感」を運んでくる。
ゴーヤの切れ目からほろ苦さが顔を出し、ソーセージの油が湯葉にからまる。マヨネーズの軽やかな甘さと鰹節のうるおいが合わさると、まるで朝のジャズの一節。少しシニカルで、それでも心地よいリズム。
エノキ、ちりめん、そして明太子がバターでひらひらと踊るような一品は、「これぞ洋の優雅さと和の繊細さの共演」。噛むたびに、海の風が鼻をくすぐる。
ブロッコリーと中国腐竹とキクラゲはオイスターソースの餡で包まれる。とろみが舌にまとわりつき、緑と黒と白のコントラストが、目にも楽しい。そして最後には古代米ごはんの滋味と、きのこの香りのスープが、全体をやさしく包み込む。
朝の光の中で一口ずつ、「今日も頑張ろう」と思わせる静かな力が、この食卓にはある。
レシピ(材料と分量:2人分)
緑トロ茄子のトロトロ味噌焼き
材料
- 緑トロ茄子 … 1本
- 山高味噌 ヤマタカ 匠御膳 天然醸造みそ… 大さじ2
- みりん … 大さじ1
- 砂糖 … 小さじ1
作り方
- 茄子を半分に縦切りし、中を少しくりぬいて表面をなめらかにする。
- 味噌・みりん・砂糖を混ぜて味噌だれをつくり、茄子に塗る。
- オーブントースターまたはオーブンで焼き色がつくまで加熱。
ソーセージと湯葉とゴーヤのマヨネーズ炒め・鰹節のせ
材料
- ゴーヤ … 1/2本
- ソーセージ … 2本
- 湯葉 … 適量
- 卵 … 1個
- マヨネーズ … 大さじ1
- 鹿児島県 枕崎産 極上 荒本節 使用 花 かつお… ひとつかみ
作り方
- ゴーヤを薄切りにし、塩もみして水分を絞る。
- フライパンでソーセージを炒め、湯葉・ゴーヤを加える。
- 溶き卵を流し入れ、マヨネーズを絡めて仕上げる。
- 器に盛り、鰹節をたっぷりのせる。
エノキ茸とちりめんと明太子のバター炒め
材料
- エノキ茸 … 1袋
- 音戸ちりめん … 大さじ2
- 明太子 … 1腹
- バター … 10g
作り方
- フライパンにバターを熱し、ちりめんじゃこを炒めて香りを出す。
- エノキを加えてしんなりするまで炒める。
- 明太子をほぐし入れ、軽く混ぜ合わせて火を止める。
キクラゲと腐竹とブロッコリーのオイスターソース餡掛け
材料
- ブロッコリー … 1/2株
- 乾燥キクラゲ … 適量(戻しておく)
- 腐竹(湯葉) … 適量
- オイスターソース … 大さじ1
- 鶏がらスープ … 100ml
- 片栗粉 … 小さじ1(水溶き)
作り方
- ブロッコリーを下茹でし、キクラゲ・腐竹も軽く湯通しする。
- フライパンで材料を炒め、オイスターソースと鶏がらスープを加える。
- 水溶き片栗粉でとろみをつけ、餡掛けに仕上げる。
古代米ごはん
材料
- 白米+古代米ミックス … 2合分
作り方
- 古代米を白米と合わせ、やや多めの水加減で炊飯する。
マッシュルームのスープ
材料
- マッシュルーム … 5個(薄切り)
- チキンコンソメ … 400ml
- 白ごま … 適量
- 塩 … 少々
作り方
- 鍋にだし汁を沸かし、マッシュルームを加えて軽く煮る。
- 塩で味を調え、仕上げに白ごまをふる。
ソムリエのひとこと
「和洋がひとつの皿でしなやかに手を取り合う朝ごはん、いいですね。
緑トロ茄子のこってり感には、酸味のある白ワインが負けません。
明太子とバターの重なりも、ハーブやレモン香のアクセントがあるワインで引き締めたい。
オイスターソースの餡掛けの風味には、ほんのりスパイスの効いたロゼでも美味いでしょう。」
今日のワインリスト
・フランス・ロワール地方 ソーヴィニヨン・ブラン
→ 緑トロ茄子のトロトロ味噌焼きに。 味噌の甘辛さをキリッとした酸味が引き締め、余韻を爽やかに。
・スペイン・ナバーラのロゼ
→ エノキ茸とちりめんと明太子のバター炒めに。 塩気とバターのコクを、赤果実の酸とベリーの香りがやさしく調和。
・スペイン・カバ ブルット・ナトゥーレ → キクラゲと腐竹とブロッコリーのオイスターソース餡掛け炒めに。 細やかな泡立ちが餡の重さをリセットし、後味をシャープに整える。
・イタリア・ヴェルメンティーノ(白) → ソーセージと湯葉とゴーヤのマヨネーズ炒め・鰹節のせに。 ほろ苦さと旨味を包み込み、ハーブ香がマヨネーズの重さを軽やかに。
・日本酒・純米吟醸(冷やで) → 古代米ごはんとマッシュルームのスープに。 雑穀の滋味深さとキノコの旨味を、やわらかな吟醸香と米の甘さが引き立てます。
まとめ
この朝ごはんは、「苦味」「旨味」「甘味」「塩味」が和洋中で調和していることがポイント。緑トロ茄子のまろやかな甘さ、ゴーヤのほろ苦さ、明太子の塩気とバターのコク、餡のとろみと旨味。これらが古代米とスープでやさしくまとまる、そんな構成です。
朝からしっかり味の層を重ねたいとき、こういう献立は心も体も満たしてくれます。
おまけコーナー:ぶーちゃんと早朝散歩
朝日のまだ淡い時間、ぶーちゃんの散歩コースは近所の小さな公園。
芝生の先までリードを伸ばして「かけっこ!」と言えば、一気にスイッチが入り、ぶーちゃん猛ダッシュ。
わたしは、それを見ながら「今日もいい朝だなあ」と心の底から思う。
そして帰宅後、キッチンから立ち上る大好きなバターの香りにぶーちゃんが鼻をヒクヒク。
「僕のぶんもある?」という視線を浴びながら、朝ごはん完成。