スーパーで、ひときわ目が合う魚がいる。
この日の主役は、特大アジ。
「これはフライにしたら間違いないな」と思いつつ、
でも今日は少し違う方向へ。
パン粉ではなく、粉をまとわせて。
油で揚げるのではなく、フライパンで香ばしく焼く。
隣にはズッキーニ。
仕上げはオイスターソース。
つまりこれは、
アジフライになりかけたアジが、途中で中華風ムニエルとして人生の進路変更をした一皿です。
魚の旨み、ズッキーニの甘み、オイスターソースのコク。
白ごはんにも合うし、ワインにも寄れる。
夕食の食卓で、アジが少し背筋を伸ばしました。
今日のひと皿
特大アジとズッキーニのソテー、オイスターソース
大きなアジに軽く粉をつけて、皮目を香ばしく焼きます。
同じフライパンでズッキーニも焼き、最後にオイスターソースベースのタレをからめるだけ。
アジの身はふっくら。
皮目は香ばしく。
ズッキーニはとろりと甘く。
そこにオイスターソースの旨みが入ると、魚料理なのに少し肉料理のような満足感が出ます。
揚げないので軽い。
でも、味はしっかり。
これはかなり使いやすいアジ料理です。

材料
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 特大アジ | 1尾分 |
| ズッキーニ | 1/2本〜1本 |
| 片栗粉、または薄力粉 | 適量 |
| 塩 | 少々 |
| 胡椒 | 少々 |
| 油 | 適量 |

オイスターソースだれ
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 石渡商店 気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース | 大さじ1 |
| 醤油 | 小さじ1/2〜1 |
| 紹興酒、または酒 | 大さじ1 |
| 水 | 大さじ1〜2 |
| 砂糖、またはみりん | 少々 |
| 胡椒 | 少々 |
石渡商店のオイスターソースは牡蠣の旨みがしっかりしているので、醤油は控えめで十分です。濃くしすぎず、水や酒で少しのばすと、アジの味を消さずにきれいにまとまります。
作り方
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | アジに軽く塩をふり、出てきた水分をキッチンペーパーでふき取る。 |
| 2 | ズッキーニは食べやすい大きさに切る。厚めに切ると焼いた時に甘みが出る。 |
| 3 | アジとズッキーニに、片栗粉または薄力粉を薄くまぶす。 |
| 4 | フライパンに油を入れ、アジは皮目から焼く。ズッキーニも一緒に入れて焼き色をつける。 |
| 5 | アジの皮目が香ばしく焼けたら返し、身側も軽く焼く。焼きすぎると身が硬くなるので注意。 |
| 6 | アジとズッキーニを一度取り出す。 |
| 7 | 同じフライパンにオイスターソースだれの材料を入れ、軽く煮詰める。 |
| 8 | アジとズッキーニを戻し、タレをさっとからめる。 |
| 9 | 器に盛り、仕上げに胡椒をふって完成。 |

