手羽元の赤ワイン煮込みを作りました。
……と言いたいところなのですが、今回の料理はただの赤ワイン煮込みでは終わりませんでした。
赤ワインで煮る。
ここまでは、よくある洋食の流れです。
ところが、くんの台所ではそこで終わりません。
鶏だしを入れる。
有機野菜ブイヨンも入れる。
気仙沼完熟牡蠣のオイスターソースも入れる。
炒め油はピーナッツオイル。
そして合わせるごはんは、太白胡麻油と鶏出汁で炊いたコックリ系サフランライス。
もうこれは、赤ワイン煮込みというより、洋食と中華と米料理が手を取り合った一皿です。
料理界の異業種交流会。
名刺交換のあと、全員で白米に向かって走り出すタイプです。
手羽元はマイヤーハイプレッシャークッカーでほろほろ。
軟骨までプルプル。
煮込み野菜にも味がしっかりしみ込み、最後はサフランライスを投入してシチューライス風に〆ました。
これは、鍋の底まできれいに食べたくなる料理です。
今回の主役は手羽元

手羽元は煮込み料理にとても向いています。
理由は、骨まわりから旨味が出るからです。
鶏もも肉だけで作ると食べやすくはあります。
でも手羽元で作ると、骨から出る旨味、皮のコク、軟骨のプルプル感が加わります。
今回はマイヤーハイプレッシャークッカーを使ったので、短時間でも身はほろほろ。
骨まわりの肉もするっと外れます。
箸で持つと、ほぐれる。
でもちゃんと手羽元の存在感はある。
このあたりが手羽元煮込みの楽しいところです。
食卓で無言になるやつです。
美味しい料理の前では、人は急に会議資料を読む課長くらい静かになります。
今回の手羽元は、マイヤーハイプレッシャークッカーで煮込みました。
短時間でも身はほろほろ、軟骨はプルプル。
骨付き肉の煮込みには、やはり圧力鍋が強いです。
【ポチップ:マイヤーハイプレッシャークッカー】
見出し:骨付き肉をほろほろに煮込むなら圧力鍋が便利
味の決め手は鶏だし・野菜ブイヨン・オイスターソース
今回の味の土台は、赤ワインだけではありません。
鶏だし、有機野菜ブイヨン、オイスターソース、ピーナッツオイル。
この4つが味の柱です。
オリーブオイルで作れば、もっと洋風に寄ります。
でも今回はピーナッツオイル。
これがとても良かったです。
ピーナッツオイルの香ばしさが、オイスターソースと自然につながります。
赤ワインとトマトの酸味も、鶏だしと野菜ブイヨンで丸くなり、白米にも合う味にまとまりました。
今回の煮込みで大事なのが、オイスターソースのコクです。
赤ワイン煮にオイスターソースを少し入れると、ただ濃くなるのではなく、旨味の奥行きが出ます。
鶏だしや野菜ブイヨンとも相性が良く、白米にもサフランライスにも合う味になります。

オイスターソースは中華料理だけでなく、魚介や肉料理のコク出しにも使えます。
赤ワイン煮込みにも少し入れるだけで、味に奥行きが出ます。
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材料
分量は作りやすい目安です。
手羽元の本数や野菜の量に合わせて調整してください。
作り方
1. 野菜を切る
玉ねぎ、じゃがいも、トマトを食べやすい大きさに切ります。
しめじはほぐしておきます。
じゃがいもは煮崩れしすぎないように、少し大きめがおすすめです。
煮込みの中でほろっと崩れたじゃがいもは、ソースに自然なとろみを出してくれます。
このとろみが、最後のサフランライスに絡むわけです。
この時点で、もう〆の勝利が少し見えています。
2. 玉ねぎとしめじを炒める

マイヤーハイプレッシャークッカーにピーナッツオイルを入れ、玉ねぎとしめじを炒めます。
ここで香りを出しておくと、煮込み全体の味が深くなります。
圧力鍋は「全部入れて加圧すればいい」と思いがちですが、最初に炒めるかどうかで仕上がりが変わります。
煮込み料理における炒め作業は、地味ですが重要です。
会社でいうと、会議室の椅子を先に並べてくれている人です。
いないと困ります。
3. 手羽元とじゃがいもに焼き色をつける

