手羽元の赤ワインオイスター煮込みを作った翌日。
鍋の中には、まだ旨味が残っていました。
手羽元の骨から出た出汁。
玉ねぎ、しめじ、トマト、じゃがいもの甘み。
赤ワインのコク。
鶏だしと野菜ブイヨンの旨味。
そして、気仙沼完熟牡蠣のオイスターソースの奥行き。
ここまで揃っていると、もう「残りもの」と呼ぶには失礼です。
これは、二日目の台本をまだ隠し持っている料理です。
ドラマで言えば、最終回かと思ったら「来週、特別編あります」と発表されるやつです。
今回はこの赤ワイン煮込みに、カレーリーフ、クミンパウダー、ターメリックパウダー、チリパウダーを加え、さらに無印良品の「辛くない りんごと炒め玉ねぎのカレールー」を入れて、カレーにリメイクしました。
仕上げには、くんの自家製サルシッチャ。
はい。
もう昨日の煮込みではありません。
昨日はビストロにいた手羽元が、今日はスパイスをまとってカレー屋さんに転職しました。
しかも上司に自家製サルシッチャが来ています。強い職場です。
赤ワイン煮込みはカレーにリメイクしやすい
煮込み料理をカレーにする時に大事なのは、すでに味の土台があることです。
今回の赤ワイン煮込みには、鶏肉、野菜、赤ワイン、オイスターソース、鶏だし、野菜ブイヨンが入っています。
つまり、カレーに必要な「旨味のベース」がすでに完成しています。
一から玉ねぎを炒めて、肉を煮込んで、スープを作って……という工程を飛ばして、いきなり二階席から試合を見られるような状態です。
そこにスパイスを加えれば、短時間でも深い味わいのカレーになります。
カレーという料理は、とても懐が深いです。
赤ワイン煮込みのような洋風の味も、オイスターソースのような中華の旨味も、スパイスが入ると不思議とまとまります。
料理界の調整役です。
だいたいのことを「まあまあ、ここは私が」と受け止めてくれます。
今回使ったスパイス
今回加えたスパイスは、カレーリーフ、クミンパウダー、ターメリックパウダー、チリパウダーです。
カレーリーフを入れると、香りが一気に変わります。
「あ、これは家庭のカレーだけど、ちょっと遠くまで行ってきたな」という香りになります。
パスポートは持っていないのに、なぜか南インドの空気を連れてくる。
カレーリーフ、地味にすごいです。
クミンは、カレーらしさの土台。
ターメリックは色と香り。
チリパウダーは味を引き締める役です。
ここに無印良品のカレールーを加えて、全体をまとめました。
無印良品のカレールーを使う理由
今回使ったのは、無印良品の「辛くない りんごと炒め玉ねぎのカレールー」です。
辛くないタイプなので、スパイスを足しても味が暴れにくいです。
りんごと炒め玉ねぎの甘みが入るので、赤ワイン煮込みの酸味やオイスターソースの旨味をやさしくまとめてくれます。
ここが大事です。
煮込みのリメイクカレーは、スパイスだけで仕上げようとすると、味が少しバラけることがあります。
赤ワイン、トマト、オイスターソース、鶏だし、野菜の甘み。
そこにスパイスだけを足すと、みんながそれぞれ自己紹介を始めて、会議がなかなか始まりません。
そこにカレールーが入ると、急に司会者が現れます。
「では一度、味をまとめましょう」
無印のカレールー、ここで議長就任です。
材料
分量は、残った煮込みの量に合わせて調整してください。
作り方
1. 残った煮込みを温める
まず、残った手羽元の赤ワインオイスター煮込みを温めます。
煮込みの中の手羽元は、すでにほろほろ。
野菜にも味がしみています。
ここで焦がさないように、弱火から中火でゆっくり温めます。
水分が少なければ、水か鶏だしを少し足してください。
煮込みのリメイクは、最初から強火でいくと焦げやすいです。
昨日がんばった料理を、翌日焦がすのは切ない。
それは、録画しておいた最終回を冒頭5分で消してしまうくらい切ないです。
2. スパイスを加える
温まった煮込みに、カレーリーフ、クミンパウダー、ターメリックパウダー、チリパウダーを加えます。
一度に大量に入れるより、少しずつ入れて香りを見ながら調整します。
スパイスは足し算できますが、引き算はなかなかできません。
人生と同じです。
言いすぎた言葉とチリパウダーは、あとから回収しにくいです。
3. 無印良品のカレールーを加える
スパイスの香りがなじんできたら、無印良品のカレールーを加えます。
