スーパーで、群馬県産の生の山椒の実を見つけました。
しかも、1パック199円。
これはもう、買うしかありません。
山椒の実というのは、小さな緑の粒ですが、油断してはいけません。
ひと粒噛めば、口の中に爽やかな香りが広がり、そのあとからじわじわとしびれがやってきます。
見た目は可憐。
中身はなかなかの実力派。
野球部でいうと、背番号は控えなのに、代打で出てきていきなり流れを変えるタイプです。
今回はこの生の山椒の実を使って、2種類のおつまみ調味料を作りました。
ひとつは、アンチョビ太白胡麻油漬け。
もうひとつは、透明醤油漬け。
同じ山椒の実なのに、仕上がりはまったく別方向。
片方はお酒が進む「酒泥棒」。
もう片方はごはんにも合う「飯泥棒」。
小さな緑の粒が、台所で二刀流を始めました。

生の山椒の実は、まず下処理が大事
生の山椒の実は、そのままだとしびれやアクが強いので、さっと下処理してから使います。
太い枝を外し、軽く茹でて、水にさらします。
細かい軸は多少残っていても大丈夫です。
この軸を全部きれいに取ろうとすると、台所で静かに老けます。
ほどほどで大丈夫です。

山椒の実の下処理
下処理の手順
- 山椒の実をさっと洗う
- 太い枝を外す
- 鍋に湯を沸かし、塩を少し入れる
- 山椒の実を30秒〜1分ほど茹でる
- 冷水にとる
- 1〜3時間ほど水にさらす
- 味見して、しびれが好みになったら水気をしっかり切る

水にさらす時間は好みです。
しびれをしっかり残したいなら1時間くらい。
やさしくしたいなら2〜3時間。
ただし、長くさらしすぎると香りも抜けてしまうので、途中で味見するのがおすすめです。
山椒の実は、なかなか正直です。
ひと粒噛めば、今のしびれ具合をすぐに報告してくれます。

山椒や花椒のしびれが好きな方には、自家製辣油もおすすめです。
唐辛子や花椒の香りを油に移した、くんの定番調味料です。
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1品目|山椒の実のアンチョビ太白胡麻油漬け
まずは、お酒が進むタイプ。
アンチョビの塩味、太白胡麻油のコク、陳皮の香り、唐辛子のピリ辛。
そこに山椒の爽やかなしびれが加わります。
これはもう、お酒が進む味です。
冷奴、クリームチーズ、じゃがいも、蒸し鶏、バゲット。
どれにのせても、急に「おつまみです」と顔つきが変わります。
材料
※陳皮が粉末の場合は、ひとつまみ〜小さじ1/4くらいからがおすすめです。入れすぎると苦みが強くなります。
山椒の実の香りを生かすため、アンチョビ太白胡麻油漬けには太白胡麻油を使いました。
太白胡麻油は香りが強すぎないので、山椒の爽やかさやアンチョビの旨みを邪魔しません。
オリーブオイルで作るとイタリアン寄りになりますが、太白胡麻油で作ると和食にも中華にも寄せやすくなります。
アンチョビは、山椒オイルに塩味と旨みを足してくれる大事な存在です。
少量でも味が決まるので、常備しておくとパスタや炒め物にも使えて便利です。
【写真:鍋に太白胡麻油、アンチョビ、唐辛子を入れた写真】
キャプション:太白胡麻油でアンチョビと唐辛子を弱火で温め、旨みと辛みを移します。
alt:太白胡麻油でアンチョビと唐辛子を温める

作り方
- 小鍋に太白胡麻油、アンチョビ、唐辛子を入れる
- 弱火でじっくり温める
- アンチョビがほぐれて、油に旨みが移ったら山椒の実を加える
- 30秒〜1分ほど軽く温める
- 火を止めて、陳皮を加える
- 粗熱が取れたら清潔な瓶に入れる
【写真:山椒の実を加えている写真】
キャプション:下処理した山椒の実を加え、香りを太白胡麻油に移します。
alt:アンチョビ太白胡麻油に山椒の実を加える

ポイントは、強火にしないことです。
アンチョビは焦げると苦みが出ますし、山椒の香りも飛びやすくなります。
弱火でゆっくり。
台所であせって良いことは、だいたいありません。

味わい
アンチョビの塩味。
太白胡麻油の丸いコク。
陳皮の柑橘の香り。
唐辛子のピリ辛。
そこに山椒の青い香りと爽やかなしびれ。
これはお酒が進みます。
かなり進みます。
進みすぎて、こちらが心配になるくらいです。

