牛ハツに粉をまぶして香ばしく焼き、クミン風味の腸なしサルシッチャ団子と一緒に、赤ワインとトマトソースで煮込みました。
マイヤーハイプレッシャークッカーを使えば、煮込み時間は加圧5分。
短時間なのに、味はしっかり“週末のごちそう”。牛ハツの噛みごたえ、サルシッチャ団子のふんわり感、赤ワインソースのコクが一皿にまとまります。
牛ハツは、赤ワイン煮込みにしてもちゃんとうまい
牛ハツという食材は、少し不思議です。
名前に「牛」とついている。見た目も、しっかり肉。ところが、いざ目の前に置かれると、こちらの心が少しだけ正座します。
「さて、今日はどのようにお迎えしましょうか」
焼くのか。低温調理でしっとり仕上げるのか。それとも、煮込んでしまうのか。
今回ボクが選んだのは、赤ワイン煮込みです。
ただし、牛ハツをそのまま鍋に入れるわけではありません。塩、胡椒で下味をつけて、粉をまぶし、まずはフライパンで香ばしく焼きます。
この焼き色が大事です。
ここを省くと、料理全体が少しおとなしくなります。人で言えば、第一声。料理で言えば、最初の香ばしさ。ここで「今日はちゃんとおいしいですよ」と名刺を出しておくわけです。

そして今回、もうひとつの主役がいます。
クミン風味の腸なしサルシッチャ団子。
以前作った腸なしサルシッチャのレシピをベースに、セージをクミンに変えたアレンジです。
豚挽き肉に塩、にんにく、フェンネル、胡椒。そこへ今回はクミン。
セージを入れると、イタリアンソーセージらしい香りになります。でもクミンに変えると、赤ワイン煮込みの中に、少しスパイスの奥行きが生まれます。
フェンネルの甘い香り。クミンの温かい香り。黒胡椒のきりっとした余韻。
そこへ、牛ハツの旨み、赤ワイン、トマトソース、香味野菜。
鍋の中で、まあ関係者が多い。これはもう、味の合同会議です。議長は赤ワイン。書記はトマトソース。発言力が強いのはクミン。
そして仕上げは、マイヤーハイプレッシャークッカー。加圧5分。
普通の煮込みなら、ここから「しばらくお待ちください」という時間が始まります。でも圧力鍋は展開が早い。連続ドラマなら第4話でようやく話が動くところを、圧力鍋は初回拡大スペシャルで一気にまとめてきます。
この料理のポイント
牛ハツは粉をまぶして焼く
牛ハツは、脂が多い部位ではありません。だからこそ、煮込みにするときは最初に焼き色をつけるのが大事です。
粉を薄くまぶして焼くことで、表面に香ばしい層ができます。その焼き色が、赤ワインとトマトソースに溶けて、煮込み全体のコクになります。
ここは、ただの下処理ではありません。味の設計図です。
肉団子は「腸なしサルシッチャ団子」にする
今回の肉団子は、普通の肉団子ではありません。
ベースは、以前作った腸なしサルシッチャ。今回はその配合を活かして、セージをクミンに変更しました。
サルシッチャらしい肉の旨みと、フェンネルの香り。そこにクミンが入ることで、赤ワイン煮込みに少しスパイス感が加わります。
これが、ただの洋食煮込みで終わらない理由です。
マイヤーハイプレッシャークッカーなら加圧5分
煮込み料理はおいしい。でも、時間がかかる。
そこを助けてくれるのが、マイヤーハイプレッシャークッカーです。
今回は、焼いた牛ハツ、サルシッチャ団子、香味野菜、赤ワイン、トマトソースを入れて、加圧5分。
短時間でも、野菜の甘み、肉の旨み、赤ワインのコクがまとまります。
材料
牛ハツと煮込み用
香味野菜
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 玉ねぎ | 1個 |
| 人参 | 1本 |
| セロリ | 1本 |
| にんにく | 2〜3片 |
| 生姜 | 少量、好みで |
クミン風味の腸なしサルシッチャ団子
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 豚挽き肉 | 250g |
| 塩 | 3g |
| にんにく | 少々、すりおろし |
| 乾燥フェンネル | 5g |
| クミン | 1〜1.5gほど |
| 白胡椒 | 少々 |
| 粗挽き黒胡椒 | 少々 |
| 小麦粉 | 適量 |
※元の腸なしサルシッチャではセージを使いますが、今回は赤ワイン煮込みに合わせてクミンに変更しました。
付け合わせ
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ほうれん草 | 適量 |
| さつまいも | 適量 |
| 舞茸 | 適量 |
| バターまたはオリーブオイル | 適量 |
| 塩、胡椒 | 適量 |
作り方
1. 牛ハツに下味をつける
牛ハツは食べやすい大きさに切ります。塩、黒胡椒をふり、全体になじませます。
表面に小麦粉を薄くまぶします。
粉はつけすぎないのがポイント。厚化粧にすると、煮込みの中で少し重くなります。料理も人間関係も、薄化粧くらいがちょうどいい時があります。
2. 牛ハツを香ばしく焼く

フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、牛ハツを焼きます。全面にしっかり焼き色をつけます。
ここで中まで完全に火を通す必要はありません。大事なのは、表面の香ばしさです。
焼けたら、いったん取り出します。
3. クミン風味の腸なしサルシッチャ団子を作る
ボウルに豚挽き肉、塩、すりおろしにんにく、乾燥フェンネル、クミン、白胡椒、粗挽き黒胡椒を入れます。
粘りが出るまでしっかり混ぜます。できれば冷蔵庫で30分ほど休ませると、香りがなじみ、肉のまとまりもよくなります。
今回は腸詰めにせず、ひと口大の団子状に丸めます。
4. サルシッチャ団子に粉をまぶして焼く

丸めたサルシッチャ団子の表面に、小麦粉を薄くまぶします。
牛ハツを焼いたフライパンをそのまま使い、サルシッチャ団子を焼きます。肉の旨みが残っているので、フライパンは洗わずに使います。
表面にこんがり焼き色がつけば大丈夫です。このあと赤ワインとトマトソースで煮込むので、中まで完全に火を通す必要はありません。
焼けたら取り出します。
5. 同じフライパンで香味野菜を炒める

同じフライパンに、玉ねぎ、人参、セロリ、にんにくを入れて炒めます。
牛ハツとサルシッチャ団子の旨みを、野菜に吸わせるように炒めます。野菜に軽く焼き色がつくと、煮込みに甘みと香ばしさが出ます。
ここも地味ですが、大事です。主役が肉なら、野菜は舞台装置。ちゃんと照明が当たると、全体が急においしそうになります。
6. 圧力鍋に具材を入れる

マイヤーハイプレッシャークッカーに、焼いた牛ハツ、サルシッチャ団子、炒めた香味野菜を入れます。
水またはブイヨン、赤ワイン、トマトソースを加えます。ブラックペッパー粒とローリエがあれば一緒に入れます。
赤ワインを注いだ瞬間、鍋の中が一気に料理の顔になります。さっきまで下ごしらえだったものが、急に「ここから本番です」と言い出します。
7. 加圧5分で煮込む
フタをして火にかけ、圧がかかったら弱火にして加圧5分。火を止めたら、自然に圧が下がるまで待ちます。
圧が下がったらフタを開け、味を見ます。必要なら塩で調整します。
ソースがゆるければ、フタを開けたまま少し煮詰めます。赤ワインとトマトの酸味が丸くなり、全体にツヤが出てきたら完成です。
8. 付け合わせを作る
ほうれん草はバターでさっとソテー。
さつまいもと舞茸は、オリーブオイルまたはバターで香ばしく焼きます。
煮込みが濃厚なので、付け合わせはシンプルで十分です。
ここで頑張りすぎると、皿の上が選挙ポスターのように賑やかになります。主役はあくまで、牛ハツとサルシッチャ団子です。
9. 盛り付ける

