スーパーで大葉を1パック買いました。
大葉というのは便利です。
冷奴にのせる。
刺身に添える。
そうめんに散らす。
だいたい、数枚で仕事を終えます。
ところが、1パック買うと話が変わります。
冷蔵庫の中で、大葉がこちらを見ています。
「まだ、私はいますよ」
そんな顔をしている。
そこで今回は、大葉を薬味で終わらせず、しっかり主役級に使ったパスタを2品作りました。
- ホタルイカと大葉のアラビアータ、フジッリ
- アンチョビと大葉のエシレバター風味、リングイネ、クラッシュアーモンド
大葉は、魚介にも、トマトにも、バターにも合います。
つまり大葉は、台所の名脇役ではありません。
必要な場面で急に主役もできる、かなり器用な俳優です。
今回はそんな大葉に、主演をお願いしました。
大葉は大量消費してこそ、香りが料理になる
大葉は、少量だと薬味です。
でも、たっぷり使うと料理の方向性そのものを変えてくれます。
肉の脂を軽くする。
魚介の香りを整える。
トマトの酸味を爽やかにする。
バターのコクを重たくしすぎない。
これが大葉のすごいところです。
今回の2品は、どちらも大葉を仕上げにたっぷり使いました。
ホタルイカのアラビアータには、魚介とトマトの間をつなぐ香りとして。
アンチョビバターのリングイネには、バターのコクを軽やかにする香味野菜として。
大葉、働きます。
しかも文句を言いません。
非常に優秀です。
1品目|ホタルイカと大葉のアラビアータ、フジッリ

まずは、ホタルイカと大葉のアラビアータです。
パスタはフジッリ。
フジッリは、らせん状の形にソースがよく絡みます。
トマトソース、唐辛子、ホタルイカの旨み。
この全部を、らせんの溝でしっかり受け止めてくれる。
パスタ界の聞き上手です。

ホタルイカは、小さいのに味が濃いです。
あの小さな体の中に、海の旨みと肝のコクをしっかり持っています。
そこへトマトの酸味と唐辛子の辛味。
普通なら少し濃くなりやすい組み合わせですが、仕上げに大葉を加えると、後味がふっと軽くなります。
ホタルイカのコク。
トマトの酸味。
唐辛子の辛味。
大葉の爽やかさ。
これがとても良いバランスです。
ホタルイカと大葉のアラビアータの材料
- フジッリ 適量
- ホタルイカ 適量
- トマトソース 適量
- にんにく 少々
- 唐辛子 少々
- オリーブオイル 適量
- 大葉 たっぷり
- 塩 適量
- 黒胡椒 お好みで
ホタルイカと大葉のアラビアータの作り方
- フジッリを茹でる。
- フライパンにオリーブオイル、にんにく、唐辛子を入れて香りを出す。
- トマトソースを加えて軽く煮詰める。
- ホタルイカを加えて、旨みをソースに移す。
- 茹で上がったフジッリを加えて、ソースを絡める。
- 火を止めてから刻んだ大葉を加える。
- 器に盛り、仕上げに大葉をさらにのせる。
ポイントは、大葉を加熱しすぎないことです。
火を入れすぎると、せっかくの香りが飛んでしまいます。
大葉は最後。
会議でいうなら、最後に出てきて全体を一言でまとめる人です。
最初からずっとしゃべらせると、少し疲れてしまいます。

2品目|アンチョビと大葉のエシレバター風味、リングイネ
続いて、アンチョビと大葉のエシレバター風味です。
パスタはリングイネ。
リングイネは、スパゲッティより少し平たく、ソースとの絡みが良いパスタです。
バターやオイル系のソースに合わせると、つるっとしながらも、ちゃんと旨みをまとってくれます。
今回は、アンチョビの塩気と旨み。
エシレバターの香りとコク。
大葉の爽やかさ。
仕上げにクラッシュアーモンド。
これはもう、シンプルですがかなり強い組み合わせです。

アンチョビとバターは、かなり相性が良いです。
アンチョビの塩気と旨みを、バターのコクが受け止めます。
ただし、このままだと少し重たくなりやすい。
そこで大葉です。
大葉が入ることで、バターのコクがふっと軽くなります。
さらにクラッシュアーモンドをかけることで、香ばしさと食感が加わります。
チーズを使わなくても、満足感が出るのが良いところです。
アンチョビと大葉のエシレバター風味リングイネの材料
- リングイネ 適量
- アンチョビ 適量
- エシレバター 適量
- オリーブオイル 少々
- 大葉 たっぷり
- クラッシュアーモンド 適量
- 黒胡椒 お好みで
- パスタの茹で汁 適量
アンチョビと大葉のエシレバター風味リングイネの作り方