ルーが溶けるまで、弱火でよく混ぜます。
この時点で、煮込みが一気にカレーになります。
赤ワイン煮込みの深みは残しながら、りんごと炒め玉ねぎの甘みが入って、味が丸くなります。
辛くないカレールーなので、辛味を強くしたい場合は、チリパウダーで調整します。
4. 自家製サルシッチャを焼く
くんの自家製サルシッチャを焼きます。
サルシッチャは、しっかり焼き色をつけるのがおすすめです。
肉の香ばしさと、フェンネルの香りがカレーにとてもよく合います。
カレーの上にサルシッチャをのせると、ただのリメイクカレーではなくなります。
「昨日の残りものです」と言いながら、急にごちそう感が出ます。
こういう時のサルシッチャは、料理界の助っ人外国人です。
出てきた瞬間に、打ちそうな雰囲気があります。

5. ごはんに盛り付ける
器にごはんを盛り、カレーをかけます。
焼いた自家製サルシッチャをのせます。
お好みで青菜を添えると、彩りも良くなります。

食べてみると
これは、美味しいです。
元の赤ワイン煮込みに入っていた鶏の旨味、野菜の甘み、オイスターソースのコク。
そこにカレーリーフとスパイスの香りが加わって、完全に別の料理になります。
でも、ただのカレーではありません。
奥に赤ワイン煮込みの深みがあります。
トマトの酸味もあります。
オイスターソースの旨味もあります。
そこへ無印良品のカレールーが入ることで、りんごと炒め玉ねぎの甘みが全体をまとめてくれます。
そして上にのせた自家製サルシッチャ。
これが強い。
肉の旨味とフェンネルの香りが、スパイスカレーとよく合います。
カレーを食べて、ごはんを食べて、サルシッチャをかじる。
すると、またカレーに戻りたくなる。
食卓の上で、スプーンが休みません。
リメイクカレーの良いところ
煮込み料理のリメイクカレーは、とても合理的です。
一日目は煮込みとして楽しむ。
二日目はカレーとして楽しむ。
同じ鍋なのに、まったく別の料理になります。
しかも、二日目の方が味がなじんでいるので、カレーにすると深みが出やすいです。
冷蔵庫の残りものを片付けるというより、前日の料理にもう一度スポットライトを当てる感じです。
昨日の主演俳優が、今日は違う役で出てくる。
しかも意外とハマっている。
名脇役だと思っていたじゃがいもが、今日はカレーの中でかなり良い仕事をしています。
美味しく作るコツ
スパイスは少しずつ入れる
元の煮込みにすでに旨味があるので、スパイスを入れすぎる必要はありません。
香りを足すイメージで、少しずつ加えるのがおすすめです。
カレールーは味を見ながら入れる
無印良品のカレールーは、甘みとまとまりを出してくれます。
ただし入れすぎると、元の赤ワイン煮込みの個性が隠れてしまいます。
最初は少なめに入れて、味を見ながら調整すると良いです。
サルシッチャは焼き色をつける
サルシッチャは、焼き色が大事です。
香ばしさがカレーに加わることで、満足感がぐっと上がります。
ごはんは少し固めでも良い
カレーのソースを受け止めるので、ごはんは少し固めでも合います。
今回はリメイクカレーですが、サフランライスや麦ごはんに合わせても美味しいです。
まとめ
手羽元の赤ワインオイスター煮込みを、スパイスカレーにリメイクしました。
カレーリーフ、クミンパウダー、ターメリックパウダー、チリパウダーで香りを足し、無印良品の「辛くない りんごと炒め玉ねぎのカレールー」で全体をまとめます。
仕上げには、くんの自家製サルシッチャ。
これで、二日目の煮込みが完全に別料理になりました。
赤ワイン煮込みの深み。
オイスターソースの旨味。
スパイスの香り。
カレールーの甘み。
サルシッチャの肉感とフェンネルの香り。
これは、ただの残りものリメイクではありません。
二日目のごちそうカレーです。
煮込み料理は、一日目だけで終わらせるにはもったいない。
翌日、スパイスとカレールーを少し足すだけで、こんなに楽しく化けます。
料理というのは、予定通り作るのも楽しいですが、翌日に「さて、君は何になりたい?」と聞いてみるのも楽しいものです。
今回の赤ワイン煮込みは、こう答えました。
「カレーになります。しかもサルシッチャをのせてください」
はい、喜んで。
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