【写真:完成したアンチョビ太白胡麻油漬け】
キャプション:アンチョビの塩味、太白胡麻油のコク、陳皮の香り、唐辛子のピリ辛。お酒が進む山椒オイルの完成です。
alt:山椒の実のアンチョビ太白胡麻油漬け
おすすめの食べ方
クリームチーズにのせる
一番簡単で、一番おつまみらしい食べ方です。
クリームチーズに山椒アンチョビ太白胡麻油漬けを少しのせるだけ。
アンチョビの塩気、チーズのまろやかさ、山椒のしびれがよく合います。
じゃがいもに絡める
茹でたじゃがいも、またはレンジで火を入れたじゃがいもに絡めるだけ。
仕上げに黒胡椒を少し。
これはビール、ハイボール、白ワインに合います。
蒸し鶏にかける
蒸し鶏にかけると、ぐっと中華寄りのおつまみになります。
太白胡麻油のコクが鶏肉に合い、山椒の香りが後味を軽くしてくれます。
冷奴にのせる
豆腐にのせると、アンチョビの塩気がちょうど良いアクセントになります。
醤油なしでも十分おいしいです。
太白胡麻油を使った香りの調味料なら、こちらのジェノベーゼもおすすめです。
チーズを使わず、太白胡麻油で仕上げたごはんにも合うジェノベーゼです。
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2品目|山椒の実の透明醤油漬け
もうひとつは、透明醤油漬けです。
透明醤油は、普通の醤油よりも色がつきにくいので、山椒の実のきれいな緑色が残ります。
これがいいんです。
濃口醤油に漬けると、味はもちろんおいしいのですが、どうしても茶色くなります。
透明醤油なら、青山椒の見た目と香りを生かせます。
味わいは、酒と味醂の甘みに、透明醤油の風味と醤油の旨み。
そこに山椒の爽やかさが喉の奥に残ります。
これはごはんにも合う、絶品おつまみです。
材料
透明醤油漬けには、透明醤油を使いました。
普通の濃口醤油でもおいしく作れますが、透明醤油を使うと山椒の実のきれいな緑色が残ります。
素材の色を生かしたい時に、透明醤油はとても便利です。
作り方
- 小鍋に酒と味醂を入れる
- 火にかけてアルコールを飛ばす
- 火を止めて、透明醤油を加える
- 粗熱を取る
- 下処理した山椒の実を清潔な瓶に入れる
- 冷ました漬け汁を注ぐ
- 冷蔵庫で一晩置く
翌日から食べられます。
ただ、2日目くらいになると山椒の香りが透明醤油に移って、さらにおいしくなります。
味わい
透明醤油のやわらかい旨み。
酒と味醂のやさしい甘み。
そして山椒の爽やかな香り。
口に入れた瞬間は上品。
そのあと、喉の奥に山椒の余韻がすっと残ります。
ごはんにのせてもおいしいです。
冷奴にも合います。
焼き魚にも合います。
卵かけごはんに使ったら、朝から少し背筋が伸びます。
山椒が「今日も一日、しっかりやりましょう」と言ってきます。
少し厳しめの朝礼です。

おすすめの食べ方
炊きたてごはんにのせる
透明醤油漬けの山椒を少し刻んで、炊きたてごはんへ。
漬け汁も少しかけると最高です。
卵かけごはんに
醤油代わりに漬け汁を使います。
山椒の実を少し刻んで入れると、香りが立ちます。
冷奴に
豆腐に透明醤油漬けの山椒をのせるだけ。
仕上げに太白胡麻油を数滴たらしてもおいしいです。
白身魚の刺身に
鯛、スズキ、ヒラメなどの白身魚に合わせると、透明醤油のきれいな風味と山椒の香りがよく合います。
色を生かす調味料つながりでは、白い醤油麹もおすすめです。
素材の色を濁らせず、旨みを足せる便利な自家製調味料です。
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アンチョビ太白胡麻油漬けと透明醤油漬けの違い
同じ山椒の実を使っているのに、仕上がりはまったく違います。
アンチョビ太白胡麻油漬けは、酒泥棒。
透明醤油漬けは、飯泥棒。
同じ山椒の実なのに、まったく違う顔を見せてくれます。
このあたり、食材というより役者です。
しかも、なかなか芸達者です。
保存について
どちらも冷蔵保存します。
アンチョビ太白胡麻油漬けは、できれば3〜5日くらいで食べ切るのがおすすめです。
油漬けはおいしいですが、常温保存には向きません。
透明醤油漬けは、冷蔵で1〜2週間くらいを目安に使い切ります。
どちらも、取り出すときは清潔なスプーンを使います。
ここで雑にいくと、せっかくの山椒がすねます。
少量の作り置きには、小さめの保存瓶があると便利です。
山椒の実の醤油漬けやオイル漬けは、清潔な瓶に入れて冷蔵保存します。
【ここにポチップ:保存瓶】
長く楽しみたい場合は、下処理した山椒の実を小分けして冷凍しておくと便利です。
使う分だけ解凍して、醤油漬けやオイル漬けにできます。
ソムリエのひとこと
アンチョビ太白胡麻油漬けには、辛口の泡や白ワインがよく合います。
おすすめは、辛口のスパークリング、アルバリーニョ、ソーヴィニヨン・ブラン、甲州。
アンチョビの塩味と山椒の香りを、ワインの酸がきれいに流してくれます。
透明醤油漬けには、甲州、ミュスカデ、ソアヴェなど、軽やかでミネラル感のある白ワインが合います。
醤油の旨みと山椒の爽やかさを邪魔しないワインが良いです。
赤なら、軽めのピノ・ノワールやガメイ。
ただし、渋みが強い赤ワインは山椒のしびれとぶつかりやすいので、やさしい赤がおすすめです。
日本酒なら、どちらも合います。
透明醤油漬けは特に、冷やした純米吟醸あたりと合わせたらきれいです。
山椒や花椒のしびれ料理が好きな方へ
山椒の爽やかなしびれが好きな方には、麻辣湯アレンジもおすすめです。
くんのブログでは、麻辣湯を使った麺、スープ、アレンジ料理も紹介しています。
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冷たい麺で楽しむなら、冷やし担々麻辣そうめんもおすすめです。
暑い日でも食べやすく、花椒や辣油の香りが食欲を連れてきてくれます。
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まとめ
生の山椒の実を見つけたら、ぜひ作ってほしい2種類のおつまみ調味料。
ひとつは、アンチョビ太白胡麻油漬け。
アンチョビの塩味、太白胡麻油のコク、陳皮の香り、唐辛子のピリ辛。
お酒が進む、大人のおつまみです。
もうひとつは、透明醤油漬け。
酒と味醂の甘み、透明醤油の旨み、山椒の爽やかさ。
ごはんにも合う、上品なおつまみです。
199円で買った山椒の実が、酒泥棒と飯泥棒に変身しました。
小さな緑の粒ですが、なかなかやります。
台所の片隅で、今日も静かにしびれています。

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