ひとくちメッセージ
焼いたマグロテールの余韻は、そこで終わりじゃなかった。
骨まわりと香味野菜で取った出汁に、食べチョクで届いたホワイトアスパラの甘みを重ね、そうめんをすべらせ、半熟卵でとろりとつなぐ。
ひと口目はやさしく、ふた口目からじわじわ旨い。
春の白さと、魚の旨みを静かに重ねた、ちょっと贅沢なにゅうめんです。
この春の一杯を作るなら、まずこれ
食べチョクのホワイトアスパラの甘みと、レンジで手軽に作れる半熟卵。
この2つがあると、春のにゅうめんはぐっと再現しやすくなります。

今日のエッセイ
ホワイトアスパラを見ると、少し背筋が伸びます。
白くて、やわらかくて、甘い。なのにどこか凛としていて、こちらにも「雑に扱わないでくださいね」という顔をしてくる。
今回使ったホワイトアスパラは、食べチョクで届いたもの。
白くて、まっすぐで、火を入れると甘みがすっと立ち上がる。
こういう素材が届くと、料理は少しだけ丁寧になるから不思議です。
そんなホワイトアスパラを、今回はそうめんと合わせました。
けれど、ただ一緒に入れたわけではありません。
下半分は細く切って、麺のように。穂先はそのまま、ちゃんとアスパラとして。
この二役が、じつに優秀です。
そして受け止めるのは、マグロテールの出汁。
焼いて美味しく食べたあとの骨やまわりの旨みを、パセリの茎、ネギの青い部分、生姜、にんにく、酒と一緒に静かに引き出して、澄んでいるのに薄くない味にする。
こういう出汁は、派手ではないけれど、あとからじわじわ効いてきます。
最後に半熟卵。
これがまた、少しずるい。
今回は電子レンジ用の半熟卵メーカーを使って、600Wで1分20秒。卵黄に爪楊枝で3か所穴をあけておくと、爆発しにくく、忙しい日でもとろりとした半熟に仕上げやすい。
とろりと割れば、出汁の輪郭がやわらぎ、そうめんとアスパラに黄身のコクがするすると絡む。
「にゅうめん」と言いながら、どこか一皿料理みたいな顔をしてくるのは、たぶんこの卵のせいです。
春の料理は、軽やかでありながら、ちゃんと記憶に残ってほしい。
この一杯は、そのちょうど真ん中にいる気がしました。
今日の献立
- ホワイトアスパラと半熟卵のにゅうめん
- マグロテール出汁のとろみあん
- 山椒の葉
マグロテールの骨が出る前に食べた絶品焼き物

材料(2人分)
にゅうめん
- そうめん 2束
- ホワイトアスパラ 3〜4本
- 半熟卵 2個
- 山椒の葉 適量
※ホワイトアスパラは食べチョクで届いたものを使用しました。

マグロテール出汁
- 食べ終わったマグロテールの骨や端材 適量
- パセリの茎 適量
- ネギの青い部分 適量
- 生姜 1かけ
- にんにく 1かけ
- 酒 適量
- 水 適量
味付け
- 塩 適量
- 透明醤油 少量
- オリーブオイル 少量
とろみ用
- 片栗粉 適量
- 水 適量
作り方
1.マグロテール出汁を取る
鍋にマグロテールの骨や端材、パセリの茎、ネギの青い部分、生姜、にんにく、酒、水を入れて火にかける。
アクを取りながら静かに煮て、旨みを引き出す。
最後にこして、澄んだ出汁だけを取っておく。


2.出汁に味をつける
こしたマグロテール出汁に、塩と透明醤油で輪郭をつけ、オリーブオイルを少量加える。
和の出汁に、やわらかなふくらみを足していく。

3.ホワイトアスパラを切り分ける
ホワイトアスパラは皮をむく。
穂先側はそのまま使い、下半分は細切りにして、そうめんに重なる“もうひとつの麺”にする。

4.細切りのアスパラに片栗粉をうっすらまぶす
細切りのホワイトアスパラに片栗粉を薄くまぶし、余分な粉はしっかりはたく。
ここで粉が厚すぎると汁が濁るので、うっすらで十分。

5.穂先をやさしく火入れする
穂先のホワイトアスパラは、あらかじめスープで1分ほどやさしく火を入れる。
茹ですぎず、甘みと輪郭が残る程度で止める。
6.出汁に細切りアスパラを入れて、とろみを整える
味をつけた出汁に細切りのホワイトアスパラを入れて軽く火を通し、水溶き片栗粉でごく軽くとろみをつける。
目指すのは“あんかけ”ではなく、“少しだけ厚みのあるつゆ”。