- リングイネを茹でる。
- フライパンにオリーブオイルとアンチョビを入れ、弱火でほぐす。
- 茹で汁を少し加えて、アンチョビの旨みをソースにする。
- 茹で上がったリングイネを加えて絡める。
- 火を止めてからエシレバターを加え、余熱で溶かす。
- 刻んだ大葉を加えて、さっと合わせる。
- 器に盛り、クラッシュアーモンドと黒胡椒をかける。
ここで大事なのは、バターを強火で加熱しすぎないことです。
せっかくの香りが飛んでしまうので、火を止めてから余熱で溶かすくらいがちょうど良いです。
そして大葉も最後。
アンチョビ、バター、大葉。
この3つが合わさると、和風でもあり、イタリアンでもあり、くんの台所でもあります。
どこの国かと聞かれたら、「我が家です」と答えるタイプのパスタです。

大葉パスタ2品の違い
今回の2品は、どちらも大葉をたっぷり使っていますが、味の方向はかなり違います。
| パスタ | 味の方向 | 大葉の役割 |
|---|---|---|
| ホタルイカと大葉のアラビアータ | トマトの酸味、唐辛子の辛味、ホタルイカのコク | 魚介とトマトを爽やかにつなぐ |
| アンチョビと大葉のエシレバター風味 | アンチョビの旨み、バターのコク、アーモンドの香ばしさ | バターの重さを軽くし、香りを立てる |
アラビアータは、赤いソースに大葉の緑が映えます。
アンチョビバターは、淡い色合いの中に大葉とアーモンドが効きます。
同じ大葉でも、料理によって仕事が変わる。
大葉、なかなかのマルチプレイヤーです。
大葉を大量消費したいときのコツ
大葉をたくさん使うときは、全部を細かく刻んで最初から入れるより、使い分けるのがおすすめです。
- ソースに混ぜる分
- 仕上げにのせる分
- 食べる直前に香らせる分
このように分けると、香りが立体的になります。
大葉は火に弱いので、基本は最後に加えるのが良いです。
加熱する場合も、さっと合わせるくらい。
大葉の香りは、繊細です。
あまり長く火にかけると、会議の最後に呼ばれたのに、発言する前に閉会した人みたいになります。
ちゃんと出番を用意してあげましょう。
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辛味を足したいときは、自家製辣油もおすすめです。
青い香りのソースなら、花椒ジェノベーゼも相性抜群。
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ソムリエのひとこと
ホタルイカと大葉のアラビアータには、軽やかな赤ワインやロゼが合います。
トマトの酸味とホタルイカの肝のコクがあるので、重すぎる赤より、酸のあるタイプがおすすめです。
バルベーラ、軽めのサンジョヴェーゼ、ロゼワインあたりが良いです。
白なら、少し旨みのあるヴェルメンティーノや甲州も合います。
アンチョビと大葉のエシレバター風味には、酸とミネラル感のある白ワインが良いです。
アンチョビの塩気、バターのコク、大葉の香り。
ここには、シャルドネでも樽が強すぎないタイプ、またはヴェルメンティーノ、アルバリーニョあたり。
泡も良いです。
バターのコクとアーモンドの香ばしさを、泡がすっと流してくれます。
つまり今回のパスタ2品、ワインが進みます。
大葉を大量消費するつもりが、気づけばワインの在庫も少し消費している。
料理とは、時々そういうものです。
まとめ
大葉を1パック買ったら、薬味だけで終わらせるのはもったいないです。
ホタルイカのアラビアータには、大葉の爽やかさが魚介とトマトをつなぎます。
アンチョビとエシレバターのリングイネには、大葉がバターのコクを軽やかにしてくれます。
フジッリには赤いソース。
リングイネにはアンチョビバター。
そこに大葉をたっぷり。
大葉は添えるだけの薬味ではなく、パスタの主役にもなれる食材です。
大葉1パック、冷蔵庫でしんなりさせる前にパスタへ。
ホタルイカにも、アンチョビバターにも、ちゃんと仕事をしてくれます。
そんな、大葉大量消費のパスタ2品でした。

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