本場は羊。でも今日は、豚が勝つ。しかも、かなり気持ちよく勝ちます。
このポークケバブは、エペイオス・ノンフライヤーのロティサリー機能で作っています。
これ、正直この機材がないとここまでの仕上がりにはなりません。
ロティサリーフォークを使うことで、肉が回転しながら均一に火が入り、外は香ばしく中はジューシーに仕上がります。
今日のエッセイ
ケバブという料理は、どうしてあんなに人を立ち止まらせるのでしょう。
くるくる回っている肉を見ると、なぜか目が離せない。
あれはたぶん、「いま、確実に美味しくなっています」という映像だからだと思います。
言ってしまえば、ずっと焼いているだけです。
でも、ずっと見ていられる。
テレビでいえば、事件も起きないのに視聴率が取れるタイプです。
しかも本場トルコでは、豚肉は使いません。
宗教的な理由があるので、それはもう、きっぱり使いません。
なのにボクは、ここで豚を回した。
回してしまったのです。
するとどうでしょう。
羊の野性味とはまた違う、豚の脂の甘みとコクが前に出てきて、これはこれで実に困る。
困るというのはもちろん、食べ過ぎる方向で困る、という意味です。
そこに白い醤油麹を合わせると、味が丸くなる。
ヨーグルトでしっとり、麹で旨みがふくらんで、ロティサリーで表面だけがちゃんと香ばしい。
つまり、やっていることはわりと本格的なのに、食べた感じは妙にやさしい。
このあたり、見た目はちょっと強そうなのに、話してみると感じの良い人みたいで、なかなか好感が持てます。
さらに今回は、春キャベツの千切りに、ヨーグルトと白い醤油麹のドレッシング。
チョバンサラダには新生姜、ミント、ディル、そしてカマンベールまで入れてしまったので、皿の上がやけに華やかです。
ケバブと聞くと、もっとこう、片手で持って豪快に食べる印象がありますが、今日は違います。
ちゃんと皿に盛って、ちゃんと野菜を添えて、ちゃんと「これは料理です」という顔をしている。
でも一口食べると、ちゃんとケバブらしい高揚感もある。
少し背筋を伸ばしたごちそう、という感じでしょうか。
家でここまでできると、外でケバブを見かけた時にうっかり比較してしまいそうで、それはそれで大人としてどうかとも思いますが、まあ、美味しいのだから仕方ありません。
今日の一皿
- ポークケバブ
- 春キャベツの千切り
- ヨーグルトと白い醤油麹のケバブドレッシング
- チョバンサラダ(新生姜・ミント・ディル・カマンベール入り)
このレシピで使ったもの
- 豚肩ロースブロック
- ヨーグルト
- 白い醤油麹
- クミン
- パプリカパウダー
- エペイオス・ノンフライヤー
- ロティサリーフォーク
白い醤油麹は自家製で仕込んでいます。作り方はこちらをご覧ください。
ポークケバブの材料(2〜3人分)
- 豚ももブロック:400〜500g
マリネ液
- プレーンヨーグルト:75g
- オリーブオイル:大さじ2
- にんにく:小さじ1
- 玉ねぎパウダー:小さじ2
- 白い醤油麹:小さじ2
- 黒コショウ:少々
- 赤唐辛子パウダー:小さじ1
- クミンパウダー:小さじ1/2
- パプリカパウダー:小さじ1/2
- ケチャップ:小さじ1/2
今回の味の決め手は白い醤油麹です。自家製醤油麹の作り方はこちらからどうぞ。