7.半熟卵を作る
半熟卵は電子レンジ調理器を使うと手軽です。
卵を割り入れたら、卵黄に爪楊枝で3か所穴をあける。
これをしておくと、加熱中の破裂を防ぎやすい。
電子レンジ600Wで1分20秒加熱し、半熟状に仕上げる。


8.そうめんを茹でる
そうめんを茹でて水でしめ、ぬめりを洗う。
温かい料理なので、最後にさっと温め直してもよい。

9.器に盛る
器にそうめんを入れ、とろみをつけたマグロテール出汁を注ぐ。
穂先のホワイトアスパラを見えるようにのせ、半熟卵をそっと添える。
仕上げに山椒の葉をあしらう。


10.まずはそのまま、途中で半熟卵を崩す
まずはそのままひと口。
マグロテール出汁のやさしい旨みの中に、ホワイトアスパラの甘みがふわりと立ち上がる。
細切りにしたアスパラはそうめんに自然に混ざり、麺のようでいて、ちゃんとアスパラでもある。
そして、今度はアスパラの穂先とそうめん。とろみがアスパラと麺にまとわりついて
いつまですすってもマグロテールの優しい出汁が味わえる。
そのあと、半熟卵をそっと崩す。
黄身がとろりと広がると、出汁の輪郭が少しやわらぎ、そうめんとアスパラにコクがするすると絡む。
最初は静かに、途中から少しだけ表情が変わる。
この一杯は、食べながら完成するにゅうめんです。



美味しく作るコツ
とろみは“あるかないか”くらいでいい
この料理の魅力は、出汁の透明感。
とろみが強いと急に重くなるので、そうめんとアスパラにやさしく絡む程度がちょうどいいです。
ホワイトアスパラは二役で使う
穂先は見た目と食感、下半分は麺のような一体感。
この使い分けで、ただの具入りにゅうめんよりずっと印象が深くなります。
半熟卵は最後のまとめ役
最初はそのまま、途中で崩す。
出汁の旨み、アスパラの甘み、そうめんの軽さが、卵黄でひとつにまとまります。
この料理のいいところ
この一杯の面白さは、焼いたマグロテールのあとに、もう一度ごちそうが続くところです。
- マグロテールの骨まわりの旨みを最後まで使える
- 食べチョクのホワイトアスパラの甘みが春らしい
- そうめんで軽やかに食べられる
- 半熟卵で満足感が出る
- 上品なのに、ちゃんと記憶に残る
派手ではないけれど、しみじみ美味しい。
こういう一杯は、あとから強いです。
春の素材と便利な道具はこちら
食べチョクのホワイトアスパラの甘み、そしてレンジで手軽に作れる半熟卵。
素材と小さな道具の力を借りるだけで、春の一杯はちゃんとごちそうになります。
春の甘みと旨みは、まだまだ続きます
ホワイトアスパラの甘み、マグロテールの旨み、やさしい出汁の余韻。
この一杯が好きなら、こちらの記事もきっと好きです。



ソムリエのひとこと
このにゅうめんは、出汁の旨みが主役。
そこにホワイトアスパラの甘み、卵黄のコクが重なるので、ワインを合わせるなら樽が強すぎない白がいいです。
おすすめは、甲州やヴェルメンティーノ。
もし少し香りを寄せたいなら、やさしいソアーヴェもきれい。
和の出汁を壊さず、ホワイトアスパラの上品さに寄り添ってくれます。
ぶーちゃんのひとこと

そうめんに見えて、アスパラもいて、卵までとろり。
しかも出汁がちゃんとしてる。
こういうのはね、静かにすごいです。
ぼくには関係ないみたいだけど
まとめ
ホワイトアスパラは、そのままでも十分きれい。
でも下半分を細く切って、そうめんと重ねると、ひと皿の景色が少し変わります。
そこへマグロテールの出汁をとろりとまとわせ、半熟卵を落とせば、春の白さと魚の旨みが静かにつながる一杯になる。
食べチョクのホワイトアスパラの甘み、マグロテール出汁の旨み、そしてレンジで手軽に作った半熟卵のとろみ。
素材と小さな道具の力を借りるだけで、春の一杯はちゃんとごちそうになる。
軽やかだけれど、薄くない。
やさしいけれど、ちゃんと記憶に残る。
そんなにゅうめんでした。
この春の一杯を再現したい人へ
ホワイトアスパラの甘みを味わえて、半熟卵も失敗しにくい。
この2つがあると、春のにゅうめんはぐっと作りやすくなります。



コメント