夜ごはんは、張り切らなくていい日が、いちばんおいしいと思っています。
音を立てない料理。香りを出しすぎない皿。ワインも、今日は少し後ろに下がる。
この日は、からすみと仔牛、そして柑橘が、静かにつないでくれました。
この日の夜ごはんを美味しくしたポイントは3つあります。
- からすみは「塩味」ではなく、香りとして使う
- 仔牛は低温調理で芯を作り、焼きは一瞬だけ
- 柑橘は絞らず、皮の香りを置く
この夜ごはんに合わせたワイン3選
料理が静かな日は、
ワインも声を張らせない方がうまくいきます。
白① 食卓の背骨になる一本
カンティーナ・テルラーノ/ピノ・ビアンコ(アルト・アディジェ)
合わせる料理
- 自家製からすみとアレッタのペペロンチーノ
- ボイルズワイガニ
- 生ハムサラダ(レモンドレッシング)
- ブリのカルパッチョ
理由
香りは控えめで、
酸はまっすぐ。
塩、油、柑橘。
どれか一つを持ち上げることなく、
食卓全体のトーンを揃えてくれる白です。
この夜の、背骨になる一本。
白② 香りを楽しむ二杯目
リヴィオ・フェルーガ/フリウラーノ(フリウリ)
合わせる料理
- 自家製からすみ(ラム酒漬け)
- ブリのカルパッチョ(みかん皮の香り)
- 生ハムサラダ
理由
ナッツのような余韻と、
わずかな苦味。
ラム酒の甘香や、
柑橘の皮のビターさを、
広げすぎず、消さずに残す。
会話が静かに続くタイプの白です。
赤 仔牛のためだけに
ケットマイヤー/マゾ・ライナー ピノ・ネロ 2021
合わせる料理
- 仔牛の低温調理ステーキ
理由
樽は控えめ、
果実は前に出ない。
低温で仕上げた仔牛の
内側の旨みと、
表面の一瞬の焼き。
その両方を、
邪魔せず、強調もしない赤です。
このワインは、
食卓を支配しません。
一皿だけを、きれいに照らします。
※この夜に合わせたワインは、記事下にまとめています。
今日の献立





- 自家製からすみとアレッタのペペロンチーノ・リングイネ
- 仔牛の低温調理ステーキ
- ボイルズワイガニ(記事下にまとめています。)
- 生ハムサラダ・レモンドレッシング
- ブリのカルパッチョ・みかんの皮の香り
今日のエッセイ
からすみは、
削る直前がいちばん静かです。
塩を当てた日、
酒に浸した日、
干して、待った時間。
その全部が、
削る一瞬に集まる。
その話は長くなるので、
仕込みのことは別の記事にまとめました。
【▶ 自家製からすみの仕込み方はこちら】
仔牛は低温で火を入れて、
最後にフライパンで、ほんの一瞬だけ焼く。
焼いたというより、
「ここですよ」と合図を送るだけです。
ブリには、みかんの皮を少し。
香りは足すものではなく、
置いておくものだと思っています。
この夜は、
どの料理も前に出ません。
でも、ちゃんとつながっている。
そういう夜ごはんです。
レシピ
自家製からすみとアレッタのペペロンチーノ
材料(1〜2人分)
- リングイネ 180グラム
- 自家製からすみ
- アレッタ
- にんにく1個
- 唐辛子1本
- オリーブオイル適量
作り方
- パスタを茹でる
- にんにくと唐辛子でオイルを作る→🧄アーリオ・オーリオ|にんにくオイルの火加減メモ
- アレッタをさっと加える
- 火を止め、からすみを削る
栄養メモ
からすみの卵黄由来のアミノ酸と、青菜のビタミン。
軽いのに、満足感のあるパスタ。
仔牛ランプ肉の低温調理ステーキ
作り方
- 塩をせずオリーブオイルを少し入れて低温調理(58度で2時間)
- 火入後に流水でさまし、しっかり休ませる
- 常温に戻し、ここで塩胡椒をし、フライパンで強火、表面だけ焼く
低温調理にしている理由は、
仔牛をやわらかくするためというより、
「焼きすぎない余白」を作るためです。
この余白があると、
最後の強火をほんの一瞬で済ませることができます。
栄養メモ
脂が軽く、消化がよい仔牛。
夜でも重くなりにくいタンパク源。
ブリのカルパッチョ・みかんの皮の香り
作り方
- ブリを薄く切る
- 塩とオイル
- 仕上げにみかんの皮(チンピでもOK)とレモンドレッシングを回しかける
栄養メモ
DHA・EPAと柑橘の香りで、
体も気分も軽く。
🍷 ソムリエのひとこと
この夜は、
ワインに説明をさせない方が、
料理がよく話します。
白で整え、
香りで少し遊び、
赤は仔牛のためだけに。
それくらいが、
ちょうどいい距離感です
🐾 ぶーちゃんのひとこと

「きょうは、においが しずか。」
✨ まとめ
- 香りを足しすぎない
- 火を入れすぎない
- ワインを語らせすぎない
静かな夜ごはんは、
翌日まで、ちゃんと効きます。
この夜ごはんで使ったもの
※再現したい方のために、使ったものだけまとめました。
この夜ごはんに合わせたワイン3選
※この夜ごはんをそのまま再現するなら、
まずは「白ワイン1本」と「低温調理器」があれば十分です。
この3本の中で、いちばん再現性が高く、
料理全体のトーンを崩さないのは
アルト・アディジェのピノ・ビアンコです。
仔牛の低温調理に使用した低温調理器
毎年お正月に食べるハズレないはぴねすクラブのズワイ蟹
関連記事
・自家製からすみとアレッタのペペロンチーノ
→ 使っているからすみは、こちらの記事で仕込んでいます
【▶ 自家製からすみの作り方|時間を味に変える仕込み】


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