別のフライパンで、手羽元とごぼう、じゃがいもを焼きます。
手羽元は表面に焼き色がつく程度で大丈夫です。
中まで火を通す必要はありません。
じゃがいもも焼き色をつけておくと、香ばしさが出ます。
この焼き色が、煮込みの香りになります。
ただ煮るだけよりも、ぐっとごちそう感が出ます。
4. 鍋に手羽元、じゃがいも、トマトを入れる




炒めた玉ねぎとしめじの鍋に、焼いた手羽元とじゃがいもを入れます。
トマトも加えます。
ここに赤ワイン、鶏だし、野菜ブイヨン、オイスターソースを入れます。
オイスターソースは入れすぎると一気に中華寄りになるので、最初は控えめがおすすめです。
足りなければ後から足せば大丈夫です。
料理も人間関係も、最初から距離を詰めすぎると少し驚かれます。
オイスターソースも同じです。
5. マイヤーハイプレッシャーで加圧する
フタをして加圧します。
手羽元をほろほろにしたい場合は、加圧15分前後が目安です。
加圧後は自然に圧を抜きます。
圧が抜けたらフタを開け、味を見ます。
この時点でスープが多い場合は、フタを開けたまま少し煮詰めます。
じゃがいもが崩れそうな場合は、具材を一度取り出して、ソースだけ煮詰めても良いです。
圧力鍋を使う場合は、鍋の最大容量を超えないように注意してください。
特に煮込み料理は具材も水分も多くなりがちです。
美味しさも大事ですが、安全はもっと大事です。
そこは料理人も家庭の台所も同じです。
マイヤーハイプレッシャークッカーは、骨付き肉の煮込みにとても便利です。
ソーキのような骨付き肉も、短時間でほろっと仕上がります。
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6. ソースを仕上げる

味が薄ければ、オイスターソースを少し追加。
重たければ、黒酢や赤ワインビネガーを数滴。
まろやかにしたければ、バターを少し。
今回は鶏だし、野菜ブイヨン、オイスターソースを使っているので、塩味は入りやすいです。
醤油や塩を足す場合は少しずつ。
煮込み料理は、最後の数分で急に大人になります。
小学生だったスープが、黒胡椒をひと振りした瞬間にネクタイを締めます。
コックリサフランライスも作りました





今回、煮込みに合わせたのはサフランライスです。
ただし、普通のサフランライスではありません。
太白胡麻油と鶏出汁で炊いた、コックリ系サフランライスです。
サフランライスというと、華やかで少しよそ行きのイメージがあります。
でも太白胡麻油と鶏出汁を使うと、ぐっと食事としての満足感が出ます。
パラッと軽いというより、しっとりコックリ。
今回の煮込みソースととてもよく合いました。
煮込みが濃厚なので、ごはんに旨味を持たせておくと、料理全体のまとまりが良くなります。
白米でももちろん美味しいですが、サフランライスにすると一皿料理としての完成度が上がります。
サフランライスには、太白胡麻油を少し加えました。
香りが強すぎないので、サフランの香りを邪魔せず、米にコクとツヤを出してくれます。
今回のような煮込みソースに合わせるごはんには、とても使いやすい油です。
少量でも香りと色が出るサフラン。
煮込み料理に合わせるだけで、一気にごちそう感が出ます。
今回のような赤ワイン煮込みにも、サフランライスはとてもよく合いました。
サフランの香りは、魚介や鶏肉、バターや出汁とも相性抜群です。
煮込み料理に添えるだけでなく、リゾットにしても美味しく楽しめます。
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盛り付け