器に赤ワイン煮込みを盛り、横にほうれん草、さつまいも、舞茸を添えます。
牛ハツ、サルシッチャ団子、人参、玉ねぎ、セロリをバランスよく見せると、皿に動きが出ます。
仕上げに黒胡椒を少しふると、香りが立ちます。
おいしく作るコツ
牛ハツは煮込む前に焼き色をつける
牛ハツは、最初に香ばしく焼くことで味に深みが出ます。煮込みの中で焼き色の旨みがソースに移るので、ここは省かない方がいいです。
サルシッチャ団子は粉をつけてから焼く
粉をまぶして焼くことで、表面が香ばしくなり、煮込んでも崩れにくくなります。さらに、煮込みソースに軽いとろみも出ます。
クミンは入れすぎない
クミンは香りが強いスパイスです。入れすぎると、赤ワイン煮込み全体がクミンの独演会になります。
今回は、フェンネルの甘い香りとクミンの温かい香りが重なるくらいがちょうどいいです。
赤ワインはしっかり火を入れる
赤ワインは、入れた直後だと酸味やアルコール感が立ちます。圧力鍋で煮込んだあと、必要なら少し煮詰めると、角が取れてソースにまとまりが出ます。
牛ハツは加圧しすぎない
牛ハツは、長く煮れば必ずやわらかくなるタイプの肉ではありません。今回は加圧5分で、食感を残しながらソースをまとわせる仕上げです。
牛ハツとサルシッチャ団子の味わい
牛ハツは、噛むほどに旨みが出ます。脂で押してくる肉ではなく、香ばしさと食感で食べさせる部位です。
そこに、クミン風味のサルシッチャ団子。
豚肉の甘み、フェンネルの香り、クミンのスパイス感が、赤ワイントマトソースの中でふわっと広がります。
トマトソースの酸味が赤ワインのコクを軽くしてくれるので、濃厚だけど重すぎない仕上がりです。
ほうれん草の青さ、さつまいもの甘み、舞茸の香りもよく合います。
これは、パンでもいい。ごはんでもいい。もちろん、赤ワインでもいい。
ただし、赤ワインを開ける場合はご注意ください。煮込みとワインが仲良くなりすぎて、こちらのグラス管理能力が急に試されます。
ソムリエのひとこと
この料理には、やっぱり赤ワインです。
牛ハツには、少し鉄っぽいニュアンスがあります。そこに赤ワイン煮込みのコク、トマトの酸味、サルシッチャ団子の脂、フェンネルとクミンの香り。
合わせるなら、果実味だけでなく、スパイス感やほどよいタンニンのある赤がいいです。
チリのカベルネ・ソーヴィニヨンは、かなり相性がいいです。黒系果実のしっかりした味わいが、赤ワイン煮込みのソースに寄り添います。
ただ、クミン風味のサルシッチャ団子まで考えるなら、シラーやシラーズもおすすめ。
黒胡椒のような香りがあり、スパイスを使った肉料理にとてもよく合います。
おすすめワイン
- チリのカベルネ・ソーヴィニヨン
牛ハツの旨み、トマトソースのコク、サルシッチャ団子の脂に、しっかりした果実味とタンニンが合います。 - オーストラリアのシラーズ
クミン風味のサルシッチャ団子まで考えるならおすすめ。黒胡椒やスパイスの香りがよく合います。 - 南仏のグルナッシュ主体の赤
果実味が豊かで、トマトソースの酸味をやさしく包みます。 - キャンティ・クラシコ
トマトソースが入る煮込みには、サンジョヴェーゼの酸味もよく合います。
くんの自家製サルシッチャ
今回のサルシッチャ団子は、以前作った腸なしサルシッチャのアレンジです。
基本配合はそのままに、セージをクミンに変えるだけで、赤ワイン煮込みに合うスパイス感が出ます。
牛ハツを焼いて楽しみたい方には、低温調理で仕上げる牛ハツ料理もおすすめです。
また、マイヤーハイプレッシャークッカーを使った煮込み料理は、短時間でも旨みを引き出しやすいので、忙しい日のごちそう作りにも便利です。
まとめ
牛ハツとクミン香る腸なしサルシッチャ団子の赤ワイン煮込みは、見た目以上に作りやすい料理です。
ポイントは、牛ハツをそのまま煮込まないこと。
粉をまぶして香ばしく焼くことで、赤ワイン煮込みに深みが出ます。
そして、ただの肉団子ではなく、腸なしサルシッチャを団子にすること。
今回はセージをクミンに変えることで、赤ワインとトマトソースに合うスパイス感を加えました。
牛ハツの力強さ。サルシッチャ団子のふんわりした旨み。赤ワインとトマトソースのコク。フェンネルとクミンの香り。
そこへ、マイヤーハイプレッシャークッカーの加圧5分。
時間は短くても、味はちゃんと煮込み料理です。
「牛ハツってどう使えばいいの?」
「サルシッチャを煮込みに使えないかな?」
そんな日に、これはかなりおすすめ。
焼いて、煮て、ソースをまとわせる。
牛ハツの新しい使い方として、ぜひ一度試してみてください。
ぶーちゃんのひとこと
きょうのごはん、いいにおいがしたの。
でも、ボクのじゃないって言われたの。
赤ワインって、大人の階段なの?
ぶーちゃんは、さつまいもの階段でいいです。

コメント