ひとくちメッセージ
このアンチョビは、
「今日は俺が主役です」という顔をしない。
でも、いないと
だいたい味が落ち着かない。
そういう食材です。
アンチョビの選び方|銀座の厨房で使い続けてきた理由と一本の結論
銀座でイタリアンの厨房に立っていた頃、
アンチョビはほぼ毎日使っていました。
正直、その頃は
アンチョビについて文章を書く人生になるとは思っていませんでした。
当時のアンチョビの役割は、とても地味です。
味を決める、というより
味が暴れないように見張る係。
忙しい営業の中では、
毎回同じところに着地することが大事でした。
料理も、人も、
ブレ始めると一気に疲れます。
アンチョビに求めていたのは、
個性でもインパクトでもなく、
「今日は何も起きませんでした」という安心感。
いくつか試したこともあります。
塩気が強すぎたり、
香りが前に出すぎたり。
悪くはないけれど、
毎日のフライパンには少し元気すぎる。
結局、
一番トラブルが少なかったアンチョビが残りました。
使い続けていたのは、
スカーリアのアンチョビフィレ(瓶)です。
オイルに入れると、
特に自己主張もせず、
すっと溶けていく。
キャベツやにんにく、
茹で汁と混ざっても、
一歩下がった位置で仕事をしてくれる。
今日の家のキッチンでも、
状況はほとんど変わりません。
ワンパンで作ったパスタでも、
「塩、足そうかな」と
一瞬考えて、やめる。
だいたいそのままで大丈夫。
派手じゃない。
でも、いなくなると困る。
家で使うなら、
こういうアンチョビが一番ちょうどいい。
……たぶん、性格の問題もあります。
銀座の厨房でも、
今の家のキッチンでも、
結局この一本に戻ってくる理由は、
それくらいの話です。

この写真をクリックしてください


👉 塩が強すぎず、香りが前に出すぎない。
毎日のフライパンで「一番トラブルが少なかった」アンチョビです。
このアンチョビを使った料理※ 実際にこのアンチョビで作っています。


※このアンチョビを使った、ある日の夜の一皿
まとめ
アンチョビは、
主役にならなくていい。
毎回ちゃんと溶けて、
味をまとめて、
何事もなかったような顔をしている。
家で使うなら、
それで十分だと思っています。
ぶーちゃんのひとこと

何本もアンチョビを開けてきたけど、
この瓶を見ると「今日も平和だな」って顔になります。
ぼくは匂いだけで満足です。


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