器に煮込みを盛り、サフランライスを添えます。
青菜やゆで卵を添えると、彩りも良くなります。
手羽元は箸でほぐれるほど柔らかく、骨まわりの肉もするっと外れます。
軟骨はプルプル。
煮込み野菜にも味がしっかりしみています。
特にじゃがいもが良いです。
赤ワイン、鶏だし、野菜ブイヨン、オイスターソースを全部吸って、とろけるような美味しさになりました。
じゃがいもという食材は、いつも静かです。
派手なことは言いません。
でも煮込みの中では、最終的に全部を受け止めてくれます。
台所の名脇役です。
ソムリエのひとこと
この料理に合わせるワインは、単純に「赤ワイン煮だから赤ワイン」と考えるより、もう少しだけ分解して考えると楽しくなります。
今回の煮込みには、赤ワインの酸味、鶏だしの旨味、野菜ブイヨンの甘み、オイスターソースのコク、トマトの酸味、そしてピーナッツオイルの香ばしさがあります。
さらに、合わせるのは太白胡麻油と鶏出汁で炊いたサフランライス。
つまり、味の構成はかなり複雑です。
ここに渋みの強すぎる赤ワインを合わせると、手羽元のやさしい旨味やオイスターソースのコクとぶつかってしまうことがあります。
特にカベルネ・ソーヴィニヨンのようなタンニンの強いワインは、料理よりもワインが前に出すぎる場合があります。
おすすめは、酸があり、渋みが強すぎず、旨味を受け止められる赤ワインです。
料理に寄り添いながら、最後のサフランライスまできれいに流してくれるワインが合います。
この料理に合わせたいワイン
サンジョヴェーゼ
一番おすすめしやすいのは、イタリアのサンジョヴェーゼです。
キャンティやキャンティ・クラシコのような、酸がきれいで渋みが強すぎない赤ワインがよく合います。
トマトの酸味、赤ワイン煮込みのコク、鶏肉の旨味に対して、サンジョヴェーゼの酸がとても相性良く働きます。
じゃがいもや玉ねぎの甘みも、ワインの酸で重たくなりすぎません。
この料理には、濃厚すぎる高級赤ワインより、食事のテンポを作ってくれる赤ワインの方が向いています。
言ってしまえば、主役を奪わない名司会者タイプです。
よく話すけれど、ゲストの話をちゃんと聞く。
食卓に一人いるとありがたい存在です。
コート・デュ・ローヌ
もう少しふくよかに合わせたいなら、南フランスのコート・デュ・ローヌもおすすめです。
グルナッシュ主体の赤ワインなら、果実味があり、渋みも強すぎず、鶏手羽元のほろほろ感やオイスターソースのコクとよく合います。
ピーナッツオイルの香ばしさや、煮込んだじゃがいもの甘みにも寄り添ってくれます。
サフランライスと合わせるなら、少しスパイス感のあるタイプも良いです。
バルベーラ
酸味を効かせて軽やかに食べたいなら、バルベーラも良いです。
バルベーラはタンニンが強すぎず、酸がしっかりあります。
煮込みのコクを流しながら、次の一口を呼んでくれます。
今回のように、赤ワイン、トマト、オイスターソース、鶏だしが重なった料理には、酸のある赤ワインがとても使いやすいです。
濃厚な料理をさらに濃厚なワインで押すのではなく、少し軽やかに流す。
これは家庭料理とワインを合わせる時の大事な考え方です。
樽が強すぎないシャルドネ
白ワインで合わせるなら、樽が強すぎないシャルドネもおすすめです。
鶏肉、じゃがいも、太白胡麻油、サフランライス。
このあたりには、ふくよかな白ワインがよく合います。
ただし、樽香が強すぎるシャルドネだと、オイスターソースや赤ワイン煮込みのソースとぶつかることがあります。
おすすめは、ほどよくコクがあり、酸も残っているタイプ。
ブルゴーニュの白や、南仏、北イタリア、ニューワールドでも樽控えめのシャルドネなら合わせやすいです。
ロゼワイン
実はロゼもかなり良いです。
赤ワインほど重くなく、白ワインよりも料理のソースに寄り添える。
トマト、鶏肉、サフランライス、オイスターソースの全部をほどよく受け止めてくれます。
特に、少し色の濃い辛口ロゼがおすすめです。
赤にするか白にするか迷った時、ロゼは食卓の中間管理職として非常に優秀です。
上からも下からも話を聞いて、何とか場をまとめてくれます。
くん的おすすめの一本
今回の料理に一本だけ選ぶなら、サンジョヴェーゼ系の赤ワインがおすすめです。
キャンティ、キャンティ・クラシコ、またはサンジョヴェーゼ主体の赤ワイン。
赤ワイン煮込みの酸味、トマトの旨味、鶏の骨出汁、オイスターソースのコク。
そこにサンジョヴェーゼの明るい酸とほどよい渋みが入ると、料理が重たくなりすぎず、最後のサフランライスまで美味しく食べられます。
温度は少しだけ冷やして、14〜16℃くらい。
常温でぬるく飲むより、少し涼しい温度の方がこの料理には合います。
手羽元をほぐして、サフランライスにソースを絡めて、サンジョヴェーゼをひと口。
これは良いです。
家庭料理だけど、ちょっとビストロ。
でも最後はシチューライス。
ワインを飲んでいるのに、どこか安心する。
こういう料理が、家で作るワインごはんの一番楽しいところです。
最後はシチューライスで〆


