蒸しひたし豆の青山椒昆布だし浸し|山形産ひたし豆を小料理屋の小鉢にしてみた

おつまみ・酒肴

山形産のひたし豆を手に入れました。

ひたし豆。

名前からして、もうすでに浸かる気満々です。

「私、煮られるより、浸されたいんです」

そんな豆界の控えめな自己主張を感じます。

今回はこのひたし豆を、茹でずに蒸してから、昆布と青山椒のだしに浸しました。

これがもう、地味に見えてかなり美味しい。

枝豆ほど若々しくはない。
大豆ほどどっしりもしていない。
その中間にある、青豆らしい香りとホクホク感。

冷蔵庫に入れておくと、食卓に出した瞬間に、

「こういうのがある家、ちゃんとしてるな」

という空気を出してくれます。

本人は豆です。
でも仕事ぶりは、ベテランの副菜です。

山形産ひたし豆。水で戻す前は小さくて硬い豆ですが、ここから美味しい小鉢が始まります。

今回使ったのは山形産ひたし豆

今回使ったのは、上野大津屋さんの山形産ひたし豆

乾燥豆の状態では小さくて硬いのですが、水で戻して蒸すと、ぷっくり。

色もきれいな黄緑色になります。

ひたし豆は、青大豆の一種。

枝豆のような青い香りと、大豆らしい甘みをあわせ持っています。

茹でても美味しいのですが、今回は蒸し調理にしました。

なぜ蒸すのか。

それは、豆の味が逃げにくいからです。

茹でると茹で汁に旨味が出ますが、蒸すと豆の中に味が残りやすい。

つまり、ひたし豆本人に、

「あなたの魅力、そのまま持っていてください」

とお願いする調理法です。

蒸したひたし豆は、香りが濃い

水で戻したひたし豆を蒸すと、豆の香りがふわっと立ちます。

この時点で一粒食べてみると、かなり美味しい。

塩だけでもいける。
オリーブオイルでもいける。
透明醤油を少したらしてもいける。

ただ今回は、ここで終わりません。

昆布と青山椒のだしに浸します。

豆を蒸す。
だしに浸す。
冷蔵庫で待つ。

料理としてはとても静かです。

フライパンの上で「ジュワー!」とか言いません。
バーナーで「ゴォー!」とも言いません。

ただ、冷蔵庫の中でじわじわ美味しくなる。

こういう料理、好きです。

蒸し上がったひたし豆。茹でるより豆の香りが残り、ホクホク感もきれいに出ます。
マイヤーハイプレッシャークッカーで10分加圧で簡単に

材料

作りやすい分量です。

今回は透明醤油を使いました。

普通の醤油でも作れますが、透明醤油にすると豆の色がきれいに残ります。

ひたし豆の淡い黄緑色を活かしたい場合は、透明醤油がおすすめです。

作り方

1. ひたし豆を水で戻す

乾燥ひたし豆をさっと洗い、たっぷりの水に浸します。

目安は一晩。

8〜12時間ほど置くと、豆がしっかり戻ります。

水を吸うとかなり膨らむので、ボウルは大きめが安心です。

豆に対して水は3〜4倍くらいあると安心です。

2. ひたし豆を蒸す

戻した豆の水気を切り、蒸します。

今回はマイヤーハイプレッシャークッカーを使いました。

戻したひたし豆を蒸し器に入れ、加圧します。

目安は、少し歯ごたえを残すなら加圧7分前後

柔らかめが好きなら10分前後

今回は浸し豆にするので、崩れるほど柔らかくしない方が美味しいです。

噛んだときに、ホクッと豆の食感が残るくらいがちょうどいいです。

薄皮は基本的に取らなくて大丈夫です。

気になるものだけ取り除けば十分。

全部の薄皮を取ろうとすると、途中で、

「私は何をしているんだろう」

という時間が訪れます。

料理は楽しく。

薄皮はほどほどに。

3. 漬けだしを作る

鍋にだし、昆布、青山椒を入れます。

そこに透明醤油、塩、みりんを加えて、軽く温めます。

沸騰させすぎる必要はありません。

昆布の旨味と青山椒の香りがじんわり出ればOKです。