美味しく作るポイント
アジは焼きすぎない
特大アジは身が厚いので、ついしっかり焼きたくなります。
でも、焼きすぎると一気に身が締まります。
皮目は香ばしく。
身側はやさしく。
ここが大事です。
アジに対して、こちらが体育会系になりすぎないこと。
魚は根性論ではなく、余熱で仕上げるくらいがちょうどいいです。
粉は薄くつける
粉はたっぷりではなく、薄化粧くらいで十分です。
粉をつけることで、
| 効果 | 理由 |
|---|---|
| 身が崩れにくくなる | 焼いた時に表面が固まりやすい |
| 香ばしさが出る | 粉が焼けて軽い衣になる |
| タレがからみやすい | オイスターソースだれを受け止める |
粉をつけたアジは、もう半分ムニエルです。
あとは焼くだけ。
ここでパン粉方面へ進まないのが、今回の分岐点です。
ズッキーニは厚めが美味しい
ズッキーニは薄く切るより、少し厚めがおすすめです。
焼いた時に外側は香ばしく、中はじゅわっと甘くなります。
オイスターソースのコクを受け止めるので、魚だけよりも満足感が出ます。
アジが主役。
ズッキーニは助演男優賞。
でも、こういう助演がいると、料理は急に映画になります。
今回使ったオイスターソース
今回使ったのは、石渡商店の「気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース」です。
気仙沼・唐桑の牡蠣を使い、牡蠣の旨みを丸ごとエキスにした、濃厚でまろやかなオイスターソース。一般的なオイスターソースよりも牡蠣の旨みがしっかりしていて、魚料理に使うと“魚介の旨み同士”が重なります。
今回は特大アジのソテーに合わせました。アジの青魚らしい旨みに、牡蠣の深いコクが加わって、ズッキーニの甘みまできれいにまとめてくれます。
いわば、アジと牡蠣の旨みの握手。
食卓の上で、宮城県気仙沼と魚売り場の特大アジが、静かに名刺交換しております。
オイスターソースがアジに合う理由
アジは青魚なので、旨みと香りがしっかりあります。
そこにオイスターソースの牡蠣の旨みが加わると、魚介同士の旨みが重なります。
ただし、オイスターソースを入れすぎるとアジの香りが負けます。
だから今回は、タレに水や酒を少し加えて、軽くのばすのがポイント。
濃厚だけど、重くしない。
中華寄りだけど、家庭料理として食べやすい。
このあたりを狙います。
おすすめの食べ方
| 合わせるもの | おすすめ理由 |
|---|---|
| 白ごはん | オイスターソースだれが最高に合う |
| レモン | 青魚の香りを引き締める |
| 黒胡椒 | ズッキーニの甘みと相性がいい |
| 花椒 | 中華風に寄せたい時におすすめ |
| ビール | 香ばしい皮目とよく合う |
今回はオイスターソース仕上げなので、白ごはんとの相性はかなり強いです。
タレを少し多めにして、ごはんにのせてもいい。
アジが「私はおかずです」と、かなりはっきり自己紹介してきます。
ソムリエのひとこと
この料理に合わせるなら、白ワインなら少し厚みのある辛口白がおすすめです。
例えば、
| ワイン | 合わせる理由 |
|---|---|
| シャルドネ | 焼いたアジとズッキーニの香ばしさに合う |
| グリューナー・ヴェルトリーナー | 青い香りと胡椒のニュアンスがズッキーニに合う |
| ソアーヴェ | 魚の旨みと軽やかな苦味がよく合う |
| アルバリーニョ | 魚介の旨みと爽やかな酸がオイスターソースを軽くする |
赤なら、軽めのピノ・ノワールでもいけます。
ただし、濃い赤ワインだとアジの身の繊細さが負けやすいです。
個人的には、少し冷やした軽めの白。
オイスターソースのコクを、酸でさらっと流してくれるワインが合います。
くんのひとこと

アジという魚は、ついフライにしたくなります。
わかります。
アジフライは強い。
衣、ソース、からし、キャベツ。
あの布陣は、ほぼ甲子園常連校です。
でも、大きなアジが手に入ったら、ソテーもいい。
粉をつけて、皮目を焼いて、ズッキーニと合わせる。
最後にオイスターソースをからめると、アジが一気に晩ごはんの主役になります。
揚げないから軽い。
でも、物足りなくない。
ズッキーニが甘く、オイスターソースが丸くまとめてくれる。
これは、アジフライとは別の美味しさ。
フライにしなかったアジも、ちゃんと幸せになれます。
同じ特大アジで、フライにするならこちら
大きなアジを前にすると、人はだいたい二択になります。
揚げるか。焼くか。
今回はフライパンで香ばしく焼いて、オイスターソースで中華風ムニエルにしました。けれど、同じくらい立派なアジなら、ザクザク衣のアジフライもやっぱり強いです。
アジフライは、魚料理界の横綱。
ソテーは、少し洒落た幕内力士。
どちらも白ごはんに強いタイプです。
揚げ物気分の日はこちらもどうぞ。
▶︎ ジャンボアジフライと牡蠣フライ|生マスタードで食べる大人の揚げ物レシピ

まとめ
特大アジは、フライだけではもったいない。
粉をつけて香ばしく焼き、ズッキーニと一緒にオイスターソースで仕上げると、家庭でも作りやすい中華風ムニエルになります。
ポイントは、アジを焼きすぎないこと。
粉を薄くつけること。
ズッキーニは厚めに切って、焼き色をつけること。
アジの旨み、ズッキーニの甘み、オイスターソースのコク。
この3つが揃うと、白ごはんにもワインにも合う一皿になります。
特大アジを見つけたら、ぜひ。
揚げ物の気分ではない日にも、ちゃんと満足できる魚料理です。

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