ポークケバブの作り方





ポークケバブ

1.豚肉をマリネする
マリネ液の材料をすべて混ぜ、豚肩ロースブロックにしっかりなじませます。袋や容器に入れて、冷蔵庫で半日〜一晩おきます。
この工程で、味の8割が決まります。
ヨーグルトの乳酸と白い醤油麹の旨みが豚肉に入り、焼いたときに外は香ばしく、中はしっとり仕上がります。つまり、ここで手を抜くと後でちゃんと返ってきます。料理はだいたい、そういうところがあります。
2.ロティサリーフォークにセットする
マリネした豚肉をロティサリーフォークにしっかり固定します。中心がぶれると焼きムラにつながるので、ここは丁寧に。
ロティサリーは、回っている姿に目を奪われがちですが、本当に大事なのはこの固定です。スター選手も、最初はきちんと靴ひもを結んでいます。
3.エペイオス・ノンフライヤーでロティサリー調理する
エペイオス・ノンフライヤーにセットし、ロティサリーで焼き上げます。目安は180℃で約30分です。肉の大きさに応じて前後してください。
“ロティサリー調理”は、肉を回転させながら火を入れることで、脂を落としつつ均一に加熱できる調理法です。家庭でこれができるのが、このエペイオス・ノンフライヤーの強さです。
ロティサリーで焼くと、外側は香ばしく締まり、中は肉汁を残したまま火が入ります。フライパン焼きの“おいしい焼き目”とは違って、こちらは“全方向から少しずついい感じになる”タイプ。なんとも頼もしい焼き方です。
4.休ませてから削ぎ切りにする
焼き上がったら5分ほど休ませ、肉汁を落ち着かせてから薄く削ぎ切りにします。
ここまで来ると、ようやく「ケバブを作った」と胸を張って言えます。ブロックのまま豪快に出したい気持ちも少しありますが、そこはちゃんと削ぐ。大人ですから。
春キャベツの千切りとケバブドレッシング
ポークケバブの脂を軽やかに受け止めるのが、春キャベツの千切りです。やわらかい春キャベツだからこそ、この料理に合います。
材料
- 春キャベツ:適量
ドレッシング
- ヨーグルト:大さじ2
- 白い醤油麹:大さじ1
- ケチャップ:小さじ1〜2
- レモン汁:小さじ1
- オリーブオイル:大さじ1
- おろしにんにく:少々
作り方
春キャベツを細めの千切りにします。ドレッシングの材料を混ぜ、食べる直前に春キャベツに軽く和えるか、添えてかけながら食べます。
このドレッシングは、ヨーグルトの酸味、白い醤油麹の旨み、ケチャップのやわらかな甘みをひとつにまとめた、今回のプレート全体をつなぐ味です。
ケバブは勢いのある料理ですが、春キャベツはその勢いをやさしく受け止めてくれます。勢いのある人の隣に、落ち着いた人が座っていると場がうまく回る、あの感じです。
チョバンサラダ(くん仕様)



今回のチョバンサラダは、定番の構成に新生姜とミント、ディル、カマンベールチーズを加えた、くん仕様の進化版です。
材料
- トマト:適量
- きゅうり:適量
- 玉ねぎ:適量
- 新生姜:適量
- ミント:適量
- ディル:適量
- カマンベールチーズ:適量
- レモン汁:適量
- オリーブオイル:適量
- 塩:少々
作り方
野菜とカマンベールチーズを食べやすい大きさに切り、新生姜、ミント、ディルを加え、レモン汁、オリーブオイル、塩で和えます。
トマトときゅうりの瑞々しさに、新生姜のキレ、ミントとディルの香り、カマンベールのコクが重なって、ポークケバブの強さを受け止めるサラダになります。
チョバンサラダは本来もっと素朴で、さっぱりとしたサラダです。でも今回は少しだけおしゃれをさせました。やりすぎると別人になりますが、このくらいならまだ本人確認は通りそうです。
盛り付ける

皿に春キャベツの千切りを広げ、削ぎ切りにしたポークケバブを盛り、チョバンサラダを添えます。春キャベツには特製ドレッシングを合わせます。
皿の中で、豚のコク、春キャベツの軽さ、チョバンサラダの酸味と香りがつながると、ただの肉料理では終わらない完成度になります。
ケバブなのに、ちゃんと野菜が主張してくる。しかも、その主張がうるさくない。なかなかできた皿です。
ポークケバブをおいしく作るポイント
- マリネは半日以上おくと、白い醤油麹とヨーグルトの力がしっかり入る
- ロティサリーフォークは中心を意識して固定する
- 焼き上がりはすぐ切らず、少し休ませてから削ぐ
- 春キャベツは細めに切ると、ケバブとの一体感が出る
- チョバンサラダは食べる直前に和えると、香りが立つ
ロティサリー調理のよさ
今回の仕上がりを決めているのは、間違いなくロティサリーです。
- 肉が回転しながら均一に火が入る
- 余分な脂が落ちる
- 表面が香ばしく、中はしっとり仕上がる
正直、この仕上がりはフライパンでは再現しにくいです。もちろんフライパンにも良さはありますが、今回はロティサリーに軍配。今日はもう、そういう日です。
ソムリエのひとこと
この一皿は、豚の脂の甘み、ヨーグルトの酸味、ハーブの香りがきれいにつながっています。
合わせるなら、軽やかな赤か、抜け感のあるオレンジワインがおすすめです。
- ガメイ
- 軽やかなシラー
- ナチュラル寄りのオレンジワイン
重すぎる赤よりも、少し軽やかで香りのあるものの方が、この料理の春らしさに合います。豚の脂に寄り添いながら、ハーブの香りを邪魔しない。そういう空気の読める一本が向いています。
ぶーちゃんのひとこと

「これは止まらないやつ」
まとめ
ポークケバブは、本場そのままではないかもしれません。けれど、家で作る料理としては、かなり理にかなっています。
- 豚のコクと甘み
- 白い醤油麹のやさしい旨み
- エペイオス・ノンフライヤーのロティサリーによる火入れ
- 春キャベツとチョバンサラダで整える軽やかさ
これだけ揃うと、家の料理がちゃんと店になります。
しかも、妙に気取っていないのがいい。ちゃんとごちそうなのに、ちゃんと家の皿に着地している。このあたりが、なかなか愛おしいところです。
このレシピの味は、白い醤油麹で決まります。作り方を知らないともったいない。
是非こちらをご参照ください。

チキンで作る場合はこちら。


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