青山椒は入れすぎると、主役が豆から山椒に交代します。

今回はひたし豆が主役なので、山椒は香りづけくらいがちょうどいいです。

昆布と青山椒の漬けだし
昆布と青山椒の漬けだし。透明醤油を使うと、ひたし豆の色がきれいに残ります。

4. 蒸したひたし豆を浸す

蒸し上がったひたし豆を保存瓶に入れます。

そこに、温かい漬けだしを注ぎます。

昆布も青山椒も一緒に入れて大丈夫です。

粗熱が取れたら冷蔵庫へ。

半日でも食べられますが、おすすめは1日置くこと

豆の中までだしが入って、味が丸くなります。

保存瓶に入れた蒸しひたし豆
蒸したひたし豆を保存瓶へ。ここから昆布と青山椒のだしを注ぎます。
蒸しひたし豆の青山椒昆布だし浸し
蒸しひたし豆の青山椒昆布だし浸し。冷蔵庫で1日置くと、豆にだしがじんわり入ります。

食べてみた感想

ひと口食べると、まず昆布の旨味。

そのあとに、ひたし豆のホクホクした甘み。

最後に青山椒の香りがふわっと来ます。

強い味ではありません。

でも、箸が止まらない。

こういう料理は、食卓の中で大声を出しません。

唐揚げが、

「俺を見ろ!」

と言う料理なら、ひたし豆は、

「よろしければ、こちらもどうぞ」

と静かに横にいます。

でも気づくと、いちばん減っている。

地味なのに強い。

これは副菜界の安定株です。

合わせたいお酒

このひたし豆には、白ワインや日本酒がよく合います。

ワインなら、まずは甲州

透明感のある味わいと、豆の青い香り、昆布の旨味がよく合います。

ほかには、アルバリーニョやソーヴィニヨン・ブランもおすすめです。

青山椒の香りがあるので、爽やかな白ワインとはかなり相性が良いです。

日本酒なら、冷やした純米吟醸。

出汁の旨味と豆の甘みを、きれいに受け止めてくれます。

ビールなら、軽めのラガー。

豆のホクホク感と青山椒の香りで、かなり良いつまみになります。

アレンジもできます

クリームチーズ和え

汁気を切ったひたし豆に、クリームチーズ、黒胡椒、オリーブオイルを少し。

これだけでワインのおつまみになります。

豆が急に洋服を着ます。

しかも、わりと似合います。

炊き込みごはんの仕上げ混ぜ

炊き上がったごはんに、汁気を切ったひたし豆を混ぜます。

最初から炊き込むより、後混ぜの方が色がきれいに残ります。

昆布の香りもあるので、豆ごはんとしてかなり優秀です。

かき揚げ

ひたし豆、玉ねぎ、桜えびでかき揚げにするのもおすすめです。

これは危険です。

揚げたてを味見すると、味見のまま夕飯が終了する可能性があります。

白和え

豆腐、味噌、練りごま、少しの砂糖で白和えにしても美味しいです。

ひたし豆の食感がアクセントになって、普通の白和えより楽しい一皿になります。

保存について

冷蔵庫で保存して、目安は3〜4日

清潔なスプーンで取り出すようにすると安心です。

日が経つほど味はなじみますが、青山椒の香りは少しずつ落ち着いていきます。

香りが良いうちに食べ切るのがおすすめです。

まとめ

ひたし豆は、ただ茹でて浸すだけでも美味しい豆です。

でも今回は、蒸してから浸しました。

蒸すことで豆の味が濃くなり、昆布の旨味と青山椒の香りが加わって、静かなのに印象に残る小鉢になります。

派手な料理ではありません。

でも、こういう一品が冷蔵庫にあると食卓が強くなります。

メイン料理の横にそっと置くだけで、

「あ、この家、ちゃんと美味しいものが出てくる家だ」

という空気になる。

蒸しひたし豆の青山椒昆布だし浸し。

豆が主役になる日があってもいい。

だってこの豆、かなり仕事ができます。

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