ほろほろの手羽元とサフランライスを一皿に。煮込みソースを絡めて食べます。
そして今回、いちばん危険だったのが〆です。
残った煮込みソースにサフランライスを投入して、シチューライス風にしました。
これは美味しいです。
手羽元の骨から出た旨味。
野菜の甘み。
トマトの酸味。
オイスターソースのコク。
そこにサフランライス。
一口食べると、もう鍋の残りを「明日の分に取っておこう」という理性が遠くへ行きます。
たぶん、電車に乗って隣町まで行っています。
煮込み料理の最後にごはんを入れるのは、やはり強いです。
リゾットとも違う。
雑炊とも違う。
シチューライス。
日本の家庭料理が持つ、最後の包容力です。
美味しく作るコツ
手羽元は先に焼く
焼き色をつけることで、香ばしさが出ます。
圧力鍋に入れる前のひと手間ですが、仕上がりの香りが変わります。
野菜も炒める
玉ねぎとしめじを先に炒めることで、甘みと旨味が出ます。
煮込んだ時の味の厚みが増します。
オイスターソースは控えめから
オイスターソースは旨味が強いので、入れすぎると全体を持っていきます。
最初は少なめにして、最後に調整するのがおすすめです。
煮汁は最後に煮詰める
圧力鍋で作ると、煮汁が多めに残ることがあります。
その場合は、最後にフタを開けて煮詰めると、ソースに一体感が出ます。
サフランライスを合わせると一皿料理になる
この煮込みは、パンにも白米にも合います。
でも今回はサフランライスがとても良かったです。
煮込みのソースをしっかり受け止めて、最後のシチューライスまで楽しめます。
まとめ
手羽元の赤ワイン煮込みを、くん流にアレンジしました。
赤ワインだけで煮るのではなく、鶏だし、有機野菜ブイヨン、オイスターソースを重ね、炒め油にはピーナッツオイル。
マイヤーハイプレッシャークッカーで煮込むことで、手羽元はほろほろ、軟骨はプルプルに仕上がりました。
合わせたのは、太白胡麻油と鶏出汁で炊いたコックリサフランライス。
煮込みをのせて食べても美味しい。
ソースを絡めても美味しい。
最後にごはんを投入してシチューライスにしても美味しい。
ワインを合わせるなら、サンジョヴェーゼやコート・デュ・ローヌ、バルベーラのような、酸があり渋みが強すぎない赤ワインがおすすめです。
白ワインなら樽が強すぎないシャルドネ、迷ったら辛口ロゼも良いです。
最初は手羽元の赤ワイン煮を作るつもりでした。
でも気づけば、洋食と中華と米料理が合流した、かなり満足度の高い一皿になりました。
料理というのは不思議です。
予定通りに進めたつもりなのに、最後にサフランライスが登場して、全部持っていくことがあります。
でも、美味しければそれでいいのです。
鍋の底まできれいに食べたくなる、手羽元の赤ワインオイスター煮込み。
これはまた作りたい料理になりました。
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