おせち三段重、静かにほどける朝のごちそう
— 和と中と低温調理、重箱に詰めた時間 —
この日の“おいしい”ポイントは3つ
- ① 低温調理を軸にした肉おせちで、朝でも重くならない設計
- ② 和・中・発酵・スパイスを一段ずつ整理し、味覚が迷子にならない
- ③ 仕込みは年末、朝は**「開けるだけで完成」**の余白あるごはん
おせちに合わせたワイン3選
おせちにワインを合わせるとき、
「何に合わせるか」を決め始めると、だいたい迷います。
この三段重は品数が多いので、
一品ずつ寄り添うより、段ごとにまとめて考えるほうが
合わせやすいかと思います。
① ミネラル感のある辛口スパークリング
(シャンパーニュ/クレマン/上質なカヴァなど)
数の子、クラゲ、タコ、紹興酒漬けの海老。
この辺りを一度リセットしてくれるのが、泡です。
泡は主張せず、
ただ「次、どうぞ」と場を整えてくれる。
正月のおせちには、いちばん気が利く存在かもしれません。
② 樽を使っていない、凛とした白ワイン
(シャブリ、アルザス、北イタリアの白など)
西京焼き、煮物、豆腐の含め煮。
出汁や甘みが前に出る料理には、
香りで押さない白がちょうどいい。
冷やしすぎず、
少しだけ温度を上げると、
おせちの「静かな旨み」が見えてきます。
③ 軽やかで果実味の穏やかな赤ワイン
(ピノ・ノワール、ガメイ、ネレッロなど)
鴨、ローストビーフ、豚肩ロース。
低温調理の肉は、赤ワインを選びすぎると負けます。
強くしない。
重くしない。
「赤だけど、昼でも飲めちゃうな」くらいが正解です。
今日の献立(おせち三段重)

【手前のお重】
- 数の子出汁漬け
- サワラの西京焼き
- こんにゃく煮物
- 天使の海老の紹興酒漬け
【右奥のお重】
- 肉盛り
(鴨スモーク/低温調理ローストビーフ/鶏味噌漬け焼き/豚肩ロース低温調理チャーシュー)火を見ない・揚げない・回すだけ。
使っている調理器具はこちらにまとめています。
→ ほったらかし調理器具のページを見る - レンコンのアーサ揚げ
- 中国クワイのスパイス煮
- タコと胡瓜のピリ辛胡麻油和え
- 海老のチリソース
【左奥のお重】
- 椎茸と油揚げの煮物
- クラゲとセリの和え物
- 黒豆煮
- 牡蠣の低温調理スモーク
- タケノコ煮物
- さつまいも甘露煮
- 里芋と大和芋の煮物
- たたきごぼうピリ辛
- 木綿豆腐の含め煮
今日のエッセイ
重箱の蓋を開ける音は、
料理の音というより、
「もう一回、座り直してください」という音に近い気がします。
おせちは作る料理ですが、
食べる側からすると、
すでに話が終わっている料理でもあります。
火を入れた日。
冷ました日。
味を落ち着かせた日。
それぞれ別の時間を過ごした料理たちが、
正月の朝になって、ようやく同じテーブルに集まる。
低温調理の肉は、朝から張り切りません。
鴨も、牛も、豚も、
「まあ、起きましたよ」くらいの顔をしています。
西京焼きは主張せず、
数の子は静かに歯切れを残し、
紹興酒に漬けた海老だけが、
少しだけ海外帰りの雰囲気をまとっています。
和でもなく、中でもなく、
かといって折衷と言い切るほど立派でもない。
この曖昧さが、正月の朝にはちょうどいい。
ぶーちゃんは、もちろん食べられません。
それでも重箱の前では、
いつもより静かでした。
今日は、人間がちゃんと座って、
時間をかけて食べる日だと、
たぶん分かっていたんだと思います。
レシピ①:数の子出汁漬け
材料
- 数の子
- 出汁(昆布+鰹)
- 薄口醤油・みりん
作り方
- 数の子を塩抜き
- 出汁を冷まして調味
- 一晩以上漬ける
栄養メモ
- DHA・EPAが豊富、朝の頭をやさしく起こす
レシピ②:低温調理肉盛り(共通設計)
ポイント
- 塩は前日
- 低温調理後は必ず休ませる
- 切る直前に常温へ
- 火を見ない・揚げない・回すだけ。
使っている調理器具はこちらにまとめています。
→ ほったらかし調理器具のページを見る
栄養メモ
- 高タンパク・低脂質、正月疲れしない設計
🍷ソムリエのひとこと
重箱料理は「一品ごとの完成度」より、
隣り合う味との距離感がすべて。
だからこそ、ワインも日本酒も“主張しすぎないもの”が正解です。
🐾ぶーちゃんのひとこと

「ふた、あけるの、すき。においがたびするから。」
✨まとめ
- 主役は一品ではなく、三段分の時間
- 低温調理と和中折衷で、朝でも食べられるおせち
- 正月のごはんは、がんばらなくていい
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火を見ない・揚げない・回すだけ。
使っている調理器具はこちらにまとめています。
→ ほったらかし調理器具のページを見る
料理がツヤっと映るのはこのライト
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