朝6時。まだ空が白んで鳥の声が聞こえはじめる頃。
ぶーちゃんは「もう少し寝たいなぁ」という顔で丸まっていますが、リードを見せた瞬間に瞳がきらり。玄関まで走っていき、「さぁ行こう!」と尻尾を振ります。
公園に着けば一気にギアが入ります。芝生の上を駆け抜け、階段は一段飛ばし。
――「6時8分、ぶーちゃん軽快なダッシュ! ここで華麗なターン! 観客は朝露に濡れた草花と、まだ寝ぼけ顔の私ひとり!」
そんな実況が自然と口をついて出ます。
ひとしきり走り終えたあとは木陰で小休止。涼しい風を感じながら、ぶーちゃんの鼻先はすでに「次の楽しみ」へ。そう、散歩のあとの自分の朝ごはんです。
「今日はいっぱい走ったから、ごはんが絶対においしいはず! くんの朝ごはんより、ぼくのごはんが先だよね?」